無責任賛歌
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2003年02月25日(火) |
鬱が続くよどこまでも/DVD『パワーパフ・ガールズ ムービー』/DVD『押井守 シネマ・トリロジー/紅い眼鏡』 |
昨日の日記で書き忘れてたけど、『BSマンガ夜話』を見ました。 午前12時を回っての放送なんで、今日の日記に書いてもおかしかないんだが。 取り上げられたのは野中英次『魁!! クロマティ高校』。 通産百回ということで、こんなのまで取り上げられるようになったのだなあ。でも、これを取り上げるなら先に池上遼一を取り上げとかないといけないんじゃないかね。でも池上遼一最大のヒット作『男組』も今や入手困難。かえって『スパイダーマン』を取り上げた方がタイムリーかもね。放送中も言及されてたし。そう言えば『舞』のハリウッド映画化はどうなったんだ。 全然『クロマティ』の話をしないけど、これ実はすごく難しいのね。毎回、『クロマティ』の新刊の紹介するたびに私がアタマを抱えてるの、おわかりでしょうか(^_^;)。 夏目房之介さんが「夏目の目」で指摘した通り、この人の絵、池上遼一の悪いところだけ抽出してできあがってるんである。それは普通に考えれば、この人がヘタだってことなのである。かといって、いわゆるヘタウマってんじゃなくて、なにしろ模写なんだからオリジナリティも個性もヘッタクレもない、純粋にヘタなんである。普通はこういうマンガはつまんなくなるはずで、実際、つまんないんだけれども、でも、その、つまんなくてたるくてってところが面白いんである。これはもう、マンガを散々読んで自分でも描いてってマニアじゃなきゃわかんない面白さなんだけれども、ところがマンガの読み方なんて知らないゲストのFLIP FLAPにも面白かったりするんである(この双子さん、池上遼一を知らなかった)。でも万人向けのギャグかというとそんなことはなくって、多分、ギャグがベタ過ぎて笑えないってやつもいっぱいいると思うのだ。 じゃあ、結局、面白いのつまんないの? って言われたら、人によるんじゃない? としか言えないのだ。困るね、こういうマンガ。
職場でまたもや険悪な会議。鬱がますます鬱になる。 内容は書けないが、去年までの放埓経営が災いして、来年度から経営縮小せざるを得なくなってしまったのだ。 ところが幹部連中は全然謝らないのである。自分たちが過剰労働を我々に強いておいて、かえって能率が下がってしまったことを我々のせいにしようとしているのだ。 でも、我々が悪いのなら、どうして労働体制を以前の形に戻すというのか。筋が通っていないのである。 だもので、みんな怒っているのだ。いい加減、幹部のクビをすげ替えなきゃいけないんじゃないかとみんな思っているのである。会議の席で、それとなくそんなことを匂わせる発言も出ているのである。 すわクーデターか。 端から見たら多分すごく面白い事態になっているのだが、残念ながらこれ以上詳しいことは書けないのだ。 何がどうなってるかどうしても知りたいって人は、メールででも連絡していただければお教えします。ただし、その際にはアナタの住所・本名・年齢・性別・職業その他、個人情報を全て正直に教えること。私について、要らんこと誰かにバラした場合には、アナタの情報もバラ撒きます。 ああ、オレってなんて陰険なヤツなんだ。
帰りに駐車場に来てみると、しげがまだ来ていない。 こないだ反省したばかりだというのに、また寝てるのかと連絡を入れると、ぴんでんさんがビデオカメラを返しにくるので、出られないとのこと。 そんなん昨日、しげが寝惚けてなきゃ、昨日のうちに片付いてたことなのに。しげは寝るだけであちこちに迷惑かけてるのだ。寝るなとは言わんが、普通の人間並に一日6時間程度の睡眠で生活ペースを作ってくれよ。
DVD『パワーパフ・ガールズ ムービー』。 映画公開時と同じく、『デクスターズ・ラポ ニワトリ男の恐怖』を収録してくれているのは嬉しいのだが、テレビのスタンダードサイズに合わせて、左右の画面がバッサリ切られちゃってるのが残念。 ところが不思議なことに、さほど画面に違和感がない。 中央の人物はちゃんと顔が見えるけれど、端にいる人間の顔が切れてしまうとか、昔のシネスコ映画がテレビ放映された際によくあったトホホな映像は全くない。ガールズが3人並んでいる場面は、ちゃんと3人が画面の中に収まっているのだ。 逆に画面が切れてるおかげで面白い効果を出しているシーンすらある。バブルスの顔をプロッサムの左目だけが見てるとか、なかなかシュールだ。 これはもう間違いなく、テレビサイズになることを想定して、予めそういうレイアウトでコンテを切っていたのだ。して見ると、これを一概に「損した」と言い切っちゃっていいものか……とは思うんだけど、やっぱり損した気になっちゃうんだよなあ。 『ブレードランナー』の映画版は、「最終版」が一番出来がいいってのはわかってるんだけど、「完全版」のほうをつい買っちゃうってのも、でないと「損した」感がしちゃうせいだろうなあ。
DVDで静止しながら確認できたデータがいくつか。 パワーパフガールズは初め街で大暴れしたときには“Freaky bug−eyed Weirdo Girls”(まんまるい目をしたヘンな女の子たち)と呼ばれていた。もちろんこれは「ベム」と「ウィアード・テールズ」の合成語。 でもって、映画見てたときから気になってた「モジョ・ジョジョ軍団」のメンバーたちのフルネーム。 オジョ・タンゴ“Ojo Tango”(オランウータン) ロッコ・ソッコ“Rocko Socko”(ゴリラ) バブーン・カブーン“Baboon Kaboom”(ヒヒ) ゴーゴー・ポ・トロル“the Gogo Po−Trol”(小猿) ホッタ・ウォータ“Hota Wata”(マカーク猿) チャチン・チャチング“Cha−Ching Cha−Ching”(オモチャの猿) ダーダーズ“the Doot Da Doot Da Doo Doos” (飛び猿) ハチャ・チャチャ“Hacha Chacha”(テングザル) ブラブラブラブラ“Blah−Blah−Blah−Blah”(やせっぽちの猿) キラー・ドリラー“Killa Drilla” ボンゾ・バンゴ“Bonzo Bango” ローロ・オヴォ“Rolo Ovo” クランチャ・マンチャ“Cruncha Muncha” ワッコ・スマッコ“Wacko Smacko” パピー・ワッピー“Pappy Whappy” こんなもん調べてどうなるかって、別にどうにもならないんだが、調べてみたくなったんだよう。
ブラブラブラブラがトマトのタツマキ(“tomarto tornade”ってシャレだね)を起こすときに、英語版ではモジョが「トマト?」と言うと市長が「トメイトウ!」と発音を訂正するのだが、日本語版では反対に「トメイトウ」を「トマト」と訂正している。 モジョって日本人のアナロジーだと思ってたから、日本語版だとその感じが出ないんだが、これはまあしょうがないか。
オマケの新作・インタビュー集、ブロッサム・バターカップ・バブルス・博士・市長まで見ると、隠しコマンド(ってそのまま見てればいいだけだけど)で、エキストラ・ガイ(って、チョイ役さんってことね)のインタビューも聞ける。そんなん聞けてどうするか(^_^;)。
DVD『押井守 シネマ・トリロジー/紅い眼鏡』。 この映画も、一時期は毎日のようにビデオで見返していた。決して出来がいいとは言えないし、いかにもシロウトっぽい映画なんだけれど、シロウト映画とはやはり一線を画していることも事実なのだ。 なんというか、そこに盛りこまれた情報量がハンパではないのである。もちろんそれらの殆どはただのマクガフィンだろうとは思った。けれどマクガフィンでありながら、そこには確実に「拘り」があるのがわかるのだ。無意味なものであっても意味がある。それっていったい、なんなんだ。 犬と猫はいったい何の寓意か。警視庁特捜班と立ち食いのプロとどういう関係があるのだ。眼鏡は、少女はなぜ赤いのか。「紅い眼鏡」が宮崎駿の寓意なら、押井守自身はどこにいるのか。いや、それは冗談だとしても、主人公が最後まで「なぜそこにいて何をしようとしているのか」が全く提示されないまま、それでもムリヤリドラマが成立させられてしまっている強引さはいったいなんなのだ。 要するに、やってることはデタラメなんだけれど、それでも「フィルム」に撮っちまえば映画として完成してしまうという単純な事実、それこそ「映画の神髄」であるのだということを突きつけられたのである。シロウトっぽいのに作り手が確信犯であるためにそこに確実に「映画」を作りあげるための計算は存在している。つまらないはずなのに面白いのはそのせいなのだ。 いや、押井守と伊藤和典のコメンタリー聞くとさ、ともかく予算がなくて、苦し紛れの行き当たりばったりで撮ってるってんだもん、このフィルム。これから映画を作ろうって人間にとってこそ、『紅い眼鏡』は刺激的なのではなかろうか。
コメンタリーでの裏話を一つ一つここで紹介していくのもオモシロイのだが、とても書き切れるものではないので、やっぱりDVDボックスを買ってください。『紅い眼鏡』について語り合える人なんて、私の周りにはしげとよしひと嬢くらいしかいないんですよ。 一つだけエピソードを紹介しておくと、月見の銀二役で出演していた天本英世さん、朝の7時に現場に入ったのに、撮影が始まったのは午後3時(ロケ地の掃除に5、6時間かかったのである)。天本さんはすご〜く機嫌が悪くなったそうな。 後年、押井さんと伊藤さんが駅のホームで偶然天本さんに遭ったとき、二人は慌てて逃げ出したとか。 「大丈夫大丈夫。向こうはこっちのことなんて覚えてないよ」 全く、失礼な二人だ(^_^;)。
2002年02月25日(月) だめおんなず・うぉ〜か〜/『ネコの王』2巻(小野敏洋)ほか 2001年02月25日(日) 誰もいない海/『シイナのファブリオ▽』(がぁさん)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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