無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年09月21日(土) 世界の王/『パラケルススの魔剣 アトランティスの遺産』(安田均・山本弘)/『パンゲアの娘 KUNIE』5巻(ゆうきまさみ)

 休日出勤。
 休みのつもりが、朝から叩き起こされて車を運転させられるしげもツライかもしれないが、夕べ映画に付き合わされてあまり寝てないこちらもツライことは同じである。若いんだし、昼間は寝てられるんだし、あまり文句言わないでほしいけど。「土曜日だけど仕事あるよ」って言ったらそれだけで怒ってたけど、夫の仕事に文句付ける妻くらい悪妻はないと誰かも言ってたぞ。実は私だ。
 今日は6時からオタクアミーゴスの準備会議があるので、仕事を定時に終えたら天神まですっ飛んでかなきゃならない。土曜日の夕方だし渋滞に巻き込まれる心配はさほどないとは思うが、間に合うかどうかはギリギリなところだ。
 しげ、私を車から降ろして、クドクド「定時になったらもう駐車場に来ときぃよ!」と念を押す。言われなくても分かってるってば。

 とかなんとか自分で言っときながら、しげの野郎、私が時間ピッタリに仕事を終えて駐車場に泡食って飛んでったってのに、まだ来てやがらねえんでやんの。(⌒ー⌒メ) ピクピク。こういう肝心なときに遅刻するか。
 怒ってしげの携帯に連絡を入れると「今、すぐ近く〜」と間延びした声。「ナニしてんだよ! 時間に遅れるなって言ってたのオマエだろ!?」
 「え〜? まだ5分あるよ?」
 「時間ちょうどだよ!!」
 後でわかったのだが、しげの車の中の時計、5分遅れていたのだ。しかも「アンタに頼まれたレジメをコピーしてたら遅れた」とか言い訳するし。オレのせいかよ。凸(`△´+)

 車の中で、明日見に行く予定の映画『仮面ライダー龍騎』について会話。
 しげもだいたいの設定は理解しているようなのだが、「面白そうなんだけど、役者が……」と一緒に見に行くことに二の足を踏んでいる。
 「行かないならオレ一人で行くけど?」と言うと、「やっぱり行く」と言う。こういう態度がコロコロ変わるところが始末に悪い。
 「スペシャル見て一応話はわかったんだから、完結編見ても、なんだか分らないってことはないでしょ」
 「わかんないよ、なんで戦ってるんだか」
 「『勝ち残ればなんでも望みがかなう』って言ってたじゃん」
 「そうだけどさあ」
 「『BLACK』みたいに、生き残った方が『世界の王』になるってんじゃないの?」
 「うーん」
 「でも野球選手になるわけじゃないぞ」
 しげ、一瞬、キョトンとした後、猛烈に爆笑。
 「ぎゃはははははははは!」
 「ど、どうした?」
 「だ、だって、ぐへへへへ、お、面白いこと、ひひひひひ、言うんだもの、ぐふっぐふっぐふっ」
 「……そんなに面白いか?」
 たいしたことないベタなギャグだと思うんだが、なんだかしげのツボにハマったらしい。
 「ひっひっひっ、だって、ら、ライダーが、勝った途端に、げへへへへ、や、野球の、ききききき、お、王になる姿を想像したら、ひゃっひゃっひゃっ」
 何を想像しようが勝手だが、その気色悪い笑いはやめてくれ。横にいてマジで怖い。

 赤煉瓦文化会館に、6時ピッタリに到着。
 もうみなさん来られてるかと思ったけれど、いらっしゃったのはいちろうさんだけだった。なんだ、焦ることなかったなあ。「博多時間は七度半」とはよく言ったものだね(^_^;)。
 地下からホワイトボードを借りてくる間に、他の方々も三々五々集合。
 いちろうさんも私も仕事帰りなのでネクタイなんか締めてたのだが、アンジェさんに「普段はそういう格好なんですね」と言われる。……そう言えばAIQのみなさんと会うときには、たいたいオタクな格好しかしてなかったものなあ。こないだの会合のときは、たしか東京で買った『青の6号』のTシャツ着てたし。赤煉瓦文化会館ってのは、明治期に建てられた建物をそのまま残してるんだけれど、その雰囲気にそぐわないこと甚だしいことである。
 前回、クーラーが壊れていて会議室の中は蒸し暑かったのだが、今日は順調に動いている。外見が古風だから中身も古風で冷房ナシじゃたまらないしな。しかし、実際、明治の建物の中で会議なんかやってると、「御前会議」でもしてる気分になる。
 会議の内容はあまり細かいことは書けないけれど、まあ、今後の日程の計画みたいなものである。順番で司会役を振られていたので、とりあえずレジメを作ってきたけれど、ぴんでんさんが表を作って下さっていたものの方がまとまっていて使い勝手がよかったので、そちらを利用させてもらって会議を進める。こういうちょっとしたところで私に実務能力がないことがバレてしまうんだよなあ。別に隠してるわけでもないが。
 いや、私も最初は表にまとめようかなあ、とか考えてたんだけどねー、実はパソコン上での罫線の引き方が分らなかったの(^_^;)。『電脳炎』の課長か、私は。仕事やプライベートでお忙しいらしいエロ代表は遅れて8時すぎに到着。もちろん。そのときまでに欠席裁判で「アレとコレとソレとナニの仕事は全部エロさんですね」と押しつけておく(^^)。「会議は欠席者が多いほどスムーズに動く」というのは万国共通のセオリーであるなあ。コレも私の言葉(^o^)。

 しおやさんは一足先にお帰りになって、残りのメンバーで前回と同じ天神横町の居酒屋で食事。
 いつもは遠慮してあまり自分で選んで注文はしないのだが、しげともども腹が減っていたので(忙しくて昼食ってないのである。しげはいつでも腹減りなので関係なし)、あれこれと頼む。
 ぶっかけ餃子、何をぶっかけてるのかよく分らないがまあ酢醤油の類であろう。大根卸しとネギをつけるところ、リンガーハットでもやってたが、ここ数年の流行りなのかなあ。ツクネを頼んだらハンバーグが来る。この店ではハンバーグのことをツクネと言うらしいが、卵の黄身をかけて食うツクネは滅法美味いので細かいところは気にしない。ほかに鯖の鉄引き、豚の角煮や牛筋など。一品料理がどれもなかなかいい味なのだが、鳥皮だけは揚げ過ぎて硬いばかりで、皮自体の味が飛んでいて、タレにつけてもあまり美味くないのであった。

 先日のQ‐CONでのお話など、獅子児さんやぴんでんさんから伺い、やっぱりちょっと行きたかったなあ、と羨ましく感じる。そのころ丁度休日出勤と重なってたので行こうったって行けなかったのだが。
 野田大元帥は糖尿が酷くて来られなかったそうだが、柴野拓美(小隅黎)さん、友成純一さん、武田信廣さん、野阿梓さんたちのエピソードを聞いていると実に楽しい。獅子児さんが朝早く目覚めてロビーに出たら、そこに武田さんがいて「こういう(小ぢんまりした)のもいいね」と仰ったというのはちょっといい話である。「竹内文書」の話も面白かったのだが、コレはちょっとヤバそうなので割愛(^o^)。お二人が主宰されていた「ピープロの部屋」も覗きたかったなあ。
 ぴんでんさんから『○○○ー○○○○』の○○話がどうして○○○○○○○○の訳を聞く。ネットでもウワサされてたが、要するに、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○だとか(←わかるか)。それってどっちもどっちって話だなあ、と思うが、全体、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○が悪いのである。
 「明日、『龍騎』を見に行くんですよ」、と話したら、ぴんでんさん、即座に「1800円無駄にしますよ」と断言。「私は井上敏樹マンセーをやめました、あれはやっぱりバカムスコです。『シャンゼリオン』と『ジェットマン』でファンになりましたが、『ハカイダー』でアレっ? と思って、今度の『ファイナル』と『スペシャル』で見切りました」。
 そんな風にとことん貶されるとかえって興味を惹かれてしまうなあ(^^)。ヒトコトで返事。
 「いえ、いいんですよ。私は加藤夏希を見に行くんですから」
 ……しまった、また家庭争議のタネを口に(^_^;)。
 
 ぴんでんさん、電車の時間があるということで、今日は早めに10時過ぎに散会。
 横町を出た途端、しげが「角煮美味かったね角煮美味かったね」とうるさい。どうせしげが言い出すだろうからと、機先を制する。
 「しげ、どこで食べたい?」(←某マンガのパロですが気にしないように)
 しげ、満面の笑み。こいつの胃袋は底無しである。
 「ブックセンターほんだ」に寄って本を物色、ロイヤルホストで定食。
 食事してる間、時々しげが顔を伏せて笑っているので、「だからいつまでも『世界の王』のことばかり考えてるんじゃないよ」と言ったら「なんでわかるん!?」とびっくりされる。わからいでか。

 
 安田均原案・山本弘著『ゴーストハンター パラケルススの魔剣 アトランティスの遺産』(角川スニーカー文庫・580円)。
 ゴーストハンターシリーズ全3巻、とりあえずの完結編。
 とりあえずと言うのは、ゲーム版のゴーストハンターシリーズがどうやら再開するようなので、おそらくは山本さんの手になる小説版の続きもそのうちお目見えするのではないかと予想されるからである。まあ、アポロンとアルテミスが本作で示されたような設定の存在だとすれば、もう一度捲土重来があって然るべきって気はするが、そんときゃ多分年端もいかない子供として登場することになるんだろうか。
 それはともかく、前作『ラプラスの魔』同様、ゲーム版に準拠していると思われるところは概してつまらなく、山本さんのオリジナルと思われるあたりは滅法面白い。超能力の説明なんかいかにももっともらしくって読んでて楽しい。
 思うんだが、RPGって基本的にアンチ・ドラマなんじゃないだろうか。たいてい主人公はチームを組まされるけど、実際、ドラマ展開を考えると「こんなやついらないよなあ」ってキャラもやたらと多いんである。本作で実は一番いらないのは主役の健一郎なのだが、こいつ省くと女性ファンが怒るんだろうなあ。
 つくづくゲームのドラマ化は難しい。


 マンガ、ゆうきまさみ『パンゲアの娘 KUNIE』5巻(完結/小学館/少年サンデーコミックス・410円)。
 地球から月が分離したって説には無理があるとさっき読んだ『パラケルスス』に書いてあったよ、ゆうきさん(^^)。なんかこの二人仲が悪いらしいですね。理由はよく知りませんが。
 量子論に基づく世界観(例の「シュレジンガーの猫」の話です)は、まだ世間にそれほど浸透してるわけじゃない。それだけ聞くとまず間違いなく「なにソレ?」って意味不明に受け取られる可能性が高いから、打ち切られることが決まった時点でその設定は捨てた方が利口だったと思うんだがなあ。「カラバオは、初代が発見したから存在する」って言われてもねえ。
 SFがやりたかった、ゆうきさんなりのロスト・ワールドをやりたかった、それはわかるけれど、マンガは何よりキャラだよってこと、小池一雄も言ってたぞ。クニエのキャラ自体、フラフラしてて今一つ魅力に欠けてたからねえ。

2001年09月21日(金) 子供のころは本屋さんになりたかったのさ/『多重人格探偵サイコ』7巻(大塚英志・田島昭宇)ほか
2000年09月21日(木) 笑顔とブレゼントとオタアミと



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