無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年05月06日(日) 襟足に寒気/『仮面ライダーSPIRITS』1巻(村枝賢一)

 GW最終日。
 外はこれ以上ないってくらいの快晴でしかも暑い。
 なんだか東京から帰ったら、急に夏が来ていたような感覚。
 しげが「今日は出かける?」と聞くが、「具合が悪いのに出かけられるか」と怒る。
 「でもお土産持ってかないと腐るし」
 ああ、そういう意味か。私はてっきり、またしげが体の不調を押してどこかに行きたがってるのかと思った。
 都庁で抹茶饅頭を父に、姉には空港で「空飛ぶでかドラ」を買ったのだが(選んだのはしげ)、賞味機嫌が明日まで。是が非でも今日中に届けねば間に合わない。
 本当は朝のうちに届けようと思っていたのだが、疲れてすっかり寝過ごした。夕方出かけることにして、午前中はのんびり過ごす。

 日曜の朝とて、『アギト』『GALS』『デジモン』『コメット』と、いつものように漫然とテレビを見るが、ぼーっとして頭に入らない。旅行中の日記を書かねばならないのでパソコンに向かうが、わずか三日前のことだというのに忘れていることが多く、全然書き進まない。日記はやっぱりその日のうちに書いておかないとなあ。(旅行中、ヨタロー君がいろんななぞなぞを問いかけてくれてたんだけど、ほとんど忘れていて書けない。答えは思い出せるんだけど質問の方が正確に思い出せないのね。やっと思い出せたのが「外国の人の帽子はどこの国?」「オランダ」ってやつ)

 さすがにまるまる三日、世間から離れていると、いろいろ面白い出来事が起きている。
 北朝鮮の金正男らしき人物が強制退去のニュース、素直に受け取れば日本に対する挑発行為、ということになるのだろうが、どうもあの顔と体型を見ていると、世間の「ディズニーランドに愛人連れてきたアホ」との見方のほうが妥当に思えてくるから不思議だ。
 拉致疑惑のご家族が「交渉の切り札に使えたのに」と嘆く気持ちも解らないではないが、既にその感覚も常軌を逸している。「目には目を、歯には歯を、拉致には拉致を」ってハムラビ法典じゃあるまいしねえ。
 そんな強硬な外交ができるくらいなら、とうの昔にやってますって。良かれ悪しかれ、首相が代わろうと、日本の弱腰綱渡り外交はそう簡単に変わりはしないのである。北朝鮮も安心したのではないかな。

 ネットであちこちの日記やサイトを覗いてみて、気になる記事もいくつか。
 唐沢俊一さんが5/4の日記の中で、内川清一郎版新東宝映画『一寸法師』について、「小林青年が宇津井健」と書いているが、これは結構誤解を招く書き方である。
 確かに宇津井健は「小林章三」という役を演じているが、これ、原作に登場する「小林紋三」にあたるキャラクターで、あの少年探偵団の「小林芳雄」とは別人なのである。どうも唐沢さん、そこを勘違いしている様子だが、誰か突っ込み入れなかったのだろうか。
 以前、ホームページの方で、一寸法師役の和久井勉の扱いがDVDではないがしろにされてることを憤ったものだが、唐沢さんも「一寸法師役の人」と書くのみで、名前を全く紹介していない。乱歩の『探偵小説四十年』にしっかり記載されているのに、そこまで調べなかったのだろう。
 お忙しい中でのミスだろうが、ちょっと残念なことではある。どうも唐沢さんの周辺には古いミステリのファンが少ないような気がする。

 オタアミ会議室での映画『クレヨンしんちゃん』の感想もゴールデンウィークを利用して見に行った人が続々と書き込みをしていて、嬉しい。みなさんちゃんとツボを抑えていらっしゃるなあ。早目に書き込んでいなかったら、私もとても恥ずかしくて書きこみできなかっただろう。
 ともかく「アニメ」、「子供向け」という括りがネックになって、アレだけの映画を見に行かない人がいるのが残念でならないのだ。旅行から帰ったら、てっきり劇団のホームページにメンバーの「見ましたよ!」という書きこみがあるものと思っていたのに、結局見に行ったのはよしひと嬢だけらしい。「ああ、ウチのメンバーですらまだアニメに偏見持ってるのか」という気がして悲しいのだよ、私は。
 予め誉めすぎると、実際に見たときに、「なんだ、こんなもの」と思われる危険もあるので、これでも抑えて書いているのだが、気分的には『クレしん』を見てもいないで「アニメファン」を標榜してほしくない、とまで思いこんじゃっているのだ。少なくとも、私がこれまで見た全映画の中のベスト5に入れることに吝かではない。『ヤマト』『ガンダム』『エヴァ』んときだってここまでハマリはしなかったぞ。どうしちゃったんだ私(^_^;)。
 子持ちでもない限り、見に行くのがツライのは解るけれど、今週で公開も終わってしまう。AMCなかま16だったら夜8時35分からでもやってるぞ。ホラ見に行けやれ行け。

 「エンピツ」に登録されてる日記の中で、この日記の「読んだら押す」の登録ボタンが「強制的で不快だ」と書かれているものがあった。
 ああ、そう思う人もいるかな、と思って早速書き換えたのだが、今度はしげの方が「いやなら押さなきゃいいじゃん」と立腹している。
 日記の内容について批判されたのなら、私だって自分の名においてこの日記を書いているのだから、きちんと対処しようと考えているが、直接内容と関係のないところで誤解を生じるのは私の本意ではない。この程度のことで喧嘩をする方が馬鹿馬鹿しいのだ。
 これが直接、私宛てのメールで「あなたの日記は不快です、改めなさい」とでも書き送ってきたのだったら、私もしげのように「余計なお世話じゃ」とはねつけるところだろうが、相手は自分の日記で自分の思ったことを素直に書いただけだ。何の問題があろうか。
 どうやら相手はお若いレディーのようだが、だから私がコロリと言うことを聞いたわけではないので嫉妬すんなよ、しげ。

 5/3の日記を書いた時点で疲れ果てて昼寝。
 気がついたら夕方で、慌てて父の店に向かう。

 改めて書くのもなんだが、私の実家は床屋である。
 4月からこっち、毎日が無茶苦茶忙しくて、散髪するひまもなかったが、ようやく伸びに伸びた髪を切ってもらった。もうしばらくしたらマジで『クレしん』の「ケンちゃん」並になりそうだったので、ようやく頭がさっぱりする。

 実は父には今度の東京旅行のことは事前に話してなかった。
 別に私と父の仲が悪いわけではなく、いちいちそう言うことを話すことではないとお互いに思っているだけなのである。父自体、どこかに旅行することを予め私に話したことなどほとんどない。いつも帰ってきてから「ホラ、土産だ」とせんべいだの昆布だのを渡してくれるのが常だ。
 今回も特別どこに行くなど教えなかったのだが、ちょうど東京についた初日に、私の携帯に「今から散髪に来んか?」とかかってきたのにはビックリした。いや、さすがに東京から福岡に散髪には行けない(そう言えば、しげの携帯にも桜雅さんから「遊びに行ってもいいですか?」と連絡が入っていたな。意外と我々夫婦の行動はメンバーにも知られていないようだ)。

 でも会う早々、何となく父の顔が険しい。
 トシをとってくると、自分に内緒で遊んでいたのが腹立たしくなるのかなあ、とぼんやり考えていたらそれは違った。
 バリカンをかけながら父がポツリ。
 「お前、どこに泊まったとや」
 語尾上がりの質問口調ではない。とがめだてをする口調である。
 「……こうたろう君ちだけど?」
 「ご家族がおろうもん」
 「うん……」
 お、怒っている。これは本気で怒っている。それが証拠に、そのあと全く口を開かない。
 ともかく人に迷惑をかけるのが徹底的に嫌いな親父だ。友達とは言え、そのご家族の団欒を邪魔したとあってはどんな言い訳をしようと(いや言い訳をしようものならなおのこと)絶対に許しはしまい。
 いつもは散髪をしてもらうときにはお互い軽口を叩き合うのだが、今日はただただ静かな時間が過ぎて行く。
 次に父が口を開いたのは、「10月末は休み空けとけよ」(母の七回忌なのだ)だった。
 冷や汗が額を流れるのがわかる(゚-゚;)。
 帰りには「お前がなかなか来ないから渡せなかった」と笑いながら、しげへのホワイトデーのお返しをくれたから、いつまでも怒っていたわけではなかろうが、こりゃ今度東京に行くことになったら、もうこうたろう君ちにお泊まりはできないなあ。
 ……現実にタカリ魔になってたし(ーー;)。

 帰りに積文館に寄って本を買い、ガストで食事。
 そろそろ本気で体がダルくなってくる。帰宅して日記の続きを書いたころには、さて、明日仕事ができるかという状態になってきていた。ヤバイなあ。

 石ノ森章太郎原作・村枝賢一作画『仮面ライダーSPIRITS』1巻。
 絵自体が石森さんに似ているアシストのシュガー佐藤より、よっぽど村枝さんの方がマンガとしての仮面ライダーを自分なりに昇華していて面白い。
 ストーリーとしてはあくまでテレビシリーズの続編という形をとっているが、キャラクター造形は村枝さん独自の解釈に基づいて描かれており、藤岡弘、佐々木剛、宮内洋のイメージで今回の1号、2号、V3を見てしまうと肩透かしを食らうだろう。
 V3なんかほとんど少女マンガの美形キャラだし(^_^;)。
 でも石森さん亡きあと、ただのモノ真似の続編を描かれたって読者はそれはそれで納得すまい。多少、「原作と違う」部分があろうと、『仮面ライダー』という作品に込められた石森テイストを21世紀にどう伝えていくかという情熱のこもった作品になっていれば、そこは評価していかねばならないのではないか。
 ライダーもシリーズを重ねるにつれ、当初我々の胸を打った「孤独な戦い」が描かれなくなっていったが、今回のマンガにはそれが感じられるのである。
 2巻以降、人気の高い1号あたりでなく、だんだんマンネリ化していったスーパー1とかZXあたりの続編を描いたとき、このシリーズの真価が問われるのではないか。



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