無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年10月11日(金) 呪う女(・・;)/『お笑い創価学会』(佐高信・テリー伊藤)/『世紀末リーダー伝たけし!』1巻(島袋光年)ほか

 今日は一日出張。
 帰りが何時になるか分らないから、しげには地下鉄の駅まで朝だけ送ってもらう。
 楽しい出張だったのだけど、やっぱり職業がバレちゃうので、中身は書けないのであった。こうなると職業バラした裏日記も書きたくなるなあ。会員制にしてそういうのも作ってみようか。……って誰がわざわざ会員になってまでこんなのよむってんだろうね。思いあがりも甚だしいのである。
 書けることって、昼食に食ったうな丼プラスうどん定食が美味かったってことくらいかな。けれど、店の名前もやっぱりどこに行ったかバレちゃうので書けない。つくづく残念なことである。


 コンビニで『週間文春』を立ち読み。
 小林信彦氏が鮎川哲也の死去について一章まるまる述懐している。
 鮎川氏が鮎川哲也としてデビューするまでに様々なトラブルに巻き込まれたことは、とみに有名である。『黒いトランク』懸賞金未払い事件を初め、『赤い密室』が、高木彬光の筆が入っていると大坪砂男に中傷されて(事実は鮎川氏が高木氏の家に挨拶に行ったのが誤解されただけ)、推理作家協会賞を逸した件なども小林氏は紹介し、その結果、鮎川氏は「被害妄想」になったと説く。
 小林氏に対してあるときは親密な態度を取ったかと思うと、あるときは極端に疎遠になり、そのワケというのが「あなたは本格派を見限ってハードボイルドに行ったかと思ってました」という全く勝手な思いこみなのだから、これは小林氏も往生したことだろう。まあ、確かに小林氏の作風を見ればそう見えなくもない。もともと本格推理小説は小林氏は『神野推理』シリーズくらいしかなく、あまり得意とは言えない。確かに鮎川氏が被害妄想気味であったことは間違いないだろうが、これはまた、作風の定まらぬ(と言うか何がやりたいのか分らない)小林信彦に対する痛烈な批判でもあった(未だに定まってないとも言えるな)。
 一時期、深くつきあっていた小林氏ならではの視点ゆえに、見方によってはあ鮎川批判とも受け取れる筆致だが、これはもちろん「記録」なのである。既に鮎川氏は「歴史」なのだ。個人の名誉とか、そういうことよりも、氏の言動をそれに直接接した人々が感傷を交えずに記録することのほうが、優先されるべきことなのである。


 内田有紀と吉岡秀隆が、結婚を決めたそうな。前にも書いたような気がするが、今回が本決まりらしいから、一応、内田有紀の隠れファンである以上は(実はそうなんである)改めて書くことにする。で、どうやらこの結婚が内田有紀の引退、ということにもなるらしい。
 『北の国から』の完結編は一応ビデオに録っちゃいるんだけれど、まだ見返してない。共演中に愛が芽生えたって話だが、内田有紀は真剣に役者としての到達点を目指してたから、不器用だけれど間違いなく「役者」である吉岡秀隆に惹かれたのも分らないではない。ただ、内田有紀の役者としての到達点が果たして『北の国から』でよかったのかどうか、ちょっと残念には思う。でもじゃあ、これから彼女の役者魂を満足させられるドラマが作られることがあるのかというと、確かに望み薄ではあるのだ。
 内田有紀の役者としての才能は同年代の女優の中においては傑出していると言っていい。しかし、それを見抜いている映像クリエイターが殆どいないのが現状なのである。視聴者もまたその演技を斜めに見て、ポッと出のアイドルの余技ぐらいにしか思ってないのではないか。じっくり見れば彼女がいかに「役」に没頭してるかが分らないはずはないのだが。
 くだらん連ドラやバラエティばかりに使われて、ただ日々そのイメージを消費されるに任せる状況の中にあっては、役者を続けることの意味を自ら問うことになるのも自然の流れだろう。彼女は「仕事」をしたいのではなく、「演技」をしたいのだから。
 脚本家・倉本聰および演出の杉田成道を、結局はテレビの枠の中に留まっていて、映像演出としては雑な撮り方しかしていないと、私はあまり買ってはいないのだが、それでもほかの連ドラのいい加減さに比べれば遥かにマシである。これを花道にできるのであれば、役者人生に終止符を打ってもいいや、という気分になったとしても充分首肯できることではある。
 それにしても惜しい。なんとかもう一度、内田有紀にふさわしい役を、映像関係者は模索して彼女を翻意させる努力をしてほしいものだが、なんだか望み薄な気がする。願わくば彼女自身の役者魂が再び北島マヤのごとく燃えあがり(^o^)、「チョイ役でもいいんです、使ってください!」(つか劇団に入った時はまさしくこうだったのだ)とどこぞのオーディションを受けるか、夫となる吉岡秀隆が「もう一度やれよ」と言ってくれるかしないかなあ、と思うのだが。
 でも、富良野で結婚式挙げるのはちょっと……ねえ(^_^;)。


 佐高信・テリー伊藤『お笑い創価学会 信じる者は救われない 池田大作ってそんなにエライ?』(光文社/知恵の森文庫・520円)。
 実は昔、実家の床屋では聖教新聞を購読してました。でも別に創価学会の信者だったってわけではなく、知り合いから頼まれて置いてたそうです。でもはっきり言って読むとこ全くないし、じき、置かなくなりました。まあ、昔から世間から乖離したことしかやってなかったんですね。
 とにかく宗教とか政治結社やらに強く誘われたことが殆どありません。知り合いにそちらの人も結構いるんですが、私だけは絶対に誘いません。「しっかりした顔立ちだからでしょう」とか言われたこともありますが、果たしてホントにそうなのか。単に神も仏もないやつと思われただけではないのか。あるいは勧誘してもこいつはかえって組織内を引っ掻き回すと思われたのではないか。おかげで平穏無事な生活送れてますけど。まあ、神様いなくても人間生きて行けますよね。
 さて、この本、一応、創価学会の「批判本」ということになってますけど、別に宗教活動自体を否定してる本じゃないんですね。脱会した人の談話が収録されてますが、その人も別に日蓮宗そのものを捨てたわけじゃないので。
 つまり「宗教団体」のあり方の是非を問うているわけで、見方を変えればこれ、「あるべき宗教団体」の「指南本」になってるわけです。
 ムリに金集めするな、トップ批判を自由にさせるようにしろ、なんだか宗教団体を批判しているというよりバブル期の企業を批判しているような言質。全く、この本の言う通りにしていれば、創価学会はもっともっと発展していくぞ、と言わんばかりです。
 でもやっぱりこの本が単行本になったときには、焚書した学会員もいたことを後書きで佐高氏が暴露してますね。学会員の人たちって、やっぱり馬鹿多いみたいですよ。
 

 出張から帰宅したのは6時過ぎ。
 台本原稿を書かねばならないのだが、しげが「ラーメン食いたい!」といきなり言い出したので、筑紫通りの「金龍」に行くことになる。
 「金龍」自体はチェーン店で、家の近く、車で二分の距離にもう一軒あるのだが、チェーン店でありながらメニューが全く違うのである。筑紫通り店には、汁なし、タレと酢で食う「金龍そば」があるのだ。
 昔はこの金龍そば、「油そば」と言っていたのだが、語感が悪かったらしく、名前を変えた。確かにいかにも油食ってますって感じのネーミングじゃあ、ダイエット指向の強い若い人には全く売れまい。でも以前よりはタレの油分、幾分少なくなってはいるようである。
 しげ、普通のラーメンと油そば、どっちを選ぶか長々と迷う。こういう定食屋系の店は注文が決まらないのをひどく嫌がる傾向があるから、「両方頼め」と言って、食べ切れずに余ったのを私が食べることにする。
 あれだけ食いたがっていたのに、いざとなるとしげ、食べながら「おなかが痛い」と言い出す。結局相当私が食べる羽目になった。だからわしゃ糖尿だっちゅーのに。

 ラーメン食いながら、島袋光年の『世紀末リーダー伝たけし!』の1巻を読む(買ったんじゃないから値段を記すのもなんなんだが、一応、集英社/ジャンプコミックス・410円ね)。
 あー、たけしって小学校1年生だったんだ。老けた顔の小学生ってネタもこれまでに結構あったし(タイトル忘れたけど『サンデー』で連載してなかったか。『椎名百貨店』のネタにあったのは覚えてるんだが)、ギャグもまあ、どこかで見たことのあるものが多い。『コータローまかりとおる!』のパクリもあったぞ(主人公とライバルと、お互いに強さを言い合ってる最中に不良が茶々入れて、二人から同時にノされるってやつな)。
 イジメ問題とか扱ってるけど、展開や結末のつけ方は概して浅薄で、1巻読んだ限りではそんなに志の高いマンガには見えない。っつーか、ジャンプマンガで志の高いマンガがどれだけあるのか。『ワンピース』だって初期はパクリしまくりだったからなあ(構図やセリフまでマネしてるものがあるもので、とても換骨奪胎とか言い訳はできない)。
 復帰する価値のあるマンガ家かどうかって興味で読んでみたが、まあ、こちらがその価値をどう計ろうと、復帰できる人はするし、できない人はできない。これだけ節操のないマンガ描いてた人なら、意外といけしゃあしゃあと復活しちゃうかもね。


 帰宅してひたすら原稿書き。
 しげがフスマの陰から、黙ってじっとこちらを見ている。
 「……何見てんだよ」
 「見てるだけ」
 〜m( --)m (/;°ロ°)/ アレー
 背後霊かおまえは。キーボードの上で指が硬直して、文が進まない。こりゃもうあかん、しげが寝てから書こうと思い、背中に突き刺さる冷ややかな視線を無視して風呂に入る。
 風呂に入った途端に昼間の疲れがどっと出て落ちる。目覚めるともう午前様。
 こりゃヤバいと、もう一度パソコンに向かうと、しげが、掲示板に愚痴を延々と書き残している。これがまたなんとゆーか、その(〇_o;)。
 これはもう、私の筆致でその迫力を伝えることはできないので、しげの書いたものをそのままコピーしておこう。
 掲示板の過去ログはそのうち流れて消えちゃうので(最近のものを除いて、保存はしてないのよ)、これも一つの記録である。



 最初の締め切りは9月でした。
 「叩き台でいいから」と30分位のものを頼んでいたのです。
 できません。というか、とりかかってさえいません。
 ・・・依頼したのは夏の初めでした。

 今日から合宿です。

 先週東京に行くというので、「1週間前の練習には持っていってみんなに見せてあげたい。あがってから東京に行け。」と言い、「分かった。」と言っていました。
 勿論あがってません。
 取り掛かったのは前日の夜。7ページできました。

 今日から合宿です。

 東京から帰ってきて「がんばって書くよ。」と言っていました。
 今日までに2、3行『がんばり』ました。
 でも、「金曜日にコピーしたいから締め切りは木曜日。」と言ったはずです。

 今はもう土曜の朝。合宿当日です。
 勿論出来上がってません。
 今11ページ目です。そして風呂に入ってます。のんびりと。
 締め切りの迫ってるものよりも書き込みを優先するのはなぜでしょう?
 締め切り通りにできないのは「お前が邪魔するせいだ。」とか、「気分を乗せてくれないからだ。」とか言います。
 私のせいですか?
 我々は何しに合宿に行けばいいんでしょう?
 台本についてのじっくりとした話し合いが出来るからと企画したものなのに。
 基本がなければ何を話すのか・・・。
 それとも私たちは大自然を満喫して肉練だけして帰ればいいんでしょうか?

 何度も言うようですが今日から合宿です。
 3回目の締め切りを過ぎてます。
 出かける日の朝に慌ててコピーしろと言うわけですね。
 しかも出来上がってない台本を。

 ネットに繋げないように細工しようかと思いましたよ、ホントに。
 レスに2時間掛けて、台本は休み休みゆっくり書いてやっと4ページ進んだだけ。
 早めに取り掛かればブチブチ言われずに済むのに自分からそうしてるんだからわざとなんでしょう、きっと。

 彼が仕事に出かけるまでに3時間を切りました。
 本当にどうなるんでしょう。

 今日は合宿当日です。

 また風呂で寝てるんでしょうか・・・?


 
 ……呪い文かこれは(-_-;)。
 しかし、日頃はあっぱっぱあで脳天気な文章しか書けぬくせに、これは客観的に見てもなかなかの名文である。いや、実際、舌を巻いたぞ。
 これだけの文章が書けるのに、どうして戯曲は書けないのだ。毎回毎回私にばかり書かせているが、自分で何とかしようとは思わんのか、と一人ごちるが、今はもう、そんなことを言っている余裕はない。
 「……書かんとマジで殺される」
 私の命は風前の灯である。まさに残り3時間、しげはもすぐ目を覚ます。
 果たして台本は間に合うのか、有久滅亡まであと3時間、あと3時間しかないのだ!(『ヤマト』だなあ、と思われますでしょうが、ミステリファンには『幻の女』なんですよ)

2001年10月11日(木) なぁじぃかは、知ぃらねぇどぉ♪/『ナジカ電撃作戦』第1話「華麗なるエージェントは 一輪の薔薇と共に」ほか
2000年10月11日(水) スパイと台湾論とこげぱんと/『こげぱん』(たかはしみき)ほか



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