無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年10月03日(木) 何が最悪?/アニメ『NARUTO ナルト』第1話/『愛人(あいするひと)』2巻(吉原由起)/『番外社員』(藤子不二雄A)

 一週間で仕事が一番忙しい日である。
 先週から毎週木曜日にやらなきゃならない仕事が一気に二つも増えたので、休憩時間がほぼなくなったのだ。
 ハッキリ言ってカラダが持たんのだが、そこはそれ、このトシになると仕事の手の抜き方も少しは覚えてくる(昔からだろう、という意見は却下)。
 丸一日仕事があると思うから草臥れるのだ。昼休みにともかく1時間でもいいから寝る。午前を一日、午後を一日、休みをはさんで日が変わったと考えれば仕事量は半分。気持ちの上ではとりあえずがんばれる。なぜか疲れは取れてないけど(^_^;)。


 マルキョウで買い物などして帰宅すると、ちょうど新番アニメ『NARUTO ナルト』に間に合う。
 第1話「参上!うずまきナルト」って、『ナルト』ってタイトル、ホントになルトから取ったのか(^o^)。
 実はマンガの方、今まで全く読んでない。別に嫌ってるわけじゃなくて、単に読み飛ばしてただけ。若いころほど全マンガ雑誌(と言っても月刊誌合わせたって10誌に満たなかったが)を丹念に読むエネルギー、なくなってるからなあ。
 だから、これが忍者マンガだってことも今日まで気がつかなかった。もちろん今っぽくアレンジされた忍者もので、時代も世界も別に日本に拘ってるわけじゃなさそうだ。けれど、それでも多少はリアルにしないと、わざわざ「忍者」と銘打つ意味がないのではないかと見ていて思うことしきり。やはりあれは、日本の風土と切り離しては考えられないので、『ザ・ニンジャ』にしちまっちゃあ、つまんないと思うんだが。
 キャラデザインにもそれほど魅力は感じないが、いかにもアニメ化を想定した絵柄だなあ、とは思う。まあ、これで若い人に受けてるんならそれはそれでいいのかな、と思うしかない。アニメ化のウワサが絶えなかったのもそのせいなんだろう。
 ちょっとおもしろかったのは「ハッ」とか「ソイヤッ」と掛け声のかかるBGM。普通のアニメにはしたくないっていう監督の気概は感じられる。何話か見てみて面白くなりそうだったら続けて見るかも。


 夜、こうたろう君から東京行きの確認の電話。
 「奥さん、(置いてきぼりで)怒ってないかい?」
 「怒ってるよ」
 「やっぱり」
 しげに関して言えば、もうこれはブチブチ文句を言われるのは覚悟の上である。ヤキモチ妬かないと夫との接点も作れない不器用な人間なんだからしゃあないわな。しげと付き合ってると自分が「海よりも広い心で許したるでー」(byおーさか)という気分にならないと、やってらんないのである。
 待ち合わせ場所、その他の確認は済んでたのだが、こうたろうくん、ほかにもまだいろいろと心配事があるらしい(^o^)。
 私はもう全然、心配なんかしてやしないのだが、O型のくせにどうして「何かあるんじゃないか」とか思っちゃうかな。
 「最悪の事態を想定しといた方がいいよ」とか言ってるけど、私ゃ最悪の事態なんて、「飛行機が落ちて死ぬ」くらいしか想定できんなあ。今回、日にちの指定はこうたろうくんの希望だから、これで私がマジで事故死でもした日には、彼は奥さんにすがりついて「お、おれが有久を殺しちゃったよう」とか言って泣きじゃくるに決まっているのだ。この善人め。
 あとはまたいつものごとくオタク話。もうすぐたっぷりできると言うのに電話代使って何やってんだか。15日放送予定の火サス版『鬼畜』について、まだ見てもいないのに、二人してコキおろす。
 「今度の『鬼畜』、ビートたけしだってな」
 「意外性がないんだよな、たけしじゃ」
 「相手も奥さんが黒木瞳で愛人が室井滋じゃあなあ。逆だろうにって」
 でもやっぱり見ちゃうんだろうなあ。何しろ『鬼畜』は松本清張作品の中でも、しげが一番好きな作品なのである。親が子を殺す話なのになあ(^_^;)。


 マンガ、吉原由起『愛人(あいするひと)』2巻(小学館/プチコミフラワーコミックス・410円)。
 また、しげが勝手にこんなのを買ってきやがって(^_^;)。もちろん言うまでもなく、この作品はしげの大好きな「スケベギャグ」であります。
 はい、主人公の大学生・咲子さんが、妻子のいる千冬先生の押しかけ愛人になったものの、お堅い先生はチュー以上のことはしてくれない。その間、なんと先生の弟の夏生くんと関係を持ってしまい、でも、そのテクニックに堪能して(するなよ)、「センセとHできるまで練習しましょ」と弟くんとの関係を続けることにした、というのが第1巻の内容でしたねー。
 で、今巻はというと、ついに咲子さんと夏生くんとの関係が千冬先生にバレました。怒った先生はいままで抱こうとしなかった咲子さんに無理やりナニをしようとします。「プライドを傷つけられたのが許せないだけでしょ!」と抵抗する咲子さん。そこで先生は告白します。「許せないさ! 私は君を愛しているのだからな!」
 ついにお互いの気持ちを確かめあった二人。これで二人もハッピーエンド(なんか勝手にやってなさい的な終わりだけど)か……と思いきや。
 「先生、ヘタだから、夏生くん、これからも練習台になってね」
 ……あ〜、のけぞっちゃいましたね。Hのことしか考えないキャラ描かせたら吉原さんが天下一品だということは、前作『ダーリンは生モノにつき』読んでてわかってたつもりだけど、ここまで男を翻弄するキャラを描かれるとは思ってもみなかったなあ。
 女が男に言ってはいけないセリフの第1番に挙げられるのが「ヘタクソ」であることは自明である(そうか?)。創作の中でそのセリフを吐く者は概して、男を弄ぶ悪女として描かれることが常であった。ところが吉原さんはその常識をいとも簡単に覆してしまったのだ。
 最愛の人と最高のHをするために、他の人と練習する(しかも相手はその人の弟)、こんなのが「かわいい女」として成立させられるなどとはねー、十年前だったら考えられなかったねー、これも時代かねー。
 いや、それが可能だったのは、ひとえにこのヒロインの咲子が「バカ」だったからだろう(^o^)。無自覚に二人の男を手玉に取るナチュラルさというか野性というか、もうこの話の根幹を流れている「思想」は、全くもって「バカには勝てない」なんである。ご大層なイデオロギーも、胸を打つ熱い涙も、未来に向けたメッセージもくそ食らえ、男と女はナニじゃあ! という身もフタもない真実を、山上たつひこかどおくまんが描くならばともかくも、繊細な少女マンガのタッチで、吉原さんが描いちゃうのである。この威力には勝てないよ(^_^;)。
 ホントの兄弟をホントの「兄弟」にしてしまう強引な展開が、まさしく吉原コメディの真骨頂なのだろう。
 ……でもまさか次の3巻じゃ、千冬先生の奥さんが出て来て四角関係になるとか、ありがちな展開になっちゃうんじゃないかと、それがちょっと心配。

 
 マンガ、藤子不二雄A『ブラックユーモア短編集 番外社員』(中央公論新社/コミック・スーリ・ChukoコミックLite・300円)。
 愛蔵版にはなぜか収録されなかった『番外社員』シリーズ。初出は1973年の『劇画ポスト』というから、もう三十年も前なのだけれど、Aさんも脂がノリにノリきっていたころの作品である。
 会社をユスってきたヤクザの応対をして麻雀勝負をするとか、結婚間近な社長の息子の愛人に、手を切らせる交渉とか、ライバル会社と、ある原材料を巡っての権利をゴルフ勝負でケリをつけるとか、要するに「表ではできない」ウラを専門に引きうけるのが主人公の仕事なのである。
 「黒イせえるすまん」こと喪黒福造もこの系列のキャラクターではあるけれども、セールスマンと言いつつも、どこかの組織に所属しているようにも見えず、ただひたすら不気味な喪黒に比べると、本編の主人公、番外大五郎は番外とは言えやはり組織に所属する人間なのである。任務に失敗すれば即お払い箱という厳しい立場にある以上、いくら彼が完全勝利をし続けていても、なにか手放しでは喜べない、今一つカタルシスを感じ切れない恨みがあるのだ。彼がもう少し自分を陰で使う専務に対して、その知力で反旗を翻すようなところを見せてくれていたら、藤子A版「蘇える金狼」みたいに面白くなったかもなあ、と思うのだが。

2001年10月03日(水) 新番2弾!/『X』第1話/『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』(乃南アサ)ほか
2000年10月03日(火) 博多はよか、よかァ/映画『博多ムービー ちんちろまい』ほか



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