無責任賛歌
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2002年05月06日(月) |
やっぱり類友(^_^;)/DVD『シティボーイズライブ』/DVD『ブギーポップは笑わない』ほか |
GWの連休最終日。 チマタでは博多どんたくとかもあってたらしいが、知らん(^o^)。 もう今日は一歩たりとも外には出ないぞと決めて、昼間はひたすら寝る。
夕方からDVDでシティボーイズライブを通しで見る。 『真空報告官大運動会』以前の舞台はDVD化されていないので、これから見始める人にはいささか不親切だ。 それ以前の舞台を見ておかなければ分らないギャグが随所にある(『恋人たちのリス鍋』は、『恋人たちのゴム脳』を見ておかないと唐突に見えるし、『走る男たち』も、『Not Found / 非常識な青空』中のスケッチの続編)……というか、これがシティボーイズ+中村有志+いとうせいこう+三木聡(演出)の集大成かつ頂点を極めているからだ。ここから見るとかえって「ついて来れない」部分があって、楽しみにくいのである。 シティボーイズライブは、ここで一端転換を迫られることになる。大竹まことが「今年で最後」発言を繰り返すようになるのもこの頃からだ。 『夏への無意識』、シティボーイズのみの舞台。原典回帰、ということで、シマリのいいスケッチが多かった。 『ウルトラシオシオハイミナール』。 野宮真貴(ピチカート・ファイヴ)と本田久就がゲスト。ちょっとスケッチがお三方と噛み合ってない印象。どうして『まぬけの殻』が収録されてないのだ。 『シティボーイズミックス ラ・ハッスルきのこショー』。 演出の三木聡さんが降りる。新しい演出は坪田塁。しかし、中村有志といとうせいこうが復活した。けれど、究極の名スケッチ『ラ・ハッスル智恵子ショー』が放映&DVDに収録されていないのは、今でも痛恨。 斉木しげる指揮、いとうせいこう・きたろうアカペラによる伴奏と、大竹まこと(高村光太郎)の詩の朗読が、ぶつかり合うようなアンサンブルを見せる中、ベッド上の中村有志(高村智恵子)が、桜の舞い散る中、踊り撥ねるというモノスゴイスケッチ。精神障碍者に対するサベツが問題だってんだろうけど、そうやって障碍者を特別視する方がサベツなのになのに。 ……とかなんとか考えながら、始終ウトウト。
夜、8時を過ぎて、しげ、つぶらや君を連れてくる。 いきなりテレビデオを運んで来たので驚く。 私「……どしたの、それ?」 しげ「練習に使ったんだよ」 そう言われれば、寝室に置いてあったウチのテレビデオだ。 私「よく運べたなあ、それ」 つぶ「ベランダ通したんスよ」 私「ベランダ通したあ?!」 一瞬、ベランダから地上へ(ウチはマンションの三階である)、ヒモか何かで吊り下げて降ろしたのかと思ったがそうではないらしい。寝室の入口にモノを積み上げていて通し難くなっていたので、いったんベランダに出して、それから居間に入れて、出したとか。 ……そんな手間かけるより、入口の荷物どかした方が早かったんじゃないのか。 私「で、なんでテレビデオなんか持って行ったんだよ」 しげ「みんなで、演技の様子をテレビで見たかったから」 私「……ウチに連れてくればいいじゃん!」 しげ「だって、めんどくさいし」 私「練習場おカネ出して借りて、ただビデオ見てるだけって方がモッタイナイだろうが!」 演出がなんのためにいる。 クロサワじゃないが、「ビデオで自分の演技を見たいから」なんて抜かす役者には、「オレが見てるんだ、それで充分!」と言ってやりゃいいんだ。……第一、本番まで一週間切ってるんだぞ。今更もう、ビデオ見て演技プラン立ててる時期じゃなかろうに。
それでも、今度の舞台練習、しげも様々なパターンを試みて、よしひと嬢を笑わせているらしい。 「つぶらや君、テレビ運ぶためにわざわざ来たの?」 「ゴロちゃん(つぶらや君の愛称)、公演会場の照明プランの、ファックスが届くのここで待つんだよ」 察するに、つぶらや君のウチにはファックスがないらしい……って、もしかしたら、あるのはウチとよしひと嬢のところだけじゃないのか。全く、ローテクな劇団(^_^;)。 「食事はどうするんだ?」 「『ジョイフリャー(しげは「ジョイフル」をこう発音する。「仮面ライダーブイスリャ〜!」のノリらしい)』でいいかな?」 「ファックス待つんじゃなかったんかい」 「すぐには来ないから、今のうちに食事するんだよ」 本当は日記を更新したかったのだが、つぶらや君ともまだそんなに話したことはないし、せっかくの機会だからと、つきあうことにする。 演劇の経験がどの程度あるかと聞いてみると、どこぞの地元劇団の幽霊メンバーらしい。板の上に立ったことは、高校のときだけ、ということであるが、それでもウチでは充分な経験だ(おいおい)。 経験の多寡は、実のところ演劇の才能にはあまり関係がない。 基礎的な訓練が不必要だと言いたいわけではないが、初舞台で天性の才能を発揮、というのは演劇の世界ではよくあることだ。要は「カン」なのよね。 会場との折衝も担当しているそうで、「胃に穴が空きそう」とホントに顔を歪めているが、当日になって倒れなきゃいいが。
しげのロドリゲス(車のこと)、後部座席をフラットにして大道具を詰め込んでいるので、一人はその隙間に入り込まなきゃいけない。 つぶらや君をそこにはめ込んじゃうのは申し訳ないので、私が乗りこんだら、つぶらや君、「ホントはそっちのほうに乗りたかったんですけど……」と残念そう。……コイツもちょっとヘンなところがあるなあ(^_^;)。
ジョイフルで、しげがトイレに入っている隙に、練習の様子をつぶらや君に聞いて見る。 「……あいつ、足、ムリしてない?」 「してます。本人は『平気だ』って言ってますけど」 荷物も自分で運ぼうとしたがるらしいし、自分の立場を考えてない。 でも、周囲がしげを止められないというのもわかる。 普段の生活は、運動神経も悪いし、とっさの反応だって鈍いくせに、人の油断をついてチョロチョロっと動くのだけは抜群にウマイのだ、しげは。つーか、運動準備ってのがないので、いきなり動き出すのな。こちらの予想がつかないことをいきなりするのである。 こうなると、もう、足のケガが悪化しないことをただ祈るばかりである。
トイレから戻ってきたしげ、唐突に「ゴロちゃんにオタクをレクチャーしてよ」と言い出す。 何のことかと思ったら、舞台でアドリブでオタクな会話をしなきゃいけないんだけど思いつかなくて困ってるとか。 「オタクな会話って、例えば、“今度の『ガオ』さあ、敵にセクシー系と萌え系揃えるっての、いかにもでアザトイよなあ。でも実はオレ、ちょっと『萌え』好き(はあと)”……とか、こんなんでいいのか?」 と、思いつきで言ったら、つぶらや君に「おお!」と感心される。そんなたいしたもんかい、これ。ともかく古いネタは入れないように、とだけクギを刺す。旬でないネタは舞台上ではかえってアザトク見えるのだ。
私はコロッケと焼肉定食、しげはハンバーグ、つぶらや君はカレーみたいなの(忘れた)を注文。 「チキン南蛮がメニューからなくなってる〜。ジョイフリャーに来る意味がなくなった〜」とベソかくしげ。ジョイフルはチキン南蛮一つで持ってるってか。単に自分が偏食なだけだろうに。
帰宅してもファックスとやらはなかなか来ない。 しげは殆ど寝てなかったらしく、ダウンして寝息を立て始める。 ずっとつぶらや君を待たせたままなのも悪いので、「何かDVDでも見る?」と誘う。 「じゃあ、『ブギーポップ』を……」 ……うっ。もしかして「オタク演技が出来ない」とか言っときながら、それってフェイクか?(・・;) しげの話じゃ、「役の上ではオタクでも、本人はそんなことない」ということだったが、やっぱり「類友」だったのか? (((((((`◇´;)サササササッ……。
まあ、リクエストがあったなら仕方がない。 まずは劇場版のDVD『ブギーポップは笑わない BOOGIEPOP AND OTHERS』を掛ける。 一部のキャストや脚本、演出に瑕瑾はあるものの、ライトSFファンタジーとしては、なかなかいい出来だし、映像・構図、ともに凝っている。 見返してみて、最初劇場で見たときは「ちょっとアレはどうかな」と思っていた「宇宙」のシーン、それほど違和感なく見られた。 間を置いているとしても、二度見てそう退屈しないということは、結構いい出来なんじゃないか、この映画。 末間和子と新刻敬の俳優は、今でも逆の方がよかったと思うけれども。 つぶらや君、「宮下桃花がいいっスねえ!」と感嘆している。 確かにこのときの吉野紗香、『タオの月』の時よりずっといい。もう二度とこんな名演は見られないのではないか(^o^)。
続けて、続編のアニメシリーズ『ブギーポップは笑わない BOOGIEPOP PHANTOM』を第一巻から見せる。 「やっぱり霧間凪はロングヘアーがいいっスね!」と、紛う方なきオタク発言。……やっぱり類友(-_-;)。 つかれたので、つぶらや君に残りのDVDを渡して先に寝る。時間はもう1時過ぎ。結局、ファックスが来たのかどうか、私は知らない。
2001年05月06日(日) 襟足に寒気/『仮面ライダーSPIRITS』1巻(村枝賢一)
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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