無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年04月25日(金) メモ日記/シカゴな夜。

 小雨そぼ降る中、仕事帰りに大河すし。
 例の「一度食ったら二人で一気に5千円吹っ飛ぶ」トンデモない回転寿司の店。リニューアルして何が変わったかって、マイクで「本日のお奨めは……」なんてやってるのである。うるさくなったただけだって〜の。
 ここの卵サラダと牛ステーキがしげのお気に入りなのだが、メニューを見ながら、「えーと、オレが好きなん、牛ステーキやったっけ、カルビ焼肉やったっけ?」と海馬壊れまくりの発言をする。
 「……両方食えば?」と呆れながら言ったら、しげ、ホントに両方注文する。
 で、食ったあとで、「牛の方が好きやった。なんで先に教えてくれんと?!」と理不尽な難癖。こういう阿呆に効くクスリはないか。
 私は新商品の焼きしいたけをポン酢で食って舌鼓を打つ。こういう安くてヘルシーでしかも風味のあるやつがいいね。寿司と言っていいのかどうかは知らんが。

 ブックオフに寄って、中古の洋画DVDなどを買いこむ。
 とうの昔に絶版になってた角川文庫の『少年ケニヤ』を見つけて狂喜。これ、途中まで買ってたけど、全巻買い揃えられなかったんだよなあ。
 
 ワーナーマイカル福岡東で、映画『シカゴ』。
 ボブ・フォッシーのミュージカルの映画化だが、実際のレビューシーンを除いて、ミュージカルのシークエンスは全てヒロインの「妄想」とした改変が面白い。
 これがアカデミー賞を取ったことで「ミュージカルの復活」なんてことを喧伝するやつがいるが、さてそいつはどんなものか。もともとこの話は、実在した二人の女殺人犯のスキャンダラスなゴシップを元ネタにしてるんである。ひと昔前の「健全な」ミュージカルとはまるで内容が違ってるのだ。
 ともかく繰り出されるナンバーがどれもこれも犯罪者や悪徳弁護士の手前勝手なヘリクツに自己弁護、傲慢な放言ばかりと来ている。普通の常識ある人間が感情移入できる人間はただの一人も出て来ないと言ってもいい。
 レニー・ゼルウィガーはとことんブスのアバズレ、自分がマリリン・モンローになったかのような立居振舞は失笑、リチャード・ギアもキャサリン・ゼタ=ジョーンズも、下等で下品なダメ人間っぷりを実に楽しげに演じている。これはまず犯罪コメディなんであって、ミュージカルとしての楽しさは二の次、三の次であると言ってもいい。実際、純粋に「名曲」と言えるのはオープニングの『オール・ザット・ジャズ』くらいのものだし、ダンスも総じてヘタだ(ワザとそういう風に見える演出なんだろうが)。
 しかし、そのヘタで下品でダサダサなダンスがこの映画には実に合っているのである。いみじくもラストでキャサリンが言った、「殺人犯が一人だと受けないけど、二人なら……?」というセリフにも表れている。そう、大衆が舞台に望んでいるのはダンスの見事さなどではなく、そこに繰り広げられているスキャンダルにあるのだ。
 ……皮肉な舞台を作ったもんだよなあ。これ、従来のミュージカルを真っ向から否定してるんで、とても「ミュージカルの復活」なんて言葉は合わないんだけど、チンケな評論家はそんなことに気づいてもいないんだろうね。


 帰宅して、DVD『幻の洋画劇場 ロストワールド』。もちろんオリジナル版である。チャレンジャー教授は探検家リチャード・バートンがモデルだっていうけど、ホントにこんな癇癪持ちだったんだろうか。
 一番原作に忠実な映画化と言われてるけど、ロンドンに連れてきたのは原作のプテロダクティルス(描写を見る限りプテラノドンなんだが)ではなくてブロントサウルス(これもアパトサウルスって言わにゃならんのかね)。これはウィリス・オブライエンの趣味による改変だったのかなあ。今なら絶対ティラノサウルスになるところだろうね。

2002年04月25日(木) あの人にだけわかるナニの話(^^*) /DVD『エイリアン9 DVD対策BOX』……“NEW”!
2001年04月25日(水) おむすびころりん/『最終兵器彼女』4巻(高橋しん)ほか



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