無責任賛歌
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2001年09月21日(金) |
子供のころは本屋さんになりたかったのさ/『多重人格探偵サイコ』7巻(大塚英志・田島昭宇)ほか |
天神ビブレ2の跡地に、大型書店、ジュンク堂が進出することになったとか。 四階分のフロア、150万冊を越える売り場面積は文句なしに福岡最大となる。 活字中毒、マンガ中毒であるこの身であれば、本屋の数が増えることは単純に嬉しい。客の食い合いで潰れる本屋も出るのではないかとの危惧もあるようだが、そんなことを言ってたら、東京神田の神保町はどうなるのだ(ジュンク堂は天神を福岡の神保町にしたいのだとか。だったら古本屋も建てろよ)。 要は、それぞれの本屋がいかに個性を打ち出すかという点にかかっているのである。実際、私もコミックスを探すときはまず、小さいけれども天神かキャナルの福家書店に行くし。演劇関係の本を探すなら、博多座の紀伊國屋だな、やっぱ。 でもこの二箇所だって、フロアの面積に対して、どんな本を置いて行くか、改善の余地はまだまだあると思う。 映画関係のコーナーはどこも似たり寄ったりで、ここでなら、という本屋がない。結局、何軒かをハシゴすることになる。 つまり「専門の」コーナーにどの程度の質と量を裂いているかがポイントになるわけ。どんなに大型店でも、「一通りはある」だけじゃアウトなんだよねえ。 実際、天神地区だけでも、三越の八重洲ブックセンター、福岡ビルの丸善、天神コアの紀伊國屋書店が凌ぎを削っているのである。そこへジュンク堂が殴りこんでくるわけだ。しかもDVDコーナーを作ったりしている紀伊國屋と違って、あくまで「本のみ」で勝負すると言う。それだけ勝算があるということなのだろうが、さて、ほかの本屋に更なる営業努力をする心積もりがあるかどうか。 以前はよく通っていたショッパーズプラザのリーブル天神、アニメイトが撤退して全く行かなくなったが、位置的に北に離れていることもあり、あそこはちょっと苦しいのではないか。近くの「まんだらけ」で見つからなかった古本をリーブルの新刊書でやむなく買って帰るってことはできるけれども。 売り上げベストテンを紹介する、ポイントカードを作る、特定の作家をフィーチャーする、サイン会等のイベントを行う程度のことはどこもやるだろう。でも、肝心の「本」はどうか。これは全ての本屋に言えることだが、新刊書はともかく、ちょっと古くなった本だと今はまず手に入らない。結局あちこちの「BOOK・OFF」を渡り歩かねばならないことになる。そこが狙い目なのではないか。 各出版社だって、夏になると「名作フェア」とか「なんとか文庫の名作100」とか称して、カビの生えたような旧作をカバーまでリニューアル、学生さんをだまくらかして売っているのだ。本屋だってそういうことをやって悪いってことはない。 天神の福家書店がマンガ『蟲師』を「立ち読みオーケー! 気に入ったらぜひ買ってください」と見本を置いてくれたりしてるのは嬉しいかぎりなのである。 東京の本屋にあって、福岡にないコーナーは、雑誌のバックナンバーばかりを集めたフロアだ。あれは面積を食うワリにそうそうハケるというわけでもないので、敬遠する本屋が多いのも解るが、それをいかに売るかが企業努力というものではないか。「ここでしか買えない」という信用を作ることの方が、長い目で見れば顧客を離さぬことにつながると思うのだが。 ……昔は本屋になりたかったから、こういうことまで色々考えちゃうのな。古本屋と貸し本屋と新刊書をいっぺんに売る本屋があればなあ、なんてことも考えてたんだが、ここに「貸し本」ってのが入ってくるあたり、世代がバレバレなのだな(^_^;)。
仕事を早目に切り上げて本屋回りをしたかったが、仕事が押して結局は定時に職場を出るのが限界。いや、ちゃんと仕事はしましょう。万国の労働者諸君(^.^;)。 帰宅が遅れそうなので、行きがけに「まるちゃん」でうどんを食う。 先日行った、具のトッピングができる店だ。掻揚げやイカゲソ天を乗せてもせいぜい5、600円というのは実に安い。ネギは乗せ放題だし。 ……で、つい食べすぎちゃうのな。最近、体重計に乗ってないけど大丈夫だろうか。
近所の本屋に寄ってみると、もう少年ジャンプが出ている。 ……あれ? 発売日が早まったのかな? 一時的なものか、それとも休日にじっくり読んでもらおうという措置のつもりか。 『ヒカルの碁』、中国での伊角編が続いていて、ヒカルたちの出番は全くなし。何だか佐為を復活させるための場つなぎじゃないかって心配ばかりが先に立って、マンガ自体に今一つ入り込めない。 アニメ化がどうのこうのより、佐為が安易に復活することだけは絶対止めてほしいと思っているので、伊角が復活しようがしまいがどうでもいい気になっているのである。 ……伊角ファンの人、多いだろうなあ。いや、そういう熱心な方々をべつにテキに回す気はないんだけど。
博多駅の紀伊國屋、メトロ書店を回って本をしこたま買いこむ。できるだけ文庫で本は買うようにしてるのだけれど、今月は買いたい本が単行本で目白押しなのである。ちょっとセーブしないと、またぞろ月末に苦しむことになるので、何冊かは購入を断念。 と言いつつ、『エボリューション』の前売券をチケットぴあで二人分買う。……まてぞろ初日に行くことになるんだろうなあ、ダン・エイクロイド、脇役だってえのに。
帰宅すると、しげが開口一番、「なんか食ってきたんやね」と恨みがましい目でこちらを見る。 「今日は買いものをするから遅くなるって言っといたやん」 それでもしげ、プイ、と横を向く。 一緒に出かけないか、と誘ったのに「めんどくさい」と言ってついて来なかったのはしげなのに、そうやって文句をつけるのだよなあ。 要するに前に断っておこうが、自分にとって気に入らないことをされたと思うと機嫌が悪くなるんだなあ。
予定では今晩9時15分から、山田風太郎の『警視庁草紙』が原作の金曜時代劇シリーズ、『からくり事件帖』が始まる予定だったのだが、例のテロ事件のせいで一週遅れている。 この金曜時代劇シリーズ、いつも渋好みの原作使ってるわりには演出がどこか中途半端でまあまあの佳作はできても異色作や傑作はできない。だから余り期待しちゃいないのだが、山田風太郎が毎週テレビで見られるってのはそうそうあるこっちゃない。全9回だそうだから、録画しそこなわないようにしたいんだが、『びいどろで候』も『十時半睡』も『新・半七』も『柳橋簿嬢』も全部途中で飽きちゃったし、どうなることやら。
マンガ、大塚英志原作・田島昭宇作画『多重人格探偵サイコ』7巻(角川書店・610円)。 うわあ、今はマジでやばいぞ、このマンガ。 連載続けられるかなあ。来週あたりから中断されちゃいかねないぞ。 今までだって残酷描写が多くて物議は醸していたのだけれども、今回特にヤバイのは、ジャンボジェット乗っ取って豪華客船にぶち当てるって話がメインになってること(^_^;)。さすがにちょっとタイムリー過ぎるね。 ……あれ、ホントに、誰でも思いつく作戦なんだよねえ。だから前代未聞なんて言うなよって。 角川は「自粛」なんてコトバとは比較的縁がない出版社ではあるけれども、それでも微妙な修正を要求して作家との間にトラブルを起こすこともないわけではない。 7巻はギリギリ事件直前に発売されたから助かった感じだけれども、 謎が少しずつ解けていく感じだけれど、同時にどこか迷走しつつあるようにも見える。 「人格転移」って設定、あまりリアルに説明する気はないのだろうけれど、少なくとも「なぜそんな実験をガクソが行っているのか」ってことについては、あまり「ただ知的好奇心のおもむくままに行動してきた」って説明だけでシメにしちゃうのは、安易だと言われかねない。人間の文化が目的のための目的、手段のための手段だけで発展してきたことへの揶揄なんだろうけれど、そんなの「誰にでもわかっていること」なんだって、大塚さん気がついてるのかなあ? そんな「説明」をまんま提示したって、「ドラマ」にゃならんよ。あまり自分の「思想」で物語を作ったりするもんじゃない。 おかげでルーシー・モノストーンの登場もそれが事実であれ嘘であれ、あまり気にならないのである。
マンガ、安永航一郎『火星人刑事(デカ)』5巻(集英社・530円)。 ウルトラジャンプもよくカゲキな安永さんのマンガを載っけれるものだと、いつも感心しているが、ちょっと今巻はおとなしめ。 まあ、せいぜい「スペイン無敵歓待」のギャグがちょっとオコサマにはキツイくらいか。……読んでない人には何のことか解りませんね、スミマセン。 でも『アナルマン』ほどじゃないしなあ……って、アレはカゲキ過ぎて未だに2巻が出ないけどね。 安永さんの未収録短編だけ集めて、単行本出す出版社どこかにないかねえ。
CSキッズステーション、『こみっくパーティー』8話「渚にて」。 先週録画し損ねて見ていなかったので、総集編で見返す。ちょっと主人公の落ちこみ編が長すぎる感じだなあ。せっかくの水着編なのだから、もう少し明るい話をもって来ればよかったのに。 私自身はこれの原作になったゲームをよく知らないのだが、しげによればやっぱりエロゲーだそうな(^_^;)。 じゃあ、同人誌作りながら関わった女の子とどんどんエッチができるって話かい。 ……そんな幸せなオタクがおってたまるか。 でもちょっとやってみたくなったな、そのエロゲー。誰か、やったことあるZてオタクの方、いらっしゃいます? イタすぎてやれないかもしれないけれど。
同じくキッズステーションで『鉄人28号』24話。 こんなんまで放送してるんだものなあ。キッズステーション、スゴ過ぎ。単にDVDが出たやつ片っ端から放映してるだけかもしれんが。 もちろん、モノクロ版の方ね、『太陽の戦士』でも『FX』でもなく。リメイクのカラー版より、モノクロ版のほうが、アニメ技術はともかく、ストーリー的にはずっと面白いぞ。 いやあ、本気で好きだったっスよ、鉄人。もう30年、見てないのに、未だにニコポンスキーとかスリル・サスペンスとか、シャネル・ファイブとか、悪役キャラの名前を覚えてるし。というかそのころから主役より悪役の方が好きだったんだなあ。 よく同時期に放映してた『鉄腕アトム」と比較されるけれど、コアな人気は『鉄人』の方が高かったように思う。実際、子供のころ、落書きと言えばアトムより鉄人の方を圧倒的に多く書いていたんだよね、私も。 それにしても、永遠の少年、ショタコンの元祖、金田正太郎君の高橋和枝さんも亡くなっちゃった。 光陰矢のごとし。 大塚署長役の富田耕生さんが未だにがんばっておられるのは、考えてみたらスゴイよなあ。 ちょうど今日見た回が、宿敵ロボット、ブラックオックスが味方になる話&知性を持ったロボット・ロビーの反乱の発端。 そうだった、そうだった。『鉄人28号』って、1話完結じゃない連続モノで、しかも前の話のエピローグが次の話のプロローグにもなるという斬新な構成(っつーか、昔の紙芝居はこんな感じのものが多かった)だったんだよねえ。 こういう流れるような連続ものの形式がどうしてなくなっちゃったかというと、これも『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』の虫プロが、海外に作品を売るために、1話完結の差し替え自由な形にしちゃったのが伝統になってるのだ。 考えてみれば、そう都合よく事件が順番に起こってくれるわきゃないので、『鉄人』のほうがずっとリアルなのである。『鉄人』の場合、二つの事件が同時に起こることも結構あって、その二つの事件が絡み合うなんて、森村誠一みたいなミステリーものもあった。 あ、これ意外と気がつかれにくいことだけど、『鉄人』ってSFのジャンルに入れられることが多いけど、内容的にはミステリーにより近いのね、実は初期の『アトム』もそうだったんで、当時の惹句に「科学探偵漫画」と書かれてあるのは嘘ではないのだ。 ああ、第一話からしっかり見返しとけばよかったよ。
2000年09月21日(木) 笑顔とブレゼントとオタアミと
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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