無責任賛歌
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記




ホームページプロフィール掲示板「トーキング・ヘッド」メール
藤原敬之(ふじわら・けいし)

↑エンピツ投票ボタン(押すとコメントが変わります)
My追加


2001年02月25日(日) 誰もいない海/『シイナのファブリオ▽』(がぁさん)ほか

 二週間ぶりの練習の日であったが、ほぼ全員、都合がつかぬというので急遽お休みとなってしまった。
 ある者はバイト、ある者は風邪といった具合で、これじゃ話し合いになろうはずがない。女房は来る予定だった鈴邑夫妻に中止の連絡を入れ、私もロデムさんに同様の連絡を入れる。ロデムさん、そういうこともあるのかと笑う。
 練習部屋を早めに確保せねばならないので、メンバーのスケジュール調整が不可能なのが痛いところである。まあ、しゃあないわな。
 朝の時間を使ってシノプシスを書き上げようと思っていたのだが、余裕が出来てしまった。二、三日かけて二つ三つ書ければいいかな、と、もう少し頭の中で練り上げることにする。

 『仮面ライダーアギト』、今回はコブラ男の登場(なんか面倒臭い名前があるらしいが「コブラ男」でいいじゃん)。嬉しいことに相方のヘビ女は頭髪が蛇の、ゴーゴン姉妹タイプ。つまり、原作版『仮面ライダー』の「よみがえるコブラ男&蛇姫メドゥーサ」のコンビが、初めて映像化されたわけである。こりゃもう、最終的に黒幕は日本政府、ということにしてくれないと困るな(原作を読んでない人にはネタバレになるけど、「ショッカー」と日本政府って実はつるんでたって設定なのよ。これ、『スカルマン』の頃から共通してる設定なので、実のところ『仮面ライダー』が原作通りに映像化されたことはない、ということにもなるのです)。
 『仮面ライダー』シリーズはこれまでにもちょくちょく「原点がえり」をしようとホラーでシリアスな要素を加味してきたが、たいていそれは失敗し、路線変更を余儀なくされたものだった。一番かわいそうだったのは『真・仮面ライダー 序章』で、ホントに序章だけで終わってしまった。……巨大化したやつもいたな。そんなのに比べたら、今回の『アギト』は、石森テイストを残しつつ、かつ新しい観客層にも訴えかける要素を持った正統派ではないのか。これを単に「異色作」と位置付けるのには私自身は不満に思う点があるのである。
 ただ手放しで誉めてばかりもいられない。シリアスな展開の合間に、美杉家でのユーモラスなシーンを差し挟んで緩急をつけようという意図はわかるのだが、これがうまく効いていない。特撮面でもビデオ画像が怪人の造形をより作り物めいた印象にしてしまっているのが結構イタイ。
 何より、も少し演技の出来る役者使ってくれよう(T_T)。見てて恥ずかしいんだよう。



 マンガ、がぁさん『シィナのファブリオ▽』読む。
 以前「まんだらけ」でやっと見つけた、がぁさんの第一作品集。「ファブリオ」ってのは中世のエロ小説のことである。もちろんこのマンガ自体、エロなんであるが、ファンタジーやSFがエロと不可分なく交じり合い、絶妙のコンビネーションを形成しているのがこの人の作品のすごいトコロなのである。
 丸っこいかわいらしい線のキャラクターが持ち味で、別にエロ描かなくても充分やっていけると思う。実際に最近はエロなしの『だいらんど』なんかも描いてるし。でもこの人、どうも生活の手段として仕方なくエロを描いた、というわけでもなさそうなのだ。
 たいてい、がぁさんのマンガに登場する女の子は、最初は処女である。いや、処女ものは確かにエロマンガには多いが、決してがぁさんの主人公の女の子は不幸になったりしない。好きな相手に好きだと言えず、会えば喧嘩をしてしまう。だけど心の中ではいつか彼と結ばれたいと願っていて……そしてあるトラブルをきっかけに、二人はお互いの本当の気持ちに気づく。そして最後には心の底から結ばれ、愛を交し合うのである。
 こんな気恥ずかしいまでのハッピーエンドもの、今どき『りぼん』にだって載っちゃいねーぞ。これは構造的には完全に「ひと昔前の少女マンガ」なのだ。
 私も女房もはまってしまったのは、その辺にも理由がある。
 がぁさんをよく知らない人は、眠田直さんのホームページからリンクでがぁさんのホームページに行けますので、一度覗いて見てくださいな。

 昼寝中の女房の頭から白髪を抜く。
 実はこの白髪抜き、私の一番の趣味だったりする。昔、母の白髪を一本10円で抜かされていのがきっかけで、白髪抜きの楽しさに目覚めてしまったのだ。
 残念なことに、世の中に「白髪抜き屋」という商売がないために、その道に進むことはかなわなかったが、いつか女房を娶ったら、そいつの白髪を存分に抜いてやろうと心に決めていたのである。……変態だなんて言うなよ。しいねちゃんの耳かき好きよりはマシだ。
 しかし、結婚当初の女房はまだ若く、ただの一本も白髪がなかった。内心私は臍を噛んでいたのである(……今改めて気がついたが、女房って「幼な妻」だったんだなあ。全然、麻田ルミみたいな可憐な雰囲気ないけど)。それからひたすら待つこと十年、さすがに三十路が近いと少しは白髪も増えて来ようというもの。ついに私の悲願が成就する日が来たのだ。
 とは言え、私に比べたらまるで目立たず、たまに黒髪の間からチラッと数本見える程度のものなのだが。
 それでも髪を掻き分け探し出していくと、短い白髪が二、三十本は見つかる。
 「もう私、年寄りなんだよう。ほっといてよう」と駄々をこねるのを無視して、一本一本抜いて行くと、「痛い、痛い」と悲鳴を上げる。白髪のクセに根深くって、見ると肉も一緒に取れている。そりゃ痛いよな。
 「もう、あんた、わざと痛くしよろう?!」
 ついにガマンしきれず、女房は布団を頭からかぶってしまった。
 ……しかし、あきらめることはない。なぜなら私は知っているからである。目の前にハラリと白髪が見えた時には、「抜いて!」と向こうから頼んでくるに違いないことを。

 タコめしを炊いて作ったのだが、女房がまるで食べてくれない。女房の味ご飯嫌いも困ったものである。
 仕方なく外に食事に誘う。
 相談の末、以前から行こうと思っていた、先日オープンしたばかりの「インターネットカフェ」に行くことにする。
 店は博多駅のバスセンターの8階、つまり紀伊國屋書店の上の、シネリーブルの更に上の階にあるのだが、インターネットつなぎ放題の、マンガ読み放題の、DVD見放題の、CD聞き放題の、ソフトドリンク飲み放題の、という夢のような喫茶店なのである。
 基本料金が30分230円、15分延長ごとに90円追加、リクライニングシート席でも300円という、ワリに良心的な値段。食事もカレーやスパゲティが各480円、そう高くはない。結局ふたりで2時間半いて、2600円だった。
 まだ開店したばかりなのでお世辞にもソフトが充実しているとは言い難いが、うまくするとこの店、結構繁盛するのではないか。
 フリー席は安いだけあってやや狭い。ちょっと椅子によっかかると向かいの椅子にぷつかったり、横にどくと隣の人から敷居を立てられたり。見てみるとボックス席の方がゆったりできそうだったし、途中で席を代わってもいいと店員さんから言われはしたが、今日はイチゲンさんなので安いとこにしておいたのだ。……って、気取るほどのものでもないが。
 入ってしばらくは『仮面ライダーアギト』のホームページを覗いたりする。
 スパゲティと今川焼きを注文し、女房に分けてやるが、女房は「時間制なんだから、食べてたら時間がもったいないよ」と言って、なかなか食べない。でもどうにも腹が空いたらしく。結局私のスパゲティを半分食べる。
 以下は、読んだマンガ。

 ささやななえ『魂返の島』、この人の『ミノタウルス』はギャグとホラーがほどよく混じりあって好きなんだが、純粋な怪談ものだと、ちょっと落ちが弱くなるものが多い。
 しかもこの話、諸星大二郎の稗田礼二郎シリーズの一編と、「死者の復活」という設定がよく似ているために(盗作ってことじゃなく、同じ伝承をモチーフにしてるせいなのだが)、どうしても諸星作品と比較してしまう。そうなると、出来の差は歴然としてしまうわけで、ささやさんのほうが見劣りしてしまうのは仕方がない。特に、ラストをハッピーエンドにしたのは無理があった。
 えんどコイチ『アノアノとんがらし』1巻、いまやもう手に入らないえんどコイチの初連載(『少年チャンピオン』!)作。とり・みきが昔「私が面白いと思った作品はみな受けない」と言ってた中に入ってた(^_^;)。実際3巻で終わっちゃって、えんどさんはジャンプに移るわけだが、ギャグだけで押し通した『とんちんかん』も好きだが、純ラブコメの『とんがらし』も実は好きだった。買い損なってたんで、秋田文庫で再販してくれんかなあ。
 永井豪『凄ノ王伝説』6巻、角川版の完結編。現行の集英社版とはエピソードが異なり、須佐が自分の内面世界では女子高生になっていたり(おいおい)、地上に出た瓜生が魔獣に変身したり(さっきまで罪を償うとか言ってたのはどうなったんだ)、身堂竜馬がゲリラになっていたり(これは「元通り」か?)、暴走しまくっている。……こりゃ完結できんわな。
 あろひろし『ソリャナイゼみるきぃライフ▽』……こんな爆乳あってたまるか。「巨乳カウンターアタック」の解説は笑えたが。

 女房、結構この店が気に入った様子。
 「また来ようね。今度はリクライニングのボックスの方で」
 来てもいいけど、眠るなよ。



↑エンピツ投票ボタン
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記

☆劇団メンバー日記リンク☆


藤原敬之(ふじわら・けいし)