無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年06月09日(日) チキュウは狂気で回ってる。/『全日本妹選手権!!』1・2巻(堂高しげる)/『おごってジャンケン隊』5巻(完結/現代洋子)ほか

 昼過ぎまでみんな爆睡。
 よしひと嬢も昨夜「ワールドカップまでに帰れたらいいですから」ということなのでゆっくり寝てもらう。風呂には入れてあげられなかったけれども(^_^;)。
 天神を回りたいと言うので、1時にまだ寝ていたしげを叩き起こして車で送らせる。しげは近くの駅まで送って帰ってくるがそのまままた寝る。ホントによく寝てられるもんだ。

 ネットサーフィンしている最中に、突然、よしひと嬢から電話。
 「あれ? どうしたの?」
 「あの、道に迷って……」
 やっぱりかあ! いや、帰りまでは油断してたな、こちらも。
 「今どこにいるの?」
 「ショッパーズプラザです」
 「行きたいのは?」
 「ジュンク堂」
 これもちょっと裏道に入るだけで、ほとんど一本道じゃん(-_-;)。
 初めての道じゃないはずなのに、この子はなんというかもう。
 なんとか道を教えたけれど、さて、ちゃんとたどりつけたかどうか。


 アニメ、『サイボーグ009』第33話「結晶時間」。
 原作短編の中でも人気の高い一作を内容を膨らませて初の映像化。
 ある日、ギルモア博士に身体のメンテナンスを受けた009、目覚めた彼は、まるで時が凍りついたかのように静止しているギルモア博士や003の姿に気付く。加速装置の故障!? 一人取り残され、絶叫する009。
 そんな中、彼は街中で今まさに大爆発が起ころうとしている事故を目撃して……。
 爆発事故を阻止するエピソードはやや余計な印象も受けるが、止まっている人々を動かそうとすれば空気の摩擦で燃えてしまう、というのはシバリとしてはなかなか面白い。摩擦熱はスピードだけの問題じゃなくて移動の距離にもよるからそんなに簡単に発火しないんじゃないかとは思うけれど、要はいかに犠牲者を出さないかってことが眼目なんだから、アイデアとしては悪くない。
 作画もよく動いてるし、ここしばらくのエピソードの中でも、佳作の部類に入るだろう。このレベルを落とさずにいてくれたら嬉しいんだけどもなあ。
 

 サッカーワールドカップ、で日本がロシアに1‐0で勝利。
 案の定、川に飛びこむバカや打ちこわしするバカや交通違反しまくるバカが全国で続出、もう日本中が狂い始めた。
 あちこちの日記見てると、この状況に熱狂してる人、嫌悪してる人、いろいろだけれど、所詮は個人的な感想のレベルに留まっている。
 本来は、数あるスポーツの中での一つに過ぎないサッカー、たいした規模のイベントになるはずもないものが、なぜか大々的に、それこそ歴史的イベントででもあるかのようにイメージ戦略が繰り広げられている異常さ、危険さについて指摘する人がもうちょっといてもいいんじゃないのか。
 この狂気はいったい誰が何のために仕組んでいることなのだ。

 ロシアでは負けた途端、暴動が起こったとか。ニュースでは「日本人はおとなしい方ですね」とか言ってるけど、負けてりゃ日本にもそんな奴が出るって。どうせそんな闇の部分は報道しないだろうが。
 ロシアでは極右翼として知られるジリノフスキーというおっさん、日頃から「日本に北方領土は渡さん!」とか絶叫してたんだけど、「最も危険なサポーター」として来日、「日本が勝ったら北方領土返してやるよ」と豪語。こういうおっさんが堂々と政治家やれてるってことは、それだけロシアの反日感情も強いってことなんだろう。日本の政治家の失言だけが問題なわけじゃないね。
 試合の前は「ロシアが負ける可能性? 有り得んね」とかハナで嗤ってたのが、ロシアが負けた途端、アタマ抱えて「オーノー!」とか(いや、ロシア人だからそうは言わないが)叫ぶパフォーマンスぶり。
 で、政治家として公約は守ると言わんばかりに「一点負けたから島一つ返してやるよ」と約束。おう、今、ジリさんに政権取らせてあげたら北方領土帰ってくるぜ。誰かロシアに行って運動しないか(^o^)。


 マンガ、堂高しげる『全日本妹選手権!!』1・2巻(講談社/アッパーズKC・各530円)。
 岡田斗司夫さんがハマってたり、「ちゆ12歳」なんかで誉められてたので、つい買う。
 おう、なかなかのアタリ(^^)。
 オタクマンガとしては『濃爆おたく先生』をライトサイドとすれば、本作は全く逆のダークサイドへのベクトルを持っている。
 第1巻の最初のマンガこそ、「理想の妹は?!」ってのをエロギャグ交えながら描いてたんだけど、ヒロインたちが漫研に所属してから、俄然「同人オタク女の生活と意見」って感じになってしまった。いや、この「意見」ってヤツがね……ムネにね……グサッと来るのよ(-_-;)。
 現実でも、同人女のオタク男に対する嫌いっぷりは、同じオタクだと言うのに(だからか?)度を越してる場合が多い。けれど、そのホンネを聞く機会はなかなかなかろう。それを描いてくれてるのよ、このマンガは。……いや、だからって嬉しいわけではないが。
 さて、この日記の数少ない読者(男性)のみなさん、多分全員がオタクであると思われるが(^^)、次のようなことを好きな彼女から言われたとしたら、果たして全く傷つかずに耐えることができるだろうか?

 ドイツからの交換留学生マリー(名前からすると女っぽいが男。しかもバリバリの超オタク)が漫研の女の子たちに詰めよって、「な……なぜオタクはそれほどまでに忌み嫌われてるんです?」。

 「外見から中身まで、すべてが女に嫌われる要素のみで成り立ってるからに決まってるじゃない」
 「まず第一に臭い!」
 「身なりに気を遣わなすぎよね、ツメも真っ黒いし」
 「2つ目にウザい!」
 「理屈っぽいヤツが多いのよね、てゆーかほとんど」
 「3つ! 女の好みがウルサイ!!」
 「自分のことタナに上げて清純そーで童顔な娘にしか興味ないでしょ」
 「その4! 人の顔は覚えんクセして声優の声は一発で聞き分ける!!」
 「まあある種の特殊技能と言えなくもないけど」
 「その5! アニキャラと声優を完全にダブらせてる!!」
 「だから声優とヤルのを究極の夢にしている奴がやたらと多いって話よ」
 「その6! 寝室には美少女キャラのカバーの等身大抱き枕!!」
 「しかも汗やヨダレのほかいろんな液体で汚れてるからカビ臭いらしい」
 「その7! そのカバーを何枚も持っている!!」
 「自分の服より多いって話だわ」
 「その8! 会話のふしぶしにアニメのセリフを入れたがる!」
 「特に富野言葉は多いよね。『ボウヤだからさ』とか『認めたくないものだな』とかね」
 「その9! 夏休みじゅう美少女ゲームやってただけでひと夏の経験をした気になってる!!」
 「そんなインドアな夏の思い出があるかってのよ」
 「その10! 現実と虚構の区別が極めてあいまいである!!」
 「コナ○に電話して『し○りちゃんに会わせて』とかマジで言うからね……」
 「その11! 自分の作ったキャラの設定や世界観を他人に聞かせたがる!!」
 「自己満足の世界観を聞かされ続けるのってホント地獄よね」
 「その12! 他人の価値観は認めない!!」
 「自分の気に入らない作品を支持する人がいると親のカタキのように攻撃するわ」
 「その13! 外ではおとなしいが実の親にはウルサイ!!」
 「内ベンケーというやつネ」
 「その14! 非常に自虐的である!!」
 「開きなおっちゃって他人の迷惑かえりみないのよねっ」
 「その15! アニメキャラでしかオナニーできない!!」
 「……っていつまで続けんの、コレ?」

 さあ、君はいったいいくつ当てはまっているかな? ちなみに私は四つだ!
 意外と少ないみたいだが若いころはもっと多かったぞ! 全然威張れることじゃないけど!
 散々男がバカにされてる感じだけど、これ、ちょっと設定変えれば、全部女側にも当てはまることじゃないのか。『サイボーグ009』に入れこんでた高校生のころのくらた○こと倉○真○美なんか、モロ全部クリアしちゃうんじゃないかね。男にいろいろ注文つけたりしてるからかえって軽く見られてだめんずに引っかかったりするのだよ。
 モテる女がいい女とは限らない。
 本人は「私ってそんなにステキ?」とか思ってて悦に入ってるけど、男から見たら「すぐヤラせてくれそうな女」「いくら虐待しても罪悪感感じずにすむ女」って思われてるんだよ、実際はよ!
 そのクセ、ヒトのこと汚いものでも見るような目で見下しやがってよう!
 女のほうがよっぽど自分のこと棚にあげてるぞ!
 女なんて女なんて女なんてなあああああ!
 ……って何かツライことがあったのか、私。
 ……うん……。[壁]TT)

 ……ヤオイ同人誌作ってるお嬢さまがた、2巻は特に必読ですぞ。


 マンガ、現代洋子『領収書不可の自腹お食事コミック おごってジャンケン隊』5巻(完結/小学館/スピリッツコミックススペシャル・780円)。
 現代さん、やっと産休空けしたかと思ったらまた産休で結局連載終了。最後まで似顔絵下手なままだったなあ(どのキャラクターも表情のつけ方が全部同じなんだよね)。
 全部で6ページのうち、前フリとかジャンケンの部分で数ページ使ってるから、純粋なインタビューの部分が正味2、3ページ程度しかない。1巻のころからそのあたりが不満だったけど、結局最後までページは増えないまま。おもしろくなりそうなのにいつも何かが物足りないまま連載終了って印象だったね。
 でもこれは現代さん一人の責任じゃないような。増ページ一つさせられなかった編集の八巻さんの実力不足ってことになりはしないか。
 ゲストの一人一人にはとても触れてられないが、映画『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督とヒロインの平山綾の話は面白かった。綾ちゃんは宇宙人を見た経験もサムライの幽霊を見た経験もあるそうである。イロもの系はともかく、アイドルでこういうトンデモ系のカミングアウトする子っていい味出してるよなあ。ヨコオさんやツチヤさんと話が合うんじゃないか(^^)。
 『仮面ライダーアギト』三人組や『忍風戦隊ハリケンジャー』などオタク度も高く、篠山紀信をデジキシンとして呼ぶなど(しかも七万近くおごらせてやがるし)、なかなか面白い企画もあったのにこれで終わりってのはやっぱり惜しいなあ。まだまだいろんなゲストに会ってほしかったのに。
 最後のゲストはちばてつや(&古谷三敏&高井研一郎)。
 ……ちばさん、もうエッセイやイラスト、お偉いさんの仕事なんかでマンガ描いてないんだなあ。これもたった6ページしかないのが残念。『蛍三七子』のエピソード、もっと聞きたかったのに。
 ……で、結局収支計算では儲かったの? 損したの?


 昨日の疲れがまだ残ってて午後にはぐったりと寝る。風呂に入ってないせいもあるかな(^o^)。 

2001年06月09日(土) イカレポンチ天国/映画『大菩薩峠 第一部』(1957東映)ほか



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