無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年05月04日(土) 日記書きの一日/アニメ『アタックNO.1』/『低俗霊DAYDREAM』3巻(奥瀬サキ・目黒三吉)ほか

 ケガをしてるのに〜、しげは出かける練習に〜♪
 って歌ってていいのかって感じだけど、『用心棒』の農家のば〜さんの言葉を借りれば、「止めたって、止まらねえもの」。
 人間、落ちて行くときは歯止めが利かない……って、譬えが違ってるような合ってるような。
 一応、医者には必ず行くように言ったけど、付き添いは要らないって頑固に言うし、こうなるともう本人に任せるしかない。昨日の件で、私はもう心配するのにも疲れた。もう、しげの心配なんかしてやらないぞ!
 けど、ハッキリ跛引いてるじゃんか。薬飲んでても絶対悪化するぞ。いいのかオイ……って、心配しないって決めたのに(´o`;)。


 朝方、東京のこうたろう君から電話。
 しげのケガのことを知って、心配して電話してきたのだ。
 こういう時、「いやあ、心配しなくても大丈夫だよ」と言えないのがなあ(-_-;)。
 練習に出かけたと言う話をすると「なんで付いて行ってやらないのか」と詰られる。いやまあね、そうしてやりたい気持ちもないわけではないのだけれどもね。昨日からこっちの流れを説明して、「自覚のない人間に、何を言ってもムダだよ」なんて話をする。
 しげの暴走は今に始まったことではないので、こうたろう君も呆れつつも苦笑するしかないようだ。
 先日、「境界例」のことについてこの日記に書いたのを読んで、こうたろう君、なぜか感激しちまったらしい。
 「泣いたよ」……ってなんで? それともそれはなにかの比喩か? 「情けなくて泣いた」って意味? 一昨日の記述のことだろうけど、読み返して見ても、どこに引っかかったのか、ちょっと判断ができない。
 日頃から「もちっと筆を抑えなよ」と私の暴走をたしなめてくれるこうたろう君であるが、それでもタマに私の文章に過剰に反応するところがある。それがまた、私が時々陥る「ああ、この宇宙って、なんて奇跡がいっぱいなんだろう! お星様に乾杯!」モードに入ってる時だったりするんだよな(^_^;)。いや、だからよう、そのときにはもう、熱に浮かされてるんだってば。だもんで、あとですっかり冷静になったときに「こないだの文章よかったよ!」なんて誉められたりしてもよう、もう赤面しちゃうっつーか、こっぱずかしいったらないのよ。
 まあ、ちょっと「ポエムでも書いてみちゃいたくなる」病っての? そういう状態の私の文章に引っかかったからって、下手に感動してると宮崎駿から「トトロばかり見てるんじゃない!」と叱られちゃうぞ(^o^)。 


 休みを利用して、まだ書いてなかった日記を続々更新……と言っても一日に書ける量はせいぜい三つか四つが限度。もちろん、一日分の量を10行程度に抑えちゃえば、あっという間に書けてしまうのだが、どうも栗本薫の生霊か半村良の死霊あたりが私にとり憑いているらしい(^_^;)。書いてるうちに止まらなくなるのである。
 ……ついでに質も伴ってくれてたら、こんなに嬉しいことはないんだが。


 WOWOWで、劇場版『アタックNO.1』の映画シリーズを四本一挙に放送。
 劇場版と言っても、テレビシリーズの数話を「東映まんが祭り」用に再編集しただけのしろものだから、映画的な面白さはないに等しい。
 昔の劇場版アニメにはよくあったことだけれど、テレビのスタンダードサイズの天地を切って、無理やりシネスコサイズにしているものだから、顔のアップがでか過ぎたり、握手してても手が映ってなかったり、見にくいこと夥しい。タテにスクロールするくらいできなかったかね(というよりトリミングすること自体、おかしいんだが)。
 けど、脚本は古臭いし、キャラデザインは『巨人の星』と同じでダサイし(どうして浦野千賀子の絵と川崎のぼるの絵とが同じ絵になるんだよう)、当時もよく毎週毎週見てたよな。
 やっぱりブルマーに引かれてたからか?(^_^;)……って、七歳かそこらでよくもまあ。


 雨の中、久しぶりに自転車に乗って博多駅へ行こうとして、駐輪場に行ってみると、しばらく乗ってなかったせいなのかサドルのところに「廃棄処分にします」とハリガミが。マンションのステッカーが貼ってあるから、放置自転車と勘違いされたわけではない。
 このマンションの管理組合、ちょっと性格のいやらしい人間が増えてきてるようである。
 たいして雨が降ってないな、と思って傘を持たずに出かけたら急に土砂降り。慌てていったんウチに戻って傘を持って外に出た途端、雨がピタリと止む。
 銀行に寄っておカネを卸そうとしたら、通帳を持ってくるのを忘れていて、取りに帰るハメに。やっと戻ってきたら、今度は時間切れで銀行が閉まっている。
 なんだかマーフィに祟られてるぞ、今日は(-_-;)。
 紀伊國屋を回って本を数冊物色、その足でパピオまでしげの様子を見に行くが、このテレスコは、もうギプスを外して立っている。
 「もう歩けるもん」と言ってるが、相変わらず左足は跛を引いたままだ。
 其ノ他君が「動かないようにって言ってるんですけどね」と途方に暮れている様子。……はやく治して、本番の時に迷惑をかけないように、というアタマがないのだな、こいつは。
 なんだかもう、しげの何も考えてないヘラヘラ顔を見てるだけで頭痛がしてきたので、雨の中をさっさと帰る。

 晩飯は近くにできた「五風」という店。
 前はファミレスがあったところで、今度のもそうかと入ったら居酒屋のチェーンだった。一人で居酒屋って、なんだかうらぶれた中年みたいでいやだなあ……ってその通りなんだけど(-_-;)。
 仕方なく焼き肉を頼む。トンとろにホルモン、それに「とろとろトウフ」というやつ、その場でニガリを混ぜて豆腐を作って食べさせるのが面白い。固まりきれないようなトロッとした舌ざわりがいい。
 トマトには塩をかけずに食べる。
 しげがこんなふうに、トマトをちょっと切って、夜食に出してくれるだけでも嬉しいんだけど、それも遥かな夢か。
 (;_;)( ;_)( ;)( )(; )(_; )(;_;)(T-T)うるうる~。


 マンガ、藤子・F・不二雄『パーマン/パーマン誕生!!』(小学館/My First BIG・300円)。
 いや、驚いたね、第1巻の書きなおし。設定から何から全部初期のと変えられてるんだもの。
 知ってる人も多いと思うけれど、もともと、須羽みつ夫たちを「パーマン」にしたのは、「スーパーマン」だった。これが再アニメ化のときに版権に引っかかると言うことで、「鳥だ! 飛行機だ! バードマンだ!」ということになった。やってきた星の名前も「スーパー星」から「バード星」に変えられたし、もしもパーマンの秘密がバレたら「頭をパーにしてしまう」という設定も「動物に変える」になった。あ、あと、「時速91キロで飛べる」ってのも「119キロ」に(^o^)。
 けど、確か第1話の出だし、虫コミックス版では「かば夫がみんなのお年玉を取り上げる」話だったはずだ。それが「年賀状を取り上げる」話になっているし、「スーパーマン」は「バードマン」どころかただの「超人」という普通名詞になっている。スーパー星もただの「遠い星」だ。
 コマの書き足しなんかは絵柄から見て再アニメ化のときのものだろうけれど、ここまで細かくチェックされちゃうものなのか、昔のマンガでも。
 昔の『パーマン』の虫コミックス、なくしてしまったのは、返す返すも惜しかったなあ。


 マンガ、奥瀬サキ原作・目黒三吉漫画『低俗霊DAYDREAM』3巻(角川書店・567円)。
 ……あ、深小姫ちゃん、まだ処女だったの(・・;)。
 SM女王様って設定だから、全然そんなふうに思ってなかったけど、霊媒師だからなあ、処女っつーか、神の巫女が乙女ってのは当然といえば当然かなあ。
 もともと巫女ってのは処女性と娼婦性の両方を持ってるものだから、非常に伝統的な設定であるわけだな、これ。どうして今の今まで処女かってのが「パイパンだから」というのが笑えるけど(笑っちゃいけませんね。世の中にはそのことで苦しんでる女の方もいらっしゃるでしょうから)。
 オリジナルシリーズの流香魔魅の復活を望んでいないわけではないけれど、崔樹深小姫にも愛着が湧いてきた。普段のほよよんとした顔もいいけれど、低俗霊を心底毛嫌いした時の、ゲロ吐きかけたがってるみたいな「この下道が」って表情が実にイイ。……いや、M的快感を言ってるわけではなくて(^_^;)。
 まあねー、言っちゃなんだけど、「こいつ死んだほうが」と言いたくなるようなヒトって、ホントにいるからねー。低俗なら低俗でいいんだよ、人間、みんなヒトカワ剥けば下品な存在なんだからよ。
 でも犯罪を犯しといて悪びれないならまだしも、図に乗るヤツね、意外と多いから。「ついやっちゃいますなあ、はっはっは」て程度なら、まだ人間の業かね、これも、ってところですませられなくもないが、「あなたも一つどうです?」だなんて、人を共犯者にしようとするなよ、オイ(-_-;)。
 こういうヤツこそ、世間の低俗霊諸君には気張って頂いて、地獄に引きずりこんでほしいものだけれど、なかなかそんなことにならないのは、結局、霊なんていないってことなんだろうね。
 その分、フィクションの中では深小姫ちゃんに頑張ってほしいものである。いつまでもばーじんのままで(本人はイヤかもしれんが)。

2001年05月04日(金) ウナセラディ東京/江戸東京たてもの園/『ヒカルの碁』12巻(小畑健)



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