無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年06月08日(土) いろいろあって書ききれねー/『あずまんが大王』4巻(完結/あずまきよひこ)/映画『少林サッカー』

 ホントは休日なんだけれども、珍しく出勤。
 午前中ちゃちゃっと働いて、午後から職場の前でしげと待ち合わせ。
 今日はよしひと嬢も一緒に、キャナルシティで『少林サッカー』を見る予定なのである。
 丁度、よしひと嬢が仕事の関係で北九州から福岡まで出て来ているので、映画に、更には公演の打ち上げまでやっちゃおうというハードスケジュールを組んでいるのだ。
 繊細で病弱な私のカラダが持つのかどうか心配だが、風邪だのなんだのでしばらくクサクサすることが多かったので、私も今日はいっちょ、ぶわあーっと行こうか、って気になっている。
 もっとも今日は、昨夜も仕事であまり寝ていないしげのカラダの方が心配だ。今のところ本人は「ちょっと眠いけど映画見てる間は眠らないよ」と一応は平気そうなことを言う。
 夫婦揃って今日は耐久レースになるかも。


 よしひと嬢の仕事が終わるのも午後。
 12時半ごろ、車の中からよしひと嬢の携帯に連絡を入れる。
 まだ仕事が終っていなかったので、待ち合わせ場所のみ相談。
 「キャナルシティに直接集合、でいいかな?」
 「はい、いいですけど」
 「んじゃ、時間は何時に?」
 「あの、いいんですけど……」
 「何?」
 「キャナルシティまで、どうやって行けばいいんでしょう?」
 そうなのであった。
 よしひと嬢は何度福岡に来ても、その都度道を忘れる名人なのであった(治んねーよな、この病気も)。
 仕方なく道順を説明したのだが、そのうちにだんだん面倒臭くなって来た。
 「……今どこにいるの?」
 「あ、国際センターですけれど」
 年季の入った同人オタク女であらせられるよしひと嬢が国際センターに、と聞くと、すわコミケか? と錯覚するが、ちゃんと職業関連で来られているらしい。そうかそうか、国際センターって、相撲とコミケしかやらないわけじゃなかったんだ。
 「それなら15分くらいで着くから、キャナルまで乗せて行こうか?」
 「あ、お願いします!」
 実は、国際センターからキャナルまではバスで一本(ただし、祇園で降りて10分ほど歩く)なのである。しかし、まず絶対に確実にキッパリと紛れもなく言えることだが、よしひと嬢だけで行かせたら、絶対に迷う。たとえ一本道でも(力説)。
 ウチの身内はなんでこう、難儀な連中ばかりなんだか。

 よしひと嬢のお友達二人も同乗させて、キャナルシティへ向かう。
 お友達のうちのお一人は、先日の公演にも来てくださった方のようで、しげの声を聞くなり、「あ、ネコの人!」と驚いたような喜んだような声をあげる。
 確かにしげはネコの役だったんだけど、道端でいきなリ「ネコの人」と言われちゃまるでしげが化け猫のような。……昔、私はおカマを演じたことがあったが、その伝で行けば私は、「オカマの人」と呼ばれることになるのだよなあ。
 藤田くんなどは死人の役ばかり演じてるから、「死人の人」と言われるのだ。つくづく役者というのは因果なモノである。


 キャナルに到着したのが1時過ぎ。
 映画が始まるまで二時間ほど間が空いているので、よしひと嬢とは一旦別れて、あとで待ち合わせすることに。
 福家書店を回って、ウェンディーズで買ったマンガを読みながら時間をつぶす。
 ウェンディーズも若いころは好きな店だったのだが、トシを取ってあっさりした味の方が好みになってくると、ここのハンバーガーのチーズ臭さが鼻について仕方がない。ほかのバーガー屋よりもなんだか臭みが強いように感じるんだが気のせいか?


 あずまきよひこ『あずまんが大王』4巻(完結/メディアワークス・電撃コミックス・714円)。
 え……? もう完結?
 ああ、ちゃんと進級してたんだなあ、ちよちゃんたち。
 4コマものは登場人物たちがトシを取らない、というのが不文律のようになっているが、別にそうしなきゃならないと決まったものではない。もともと日本の場合、4コマは新聞掲載を中心に時事漫画としての性格を強く持っていたので、最大公約数的なキャラクターを必要としていた登場人物のトシを取らせるわけにはいかなかった。
 けれど、そういう制約のない雑誌媒体の場合、人物のトシを取らせるか否かは本来自由のはずだ。なのに、現実にはキャラが無自覚なままに10代や三十路前を過ごしているのーてんきなマンガがどれだけ多いことか。中には、キャラの性格上、トシを取らせた方がいいマンガですら、十年一日の生活を続けているものもあるのだ。
 それが、ちよちゃんたちはしっかり卒業してくれた。
 そのことだけが原因ではないが、あずまんがのキャラたちには、見事に「命」が吹きこまれている。大きな事件も起こらず、まったりとした時間が流れていくだけの物語に、微笑し、突っ込み、切なくなるドラマがぎっしりと詰めこまれている。
 ネコが好きで好きでたまらないのに、どうしてもネコからは嫌われてしまう榊さん。修学旅行先の西表島で、イリオモテヤマネコのヤママヤーに初めてなつかれた時の榊さんの表情(37ページ・ラスト)、あれは4コマ漫画史上最高のヒトコマだ。驚愕と、困惑と、歓喜が固まったあの顔。あんな絵を描ける4コママンガ家が、これまでに誰がいたというのか。これはいしいひさいち以来の4コマの快挙と言ってもいい。
 凡百の4コママンガ家たち、あずまきよひこのマンガを読んで刮目せよ。

 完結を記念して、キャラクターたちに勝手にファンからのヒトコト。
 美浜ちよちゃん。
 私がゆかり先生の立場だったら、やっぱりあなたを苛めます。飛び級なんてナマイキだぞ。けど、髪を下ろしたあなたは好きでした。
 榊さん。
 ヤママヤーと仲よく。多分かみねこくんも、ほんとはあなたを好きです。4コマ読んでて初めて泣かされました。
 おーさか(春日歩)。
 うちの妻に一番近いのがあなたでしょう。雨の日もあなたがいれば教室はお天気。人気投票1位おめでとうございます。
 よみ(水原暦)。
 唯一の眼鏡ッ子なのにねー、性格がも少しよかったらねー。でも、ともと付き合ったりしてたら、確かにマジメな人は性格歪むよねー。
 とも(滝野智)。
 意地悪だけど、男の子が一番付き合いやすいのはあなたみたいな人です。でもホントはちょっとくじけやすいところがあると見た。がんばれ。
 神楽。
 体育系の女の子は実はちょっと苦手。でも最後にやっぱり泣いてたねえ、女の子なんだねえ。遠くから応援してます。
 かおりん。
 好きな人には気付いてもらえないしヘンなやつからは好かれるし大変でしたね。いいことあるさ、きっと。
 谷崎ゆかり先生。
 あなたは教師の鑑です。本気でそう思います。私も学生のころ、あなたみたいな先生に教わりたかった。
 にゃも(黒沢みなも)先生。
 体育教師ってやっぱりバカなんですか?(^o^)
 木村先生。奥さんにもう一回再登場して欲しかった(^^)。

 ……入れこんでるなあ、私。


 3時40分からAMCで映画『少林サッカー』。
 オープニング、少林寺の修行僧たちの線画が、どんどこどんどん、どどん、と太鼓のリズムで乱舞する映像がいかにもチープなツクリで、そこが映画のバカバカしさを予感させていて期待させられる。
 かつて八百長試合で引退を余儀なくされたサッカーコーチが、起死回生を図って、少林寺拳法を広めようと街に出て来た青年“鋼鉄の脚”シン(監督・主演兼任の周星馳<チャウ・シンチー>)をスカウトして、最強のサッカーチームを作るってお話。
 ストーリーが単純なのだから、ギャグを畳みかけるように連発して勢いをつけなきゃならないのに、前半はそれがイマイチ。伏線の張り方がミエミエなのと、説明的になりすぎてクドくなってるところが多いのだ。
 シンが蹴った缶が、空の彼方に消えてキラリと星になる。高橋留美子のアニメで散々見慣れたこのギャグ、香港映画のギャグセンスが十年一日で進歩してないことが分ってちょっと落胆。日本で今これをやったら、センスを疑われることは必定だけれど、向こうじゃまだ新鮮なんだろうな。
 それはまあ仕方ないことだとしても、あとでコーチのファン(呉孟達<ン・マンタ>)が、壁にめり込んだ缶を発見するシーンで、もう一度さっき缶を蹴った時のシーンをインサートするのはクドイだけで無駄。観客がそんな説明的なシーンがないと判らないとでも思ってるのかね。もしそうなら、香港の観客って、世界の映画を全然見てないんじゃないか。
 太極拳を使って饅頭を作る少女ムイ(趙薇<ヴィッキー・チャオ>)とシンが出会うシーン、シンが「君の太極拳には音楽がある!」と絶賛すると、突然何の脈絡もなく異様にデカイ坊主頭の少年が立ち上がって、「ワタシもそう思う!」と主張するや否や、その場でクネクネダンスを踊り出す。
 それになぜか触発された通りすがりの人々、「実は俺もダンサーになりたかったんだ!」と目の中に火を燃やし、踊り出す。ここまではいい。
 シンもムイも踊りだし、路上で一大ミュージカルシーンが展開されるかと思いきや……いきなり饅頭屋の女主人が怒鳴って、「アンタたち何やってんだい!」。
 途端にみんな日常に帰ってしまう。
 ……何それ?(・・;)
 ミュージカルシーンのネタ振りだけしといて、踊りがナシって……意味ないじゃん。それに、あの坊主頭、てっきり少林チームに入るための伏線だと思ってたら、このシーンのみの出演で、あと全然出て来ないんでやんの。
 なんのためのシーンだったんだ? と思っていたんだけど、あとでパンフ読んだら、このシーン、『少林サッカー』がヒットしたんであとで撮り足したボーナスシーンなんだそうな。道理で前後の流れを中断してる。
 ギャグシーンをワザワザ足しといて、笑いを堰き止めてどうするかな。せめてあそこでランチキミュージカルをたっぷり見せてくれてたら、すっげーいいシーンになってたろうに。なんだか高校の映画部あたりがノリでギャグ映画作るけど、詰めが甘いって言うか、そんな感じね。
 そんなこんなで、前半は相当辛かったんだけど、後半、試合のシーンになるとバカっぷりが本領発揮。ようやく画面に躍動感が生まれてくる。
 “鉄頭功”一番上の兄弟子(黄一飛<ウォン・ヤッフェイ>)。
 “旋風脚”二番目の兄弟子(莫美林<モー・メイリン>)。
 “鎧の肌”三番目の兄弟子(田啓文<ティン・カイマン>)。
 “魔の手”四番目の兄弟子(陳国坤<チェン・グォクン>)。
 “軽功”六番目の弟子(林子聡<リン・ヅーソォン>)。
 それぞれのキャラクターが明確なので、そのコンビネーションが楽しい。
 いやもう、デブは飛ぶわ地面にめり込むわ、オヤジたちが華麗なフットワークを見せるわ、炎のボールを跳ね飛ばすわ、その見た目と技とのギャップと言うか違和感が見ていて心地よいのよ。
 ドーピングで強化人間(^o^)と化した敵(こいつがまた、いかにも憎々しいヤツでいいね)の卑怯な手に、続々と倒れていく少林チーム。もはや放棄試合か、というピンチの起死回生策がなんと……!
 ……うまかったねえ。
 それまで伏線の張り方がデタラメだったから、かえってこの手があるとは気付かなかった。もしかしたら前半、とことんタルかったのは、この結末を予測させないためにワザとやってたの?(んなワケないな)
 嵐を呼ぶシュートがホントに嵐を呼んで(^o^)、試合は少林チームの優勝。敵のチームのボスを倒すのにもう一つアイデアがなかったのが惜しかったけれど。
 大ブームを呼ぶことになった少林寺拳法、バナナの皮で転んでも、少林寺で宙がえり、植木を刈るのも少林寺、バスに飛び乗るのも少林寺、オチとしては予測がつく上に、これを全てCGでやってるのがバレバレだから、ちょっと白ける。けど本物の少林寺でも植木は刈れないと思うから、これは仕方がないか。どうせCGでやるならもっと派手な動きをさせてもよかったと思うけど。
 前評判ほどにスゴイとは思わなかったけれど、バカ映画としては『オースティン・パワーズ』よりよっぽど面白い(ミュージカルシーンだけ負けてるけど)。
 何より、三段変化する(^o^)ヴィッキー・チャオの魅力!
 饅頭屋に勤めてる時には吹き出物だらけでブサイクなのに、シンは「君は美人だ」と言う。まさしくその通り。「痘痕もえくぼ」でも「主観的には美人」でもない。あのブサイクさが本物の女の美しさなのだ。あのヴィッキーを「美しい」と思えない男は、一生、女には縁がないと思え。
 ……え? あなた、既婚者だけど、ヴィッキーをあまり美人だと思えなかったって? それはいずれ奥さんに愛想つかされますね。断言します。
 ヴィッキー・チャオ、例の旭日旗ドレスで顰蹙買って、アイドル生命も危うかったらしいけど、この『少林寺サッカー』ですっかり持ち直したんじゃないかな。

 見終わって、よしひと嬢、「笑いすぎて涙が出た」と言いつつ、まだ涙を拭っている。こういうバカ映画が彼女の笑いのツボらしい。
 例のミュージカルなりそこないシーンが面白かったと言うので、「アイデアはいいけど、もっと踊らせなきゃ」と率直に意見を言う。
 映画を見たあと、人と意見が異なることはあるけれど、これはどちらが正しくてどちらが間違ってるということではない。笑いの感性も一人一人違うのは当然なので、私が面白いと思ったものを人が貶しても別に気にはならないのだ。
 多分、よしひと嬢も、面白かったシーンが私と違ってたからと言って、別に傷ついたりはしていないだろう。しげもそうだが、自分の感じたことを遠慮せずに言える相手がいるということは心地よいことである。


 公演打ち上げまでもう少し時間があるので、よしひと嬢ともう一度、福家書店を回る。
 「いつも本屋ばかりで悪いけれど」とよしひと嬢は謝るけれど、私が「本屋に行くぞ」と言うと「え〜、またぁ?」とふてくされるしげがヒトコトも文句を言わない。差別だ。
 でもしげに文句言えばきっと「差別して何が悪い」と言い返すに決まってるんだよな(-_-;)。

 よしひと嬢の話によれば、ワールドカップの会場近くのコンビニが、一日で一年分以上の売り上げを記録したそうである。
 試合の勝敗より、こういうゴシップの方が私にはよっぽど面白い。
 これだけ日本全国が騒いでくれてれば、バカ話の一つや二つは絶対出てくるはずで、そういう騒動がニュースになることをワクワクしながら期待している。
 我ながら悪趣味なことだ。


 飲み会の会場のある場所については、ちょっと差し障りがありそうなので、書かない。
 なぜ書かないかは最後まで読んでいただければ判ります(^_^;)。
 1次会はカラオケ居酒屋で、参加者は、私、しげ、よしひと嬢、鴉丸嬢、桜雅嬢、其ノ他君、つぶらや君の七名。鈴邑夫妻、ハカセこと穂稀嬢はドタキャン。ハカセは突然ウチの中でコケて捻挫したとかで、「部屋の中でどうやったらコケられるんだ」とみんな口々にここにいない穂稀嬢の悪口を言う。
 みんな、つくづくいい性格をしていること(^_^;)。
 藤田君はまたもや音信不通。人生転落街道を着実に降りて行ってるなあ(^o^)。

 桜雅嬢が髪をシャギーにしてちょっとアヤナミレイ風にして、眼鏡もコンタクトに変えてきたので、印象が随分変わった。
 「いやあ、雰囲気違うねえ」
 と言ったら、「どう違うんですかあ?」と聞き返されたので、思わず返答に詰まる。
 すかさずよしひと嬢が、「普通の人になっちゃったよ」と落胆したような突っ込み。
 それを聞いて桜雅嬢、「普通の人って???」とキョトンとする。
 ああ、桜雅嬢がニブくてよかった(´。`;)。
 しかし、よしひと嬢もさりげなくスゲエこと言わはりまんなあ(^_^;)。

 刺身だの揚げ物だのミニおこわだのを食いつくしながら、大カラオケ大会。
 けれどつぶらや君、どういうわけか順番が回ってきてもなかなか歌おうとしない。
 理由を聞いたら「今日悲しいことがあったんです」と言う。
 詳しく聞いてみると、なるほど、悲しいことであった(^o^)。
 「そりゃあ悲しいなあ」とかなんとか私もますますつぶらや君の心の傷をエグるようなことを言う。
 本人が落ちこみたいときはどんどん落ちこんでもらったほうが親切だろうという判断なのだが、なぜかつぶらや君、急に「……歌いたい気分になってきました」と熱唱し始めた。
 なんだ、ホントは元気だったのか(^o^)。

 其ノ他君のリクエストで、最初から『グレートマジンガー』なんか熱唱させられてテンション高い。私と其ノ他君の二人に挟まれてる鴉丸嬢、「両脇が熱い〜」とメゲている。
 途中から、カラオケに点数機能がついてることに気付いて、ボタンを押す。
 途端に鴉丸嬢、「誰だよ、点数機能押したのは!」と文句をつける。「遊びでいいじゃん」と答えると、「歌手本人が歌ってもカラオケって高得点出ないんだよ」とか一生懸命言い訳しながら歌う。
 ……なるほど、低くはないが、そんなに高くない点数。私より歌はずっとうまいと思うんだが、機械は非情だ(^^)。
 どうやら鴉丸嬢、ホンネは負けず嫌いな性格だな。
 カラオケではできるだけアニソンシバリをしているので、『めぐりあい』を歌ったら、85点でその日の最高点数。更に『乙女のポリシー』をダミ声で歌ったら(以前、ZUBATさんが歌って受けてたのでパクりました)、みんな抱腹絶倒。其ノ他君などは腹を押さえて倒れている。……いや、みなさんの耳に悪いものを歌ってしまいました(^_^;)。でもこれで持ちネタが増えた。
 つぶらや君、「『乙女のポリシー』にだけは負けたくない!」と熱唱するが、どうしても勝てない。「すげー口惜しい!」と未練が残るうちにオヒラキの時間。

 よしひと嬢の「もう一軒行こう!」の鶴のヒト声で2次会に雪崩れこみ。
 明日が仕事だという其の他君だけ、ここでお別れ。
 このあたりは鴉丸嬢のシマなので(^^)、「あ、安いとこ知ってるよ」の言葉を信じて、なんだか細くて暗い階段の上にある秘密クラブみたいなところに入りこむ。この階段がまた悪趣味で、階段踏むたびに不気味な音がびいーん、びいーんと鳴る。
 おかげで階段昇ってる間、オバケ屋敷の類が大の苦手のしげ、よしひと嬢に手を引いてもらって、目をつぶりながらビクビク昇っている。
 登りきったドアの向こうもムチャクチャ悪趣味。壁はどす黒い洞窟風だわ、髑髏だの化け物だのがディスプレイされてるわ、床は死体検分の跡が白線で描かれてるわ、カラオケボックスとしてのコンセプト勘違いしてないか?
 値段を聞いてビックリ。三時間で千円って……、どうしてそこまで安い?
 「ここねー、こないだレイプ事件があったのー。女の子が彼氏と来てたんだけどー、男二人で彼氏の方押さえつけてー、そのスキに女の子のほうやっちゃったってー。だからこんなに安くなったんだよー。でもやっぱり客来ないのー」
 そんなとこ連れて来るなよ、オイ(-_-;)。
 鴉丸嬢もわざとのほほんとこんなこと喋ってみせてるけど、こういう自分はしっかりしてるつもりで実は全然無防備なところが悪いヤツにつけこまれやすい点なんだってこと、まだ気付かんのかな。
 でも来ちゃったものはしょうがないので、3時間歌いっぱなし。
 私はやっぱりアニソンシバリだし、桜雅嬢はなぜかラテンな歌ばかり歌うし、部屋のムードに合わないことったら。別にレイプ魔が襲いかかってくることもなく、散会。時間はもう夜中の2時。

 しげ、もう眠くてフラフラだが、後部座席にみんなをムリヤリ押しこんで、それぞれの住まいに送る。
 「大丈夫だよ〜、居眠り運転、まだ2回しかしたことないから〜」ってオイ(・・;)。
 鴉丸嬢、桜雅嬢、つぶらや君と送って、ウチに向かうころにはもう、よしひと嬢は後ろで舟を漕いでいた。コンビニで簡単な食料を買って帰宅。我々もさすがに疲れ果てて、グッスリ寝る。
 ……なんとか持ったな、今日一日。ほっ。

2001年06月08日(金) 子供の命は地球より軽い/映画『ハンニバル』



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藤原敬之(ふじわら・けいし)