無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年07月09日(火) 何がこの悪いガイで上がっていますか/『たま先生に訊け!』(倉田真由美)/『ワンピース』24巻(尾田栄一郎)ほか

 山本弘さんのHP『SF秘密基地』の掲示板で、海外のウルトラマンのサイトが紹介されているので覗いてみる。
 特に、ウルトラソングを英訳してあるのが面白い、というので見てみたが、なるほどなるほど、こりゃなかなか侮れないオタクだ。『怪獣音頭』は“Monster Ondo”。「音頭」だけ日本語のままってのがいいやね。
 試しに、この英訳文をニフティの翻訳サービスに掛けて再日本語化させてみたが、これがもう、あほとゆーかしょーもないとゆーか。
 全部はとても紹介しきれないけれど、まあ、ちょっと、いくつかその比較を見てみてちょ。

<原詞>怪獣音頭
<英訳>Monster Ondo
<再訳>怪物Ondo

1.

ガバッとでてきた怪獣は
The monster who came out like "gabbah"
「gabbah」のように現われた怪物

手にも負えない暴れもの
An uncontrollably rowdy one,
抑制できずに乱暴なもの、

アーストロンでございます
It's Arstron.
それはArstronです。

それでどうした暴れもの
So what's up with this rowdy one?
そうすると、何がこの乱暴なもので上がっていますか。

コブラのように恐ろしい
As dreadful as a cobra,
コブラと同じくらい恐ろしい、

何でも引き裂くバカぢから
A brute strength that rips apart anything.
何でも別々に裂く獣的な強さ。

2.

ズルッとでてきた怪獣は
The monster who came out like "zuru"
「zuru」のように現われた怪物

知恵の優れた悪いやつ
A bad guy who excels at intelligence,
知能において優れている悪い奴、

キングザウルス三世だ
It's King Sasurus III.
それはキングSasurus IIIです。

それでどうした悪いやつ
So what's up with this bad guy?
そうすると、何がこの悪いガイで上がっていますか。

ウランを食べて大暴れ
Eating uranium and going on a big rampage,
食べるウラニウムおよび大きな暴れ回りの上で行くこと、

ついでにバリアで身を守る
In addition, he protects himself with a barrier.
さらに、彼は障壁で彼自身を保護します。

 三番以降は省略。英訳でも「ガバッ」や「ズルッ」は訳せんのか、ってところも面白いが、情けないの翻訳ツールね。悪いガイってなんなんだよ(^_^;)。中学生レベルの連語もわかんないし分詞構文も全然ダメって、それってそもそも翻訳ツールとしてまるで役に立ってないってことじゃないの?
 面白いからもう一曲(^o^)。

ウルトラマンレオ
Ultraman Leo
Ultramanレオ

1.

宇宙にきらめくエメラルド [エメラルド]
Twinkling in space, the emerald, [emerald]
スペース、エメラルド、[エメラルド]で光ること

地球の最後が来るという [来るという]
Earth's end is coming, it is said. [coming, it is said]
地球の終了は来ます。それが言われています。来て、[それは言われている]

誰かが立たねばならぬとき
When someone must taketh a stand,
誰かがしなければならない場合、takethする、1つの、立っている、

誰かが行かねばならぬとき
When goeth someone must.
いつ、goeth、誰かがしなければなりません。

今この平和を壊しちゃいけない
Now, this peace must not be broken.
さて、この平和は壊されてはなりません。

みんなの未来を壊しちゃいけない
Everyone's future must not be broken.
皆の将来は壊されてはなりません。

獅子の瞳が輝いて ウルトラマンレオ [レオ]
The eye of the lion shines, Ultraman Leo [Leo]
ライオン光、Ultramanレオ[レオ]の目

レオ レオ レオ レオ レオ
Leo, Leo, Leo, Leo, Leo
レオ、レオ、レオ、レオ、レオ

燃えろレオ 燃えろよ
Burn on, Leo, oh burn.
燃え続ける、レオ、おお、燃えます。

 ウルトラマンが訳せないというのは不可解だけれど、これは“ultra”が接頭語で単独では訳せないかららしい。間にハイフンをつけて“ultra-man”にして翻訳させると「超人」になることも判明……ってヒマだよな、私も。
 しかし、再訳してみると妙に丁寧で落ち着き払った言葉遣いになっちゃって、なんだかゾロアスター教の主題歌(^o^)。“Now”は「さて」かい。そうですね、皆の将来は壊されてはなりませぬぞ。これだと大奥か。
 でもtakethとかgoethが訳せないのは俗語だから?
 覗いてみたい方はこちらをどうぞ。

 http://www.waynebrain.com/ultra/index.html


 外は小雨。
 しげが「喉が乾いた」と言うので、今日の晩飯はドリンクバーのあるガスト。
 何か月か前から、ガストにはディスプレイが置いてあって、ネット配信でいろんな情報を提供してくれてるのだが、いちいち50円から100円が掛かるのがなんとなくもったいない。いや、金を全く払わんでいいとまでは言わないが、100円は高いよ。いい加減、見古した『トムとジェリー』の短編アニメ一本見るのに100円か?10円でいいじゃん、これくらいなら。
 「唐沢俊一の一行知識」ってのも50円で配信だけれど、コンテンツ一つ一つが別料金ってのがやっぱりボッてるよ。全部見てたら何百円もかかるじゃないか。それなら文庫本一冊買った方が安上がりじゃないか。
 それでも好奇心に惹かれて、一応覗いてみたけれど、まあ、ソルボンヌK子さんのツッコミが加わってる分だけがおトクな感じかな。
 前回も食べて気に入ってた激辛ダッカルビを注文。私の食べるものは全てピンハネするしげが、さすがにこればかりはツマミ食いしてこない。いや、別にしげに分けたくなくてこれを頼んだわけじゃないけどね。 


 アニメ『最終兵器彼女』2話「私、成長してる……」。
 第1話はいきなリ本編から始まってタイトルがラストに出るという斬新な構成(って原作もそうだったんだか)だったけれど、今回からはオープニングつき。
 うーん、凝ってることは凝ってるけれど、イメージ映像に走りすぎちゃうかな。
 これじゃまるでトレンディドラマ。……って、SF性がなけりゃ高橋しんのマンガは簡単にトレンディドラマに置き帰られちゃうけどね。でももう少しキャラクターを見せてくれる構成にしてくれてた方が、初めて見る人も入りやすいと思うんだけどなあ。
 うーん、演出ががんばってるのはわかるけれど、第1話より「ふつー」になっちゃったね。シュウジがちせを押し倒すラストシーン、原作はその瞬間、画面がふわ〜っと広がる印象があって、シュウジとちせのそれそれの悲しみが伝わって来るように感じたものだったけど、アニメは意外とあっさり流されちゃったって感じ。原作を大事にする気持ちはわかるけれど、マンガのコマ割りとアニメは流れが違うんだから、アングルやカメラ位置を変えたり、工夫する必要はあったんじゃないか。パンするだけじゃありきたりで、まだまだちせの押しつぶされそうな孤独感ってものが伝わってこない。13話しかやらないんだったら、2話でもう息切れしてるんじゃないぞ。


 マンガ、田巻久雄『獣世紀ギルステイン』3巻(小学館/サンデーGXコミックス・560円)。
 ……あー、劇場アニメのほうはやっぱり2週間で打ちきりでしたね。
 『デビルマン』プラス『エヴァンゲリオン』で行こうってのがバレバレだしねー、ウリが韮沢靖のクリーチャーデザインのみってのも弱過ぎるしねー。しかもそのデザインがイケてないし。韮沢ファンの鴉丸嬢ですら「ちん○頭」と言ってたし(言いえて妙だが、言葉遣いには気をつけよう、鴉丸さん)。
 マンガの方はそれなりに面白かったんだけれど、メディアミックスの不協和音に田巻さん、やる気なくしちゃったんじゃないか。やっちゃいけないことをやっちゃいましたねー。
 ギルステイン四人衆を出したとこまではいいですよ。でも、そいつらの作戦ってのが、自分たち人間の中にギルステインが紛れこんでるんじゃないかと疑心暗鬼にさせてだよ、踊らされた人間たちに「ギルステイン狩り」を始めさせて、ヒロインの久美がその「狩り」にあって死んでさ、その怒りで暴走した主人公の伊織が人類を破滅に追い込もうとするって……。
 まんま『デビルマン』じゃん。ここまで似てると「模倣」とか「オマージュ」なんて便利な言葉じゃ誤魔化せないね。盗作だろ? これ。
 マジで永井豪がこれ読んだら訴えるんじゃないか。いや、読んでる可能性はあるよな。韮沢さん、「デビルマン」をフィギュア化してるし。それとも永井さん公認のマンガなのか? だとしたら「これは『デビルマン』の現代的リメイクです」って、明言しとかないと、在らぬ疑いかけられるぞ。


 マンガ、倉田真由美『たま先生に訊け!』(双葉社・900円)。
 読みました。
 ……いや、それ以外に感想のしようがないんだよ、これ。だって読者が倉田真由美に人生相談するってだけのマンガだし。だめんずうぉ〜か〜のくらたまさんに相談する時点で読者が何も考えてない(かくらたまさんをからかってる)ってことがわかるしね。
 「巨乳の女に飽きたけど」なんて相談、本気のはずがないし、ネタとしてもつまらない。そんな芸にもなってないくだらん質問、無視すりゃいいのに、くらたまさんは何をマジメに相手してマンガ化までしてやるのか(そんなバカ質問しか来ないんだろうけど)。……そうなんだよ、このマンガが「イタイ」のは、くらたまさんがこれをギャグとしてではなく、半ば本気で書いてるらしいところなんだよ。
 相談者と被相談者との間で、暗黙のうちに「これはギャグだ」という協定を結んで芸にしたものと言えば真っ先に『中島らもの明るい人生相談』が思い浮かぶが、くらたまさん、最初はこのセンを狙ったんじゃないか。でもね、これって回答者がよっぽど冷静でないと、相談者の手にかかって踊らされ振り回されることになっちゃうんだよ。いかんせん、くらたまさん、とても冷静になれるタイプじゃないからねえ、完全に踊らされてるんだよねえ。……つまり、相談しているように見えて、しっかりくらたまさんの自己告白マンガになってる。でもって、未だに「だめんずうぉ〜か〜」であることを露呈させられちゃってるのである。
 「だめんずうぉ〜か〜」ってね、わかりやすく言うと、だめんずから見て、「弄んだ末に捨てても全然痛痒を感じない女」なのよ。ああ、くらたまさん、こんな連載続けてたら、まただめんずに引っかかったりしないか……って、心配したってどーなるものでもないが。

 そう言えば、私も、人から「恋愛相談」を受けることがたまにあるが、私の悪いクセで、相手が望むような答え方をしない。というのも、「本気で」相談を受けてしまうので、たいていは嫌われてしまうのだ。
 「あの、彼が余り乱暴をふるうんで別れようかと思ってるんですけど」
 「でもこうやって相談して来るってことはホントは別れたくないんだよ。どんなに乱暴されても彼がいいんだよ。ホントは心のどこかに苛められて嬉しい気持ちもあるんだよ。マゾなんだよキミ。男もそれが判ってるから苛めるんだよ。君もホンネじゃ楽しんでるんだから、そのまま殴られてなさい」
 ……くらたまさんなら「さっさと別れろ」と言うところだろうな。だから私に人生相談なんて持ちかけるんじゃありませんよ。
 

 マンガ、尾田栄一郎『ONE PIECE ワンピース』24巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。
 オビに「日本出版史上最高・初版252万部達成!!」の文字が燦然と。一時期のジャンプ黄金時代を彷彿とさせるねえ。毎年のように、○○○部達成って本誌の表紙に踊ってたけど、確か600万部越したあたりで頭打ちになったんだったかな。『マガジン』に抜かれたことが結構大きなニュースになってたものな。
 けれど単行本でこれだけの部数が出せるってことは、往時の記録ほどではないにしても、ジャンプの第2期黄金時代は始まってると見ていいのかも。

 本編のほうは新章突入で、またまた連載が長引きそうな気配。
 なんか巨神兵みたいなのも出て来てるし、「どこかで見たような」イメージは未だに続いているものの、今巻はここしばらくの予定調和的な展開の中ではワリに面白かった。これはひとえにミス・オールサンデー(ニコ・ロビン)の参入によるところが大きいだろう。いやはや、さすがにこの展開は予想してなかったな。まあ、仲間がクラリスから峰不二子に代わったって印象ではあるけれど、ビビとナミのキャラが部分的にかぶってたことを考えれば、この対照的なヒロイン配置のほうがずっと自然でいい。サンジのやつ、いきなりロビンにコナかけてもう二股かけてるけど、こいつ、ナミさん一筋のヤツじゃなかったのか(^_^;)。これでナミがロビンに嫉妬しないってことは、ハナからサンジの性格見ぬいてたんだなナミ。ううむ、侮れないやつ(・・;)。
 これはもう、ロビンをこのままホントにレギュラーにしちゃわなきゃウソだぞ。これでまたビビみたいに最後はそれぞれの道を歩くとか、安易に死なせたりしたら、それこそ二番煎じ、三番煎じの謗りを受けても仕方がない。
 何号か前の『ダ・ヴィンチ』では「感動できるか否か」で意見が両極端に分かれていたけれど、ワンシーンワンシーンごとの演出自体は確かに上手いからそこで感動しちゃうのもわかるんだよね。大ゴマとか見開きの使い方とか、まるでみなもと太郎だし。けれど、通しのドラマで見ていくと、前後の脈絡が繋がらなかったり設定に矛盾があったりで、相当破綻しているから、白ける人はそこで白けるんだろう。
 今巻のミソは「人の夢は終わらねえ」ってとこだろうけれど、確かにここだけ見ると感動的なんだけれど、実は「出す拳の見つからねぇケンカもあるもんだ」ってセリフに説得力がないんだよね。ルフィの今までの性格からすれば、「夢」をバカにする相手とは真っ先にケンカして来たんじゃないのかね。
 もちろん「負けるが勝ち」ってことをルフィが学んだってことなら納得できなくもないけど、既に「成長しない」キャラとして固まっちゃってたから、「何を今更気取ってやがる」って印象の方が強い。
 長期連載の中で、作者のほうは成長したんだろうけれど、かつての設定が足を引っ張ってるんだよなあ。ドラマがこれだけ複雑化してるのにキャラがいつまでも単純なままだといろいろと不自然なところが出てくる。こうなったらルフィも「悩める」キャラにしないと収まりがつかなくなるんじゃないか。第1話以上の「涙」を流させないと、次へ進めなくなるのではないか。
 ……だからって、絶対キャラ殺すなよ。それやったら、『ドラゴンボール』の二の舞だぞ(ラスト近くはいい加減でホントに死ねよ悟空と本気で思ってたもんな)。

2001年07月09日(月) アンケート募集/『押井守 in ポーランド』ほか



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