無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年04月15日(月) 興奮する電話。でもアッチ方面ではナイ/DVD『エイリアン9』4巻(完結)/『楽園まであともうちょっと』1巻(今市子)ほか

 糖尿のために飲むものと言えばお茶ばかり。
 しげは麦茶が好きだが、私の好みは烏龍茶である。
 仕方がないので、麦茶と烏龍茶のパックを一緒にヤカンに投げこんで、つなぎにプーアル(漢字変換出ね〜や)茶も入れる。
 これでなんとか、しげも私も飲めるお茶ができる。どっちつかずになりそうだが適度に苦味が抑えられた上に麦茶のつるっとした物足りなさも消えて、飲みがいのある味になるのだ。
 でも、ここの読者の方が、試しにマネして作って飲んでみても「騙された!」と思っても私は関知しないのでそのつもりで。


 終日雨。
 しげ、ここのところ毎日、一日も遅れずに車で迎えに来てくれている。
 ぐーたらで飽きっぽいしげにしては珍しいことだ。
 洗濯と台所仕事は相変わらずやらないけれど。
 「ど〜せ、今日も洗濯してないだろ?」
 「アンタ、洗ってたん?」
 「あ、そう言えば、今日は俺も洗濯機回すの忘れてた」
 「なん、それなら今日は出来てなくてもいいんやん」
 「でも、俺が回してたとしても気づいてなかったろ?」
 「……洗濯機のとこへは行ったよ」
 「行っただけだろ? 洗濯物溜まってても洗おうとは思わなかったんだろ?」
 「……うん」
 やっぱりグータラが治ったわけではないのだ。
 で、今日も「絶対」やらないんだろうな、洗濯(-_-;)。


 夜、10時過ぎ、しげが仕事に出かけたあと、電話が鳴る。
 市外局番を見ると東京から。
 けれどナンバーディスプレイを見ると、こうたろう君じゃない。
 怪訝に思って、受話器を取る。
 「もしもし?」
 「あ、どうも。私、東京の落語家で、春風亭昇輔と申しますが」

 ……えええええええ!?(@。@;)

 「しげさんはいらっしゃいますか?」
 「いや、あの、ただいまその、仕事に出ておりますが。いえ、つまり夜の仕事というか、リンガーハットで働いておりまして」
 「ああ、私も好きでございます」
 「あの、しげがなにか不調法なことでも……?」
 「いえ、しげさんのご注文のですね、寄席文字ストラップに、『ダン・エイクロイド』と書いてほしい、ということなんですが、映画のロゴ風にすることもできますけど、いかがなものかと」
 「あ、ソルボンヌK子さんのところから注文したやつですね? それは聞いておりました」
 「そう言っていただけると話が早くてありがたいことで」
 「で、でも、そ、それはどうしたらいいかというのは、本人に聞いてみませんと私はなんとも……」
 「さいですか。では改めて後日ご連絡差し上げます。……シツレイですが、お父様で?」
 「いえ、亭主です」
 「ああ。ご亭主様で。それはもう、今晩はどうぞご夫婦仲よく。オチがついたところで失礼させていただきます」

 ……どうオチが付いたのかよくわかんなかったけど、ビックリしたなあ、もう(by三波伸介)。
 いや、いきなり落語家さんから電話があったってのもそうなんだけど、やっぱり東京の落語家さんって、普段でも噺家喋りするんだね!
 ……感動だなあ。
 帰宅したしげに話したら、「タダで落語が聞けてよかったね」だと。
 タダどころかあちらに電話代払わせとるわい。
 確かに得した気分にゃちがいないけど、カネの問題に換算するなよ。イジマシイ。
 けど、手元不如意でまだ注文してなかったけれど、俄然、昇輔さん直筆のストラップ、ほしくなってきちゃったなあ。給料出たら、二つか三つ、注文しちゃおうかな。
 上京したら久しぶりに寄席に行ってみたいって気もしてきたぞ。
 ああ、行きたいところは山ほどあるのに連休は三日間しかないのね……(+_+)。
 

 ビデオ『12人の怒れる男 評決の行方』。
 昨日、シドニー・ルメット監督版の『12人』を見たので、リメイクのウィリアム・フリードキン監督版も見比べてみたくなって、録画してたやつを再生。前にも見てるんだけど、日記に感想アップしたことはなかったように思うんで、まあいいか。
 原版タイトルは両作とも同じなんだけど、副題を付けることで区別ができるようになってるのはいいな。
 脚本はレジナルド・ローズが現代に合わせて、基本設定は同じでも「精神鑑定の信用度」の問題を盛り込んだりしている(余り効果がないけど)。
 前作にはいなかった黒人俳優を配役したり(議長の1番、2番、10番が黒人)、ハンディカメラで迫力を出したりと、工夫はあるのだけれど、主演のデイビス役のジャック・レモンがトシを取り過ぎてるのがどうも痛々しくってね。隣席のマカードルの方がより「老人」という設定なんだけど、見た目たいして変わんね〜(^_^;)。ほぼ遺作に近いやつだから仕方ないんだろうけど、前作のヘンリー・フォンダの実直さはどうしても感じられない。
 まず見るならやっぱりルメット版を推すなあ、私は。
 前作では、リー・J・コップが演じた最も激烈に怒る3番の役を、リメイク版ではジョージ・C・スコットが演じてるんだけど(これも遺作に近いかなあ)、この人、『エクソシスト3』でも、1作目でコップが演じたキンダーマン警部補
をやってるんである。特に顔が似てるとも思わないけど、何か個人的な繋がりでもあるのかなあ、この二人。
 日本で言えば小林昭二のあとがまはいつも塚本信夫がやる、みたいな(^o^)。


 DVD『エイリアン9』4巻(完結)。
 うーむ、3巻まではこれからどうなることかとおもしろかったのになあ。
 結局、原作を消化しきれなくて途中でぶった切りってか。
 校長に久川先生、どうもエイリアンっぽいけど(かすみも今回、仲間になったのか?)、どうしてエイリアンを呼び寄せて小学生に退治させるようなことをしてたのか、またその対立組織が何だったのか、語られないままだよ。
 でも、原作は最後まで読んでないけど、全ての謎が明かされてるってわけでもないような気がする。気を引かせるだけの設定っていうか、マクガフィンだけで成り立たせようって印象は最初からあったしね。
 ……って、『エヴァ』じゃん(^_^;)。
 確かに、エイリアンが精神攻撃しかけてきたり、主人公のゆりちゃんが成長しないで終わっちゃうあたりも『エヴァンゲリオン』の影響が大……つーか、設定・ストーリー構成も、見終わってみりゃ、全く『エヴァ』と同じなんだってことに気がつく。
 あからさまなのは、エイリアン・イエローナイフの声に石田彰(「カヲル君」だよ〜、まだ萌えてる女の子いる〜?)を持ってきたこと。スタッフは絶対、確信犯でやってるよな。
 でさ、ラストがまた「首締め」なのよ(^_^;)。ここまで来ると、いくらなんでも露骨過ぎない?
 もう、いい加減、「エヴァ・シンドローム」にはケリが着いたと思ってたのになあ。動きや演出がずば抜けてイイだけに、逆に「これでイイの? パクリ……とまでは言わないけど、もう少しなんとかならなかったの?」と言いたくなってくるよ。
 それといくら原作の絵柄を生かすからってねえ、富沢ひとしの全くキャラの描き分けが出来てねえとこまで、律儀にそのままトレースするかよ(-_-;)。せめて眉太くするとか、背丈や体型にメリハリつけるとか、工夫しろよ。……あ、そう言えば、シリーズ構成の村井さだゆき、『ブギーポップ』テレビシリーズとか、『エヴァ』フォロワーの作品連発してた人だったよな。
 なんか、結果的に凄く「惜しい」作品になっちゃった印象。
 

 『アニメージュ』『ニュータイプ』5月号。
 まあ、いろいろ記事はありますが。
 ……『ガンバの冒険』BOX……?
 ダメだって(-_-;)。


 マンガ、秋本治『Mr.Clice』4巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。
 おお、前巻からそれほど間を置かずに4巻が。
 これを待ってたオタクも結構多いのではないか。
 『こち亀』もそうだけど、これだけメジャーになってて、しかもオタク層もしっかりゲットしてるってところが秋本さんのすごいところだけれど、クリスの「モトは男だけど、脳だけ女の体に移殖されたスパイ」ってだけでもう弾けてるからね。両さん以上に破天荒、荒唐無稽ができるところが本作の強み。
 だいたい、敵の組織が「スラッシュ」で、そこの殺し屋の名前が「ナポレオン」ってだけで我々の世代は狂喜しちゃうし(まんまだから版権の問題は起きないかと心配にはなるけど)。でもナポレオンのデザインはさいとう・たかを版の007ジェームス・ボンドがモデル。ううう、凝ってる……(^_^;)。
 まあ、そんなウンチク知らなくったって、素直に巨乳のねーちゃんがドジりながら繰り広げるスパイアクションを楽しめばそれでいいんだよね。
 基本フォーマットは、毎回、男に戻れずにふてくされて任務から逃げようとするクリスと、なんとか女のままで任務を遂行させたい部長との丁々発止のかけあい漫才、みたいなシチュエーションコメディなんである。
 私だってミリタリー系のオタク知識はからっきしないから、そのへんは気にせず読んでます。
 

 マンガ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』129巻(集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。
 またしげはいきなり買ってくるし(^_^;)。巻数が多すぎるから10巻ごとにしか買ってなかったのになあ。これからずっと買われても、いちいち感想書いてられねーぞ(^_^;)。
 もはや秋本さんの体力が尽きない限り、連載は終わらないだろうね。もちろん、作品の質をレベルダウンさせずにここまで来てることはいくら誉めたって誉め過ぎにはならない。
 え〜っと、麗子のママは初登場なんだっけ? 「マリー・ローランさん」という強引なネーミングがなんとも(^_^;)。
 昔は考えられなかった両さんの結婚相手、麗子か麻里愛かって絞られてきたけど、私が生きている間に決着はつくのだろうか。そろそろ両さんの年齢も追い越しそうなんだけどな、オレ。
 各話の濃いネタについて書き出したらキリがないので、現物を読んで下さい。私は「爺いオンリーのコミケ」には笑いました。


 マンガ、今市子『楽園まであともうちょっと』1巻(芳文社・590円)。
 『百鬼夜行抄』の今さんだから……ということでしげが買ってたやつだな。
 でも中身はボーイズ……(-_-;)。
 もう、この手のマンガじゃ、「どうしてホモになったの?」という男が抱く疑問はもう描かれないのね。
 ホモはもとからホモ。
 つーか、男は全てホモっ気あるって認識で描いてるようにしか思えんのだよなあ。だって、全ての男キャラがいつ誰とくっつくか、予測つかねーんだもの。
 潰れかけた旅行会社「楽園企画」の臨時社長・川江務と、彼のところにやってきたローン会社の浅田貴史。起死回生の企画、山登りツアーを通して二人の間はだんだん近くなって行くが……ってよ、実際の山男同士のホモってさ、絶対、今さんの絵で描かれるような細身で「おれヒゲなんか生えないよ」って感じのボーイズ同士のカラミじゃねーよな。
 もうヒゲクマ同士の汗ギトギトだよ。……やっぱ、女性にとってのホモってただのファンタジーなんだろうなあ。
 マンガが面白いかどうか以前に、私、この世界、よくわかりません(^_^;)。

2001年04月15日(日) My guest is my Lord/『まかせてイルか!』1巻(大地丙太郎・たかしたたかし)



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