無責任賛歌
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2002年04月02日(火) |
だから仮病じゃないってば/DVD『京極夏彦・怪 隠神だぬき』ほか |
久しぶりの通院日である。 つーか、行くのサボってただけだけど。 どーせ悪い結果が出てるんだよなあ、と思ったら、病院から足が遠のいちゃうんだよね。そりゃもう、自分でもわかるくらい、食が増えてるし。 言い訳をするのは男らしくないが、私は男である前に人間なので(どういう理屈だ)言い訳しちゃうのである。 食べるのがガマンできないということはない。 実際、入院中に食事制限を受けていても、全然苦痛はないのだ。 つまるところ私がつい食い過ぎてしまうのは、ストレスが原因だということは見当がつく。 ……気がついたら食ってるみもんな、私。しかも止まらないし。そのときだけ理性のタガが吹っ飛んでるなあ、というのはあとになって気がつくのだ。 さて問題はだ。 ストレスの原因が解らんのである(^_^;)。 仕事がキツイとか、しげがしょっちゅう駄々こねるとか、そんなんストレスのうちに入らんのだが……。 ハッ、もしかして「更新遅れてるのなんとかせねば」って考えてるせい?
しげと西新に行くのも半年ぶり。 とは言っても道を忘れるほどではない。でもしげはキレイさっぱり忘れていた。ネズミだって道くらい覚えるぞ。 成人病センターには11時に来いと言われていたが、30分ほど早目に着く。 受付はしたものの、尿検査だの血液検査を始めるまでに1時間待たされる。 いくらなんでもそりゃ手持ち無沙汰なので、しげの案内で近所のカフェテラスみたいなところに行く。 ……もちろん食いはしませんよ、お茶飲むだけ(^_^;)。 トリュフォーの『突然炎のごとく』とかゴダールの『勝手にしやがれ』のポスターなんかが飾られてる小粋な店。しげが「おしゃれカフェ」と呼ぶ類の店である。 しげにしてはなかなかセンスがいい。と言ってもファーストフードなんだろうけどね。 タイトルが原語のままだったので、「このポスター、なんの映画かわかるか?」としげに聞いたら、首を傾げる。 「どっちも一緒にビデオで見てないか?」 と聞いたらまた首を傾げる。 うーん、これもしげの記憶力がヨワイせいか、私が見せてたと思いこんでただけなのか。どっちにしろ、十年近く昔のことだからはっきりと確認はできない。ここ数年、しげと一緒にビデオを見るという機会がほんとに少なくなっている。見せたい映画は腐るほどあるのになあ。
尿検査だの採血だの、その結果が出るのを待つのにも時間がかかる。 まあ、待っても結果は見えてるが。 食堂で糖尿病食の試食のあと、担当医と看護婦さん栄養士さんに検査結果を見せられる。 しげと二人並んで神妙な顔。 医「……入院前より悪いですね。血糖値が243もあります」 私「はあ」 医「ヘモグロビンA1Cは11.0です。これじゃすぐにでも入院してもらわないと」 今入院したら、東京にもにも行けないしなあ、とぼんやり考える(仕事のことは考えんのか)。 医「このままだと確実に10年後には失明します。食事制限は守ってますか?」 私「……守れてません」 医「間食してるでしょう」 私「間食はしてません」 医「してないんですか? 奥さん」 しげ「してます」 私「してないよ、俺」 しげ「私がお菓子あげたら食べるじゃない」 医「お菓子あげてるんですか?」 しげ、しまったという顔をする。 医「お酒は?」 私「飲みません」 医「食事はたくさん食べてませんか? 奥さん」 しげ「二人前はペロリ」 私「そんなに食ってないよ」 しげ「食ってるよ!」 医「……食べるの止めないんですか? 奥さん」 しげ、また絶句。 まあ、食ってるのは私だから悪いことは悪いんだが、しげが全く私のカラダを気遣ってないのも医者にはバレちゃったワケだね。 確かにこう愛のない家庭だと、ストレス発散は食うほうに行くわな。 医「……もうしばらく様子を見て、夏には入院を覚悟してください。食事を作る余裕がないなら、配達サービスもありますから」 配達かあ。外食しまくるよりはそっちの方が楽かな。 けど入院はもうカンベンしてほしいよ。
下りのエレベーターに乗って、しげを見るとバツが悪いのかムッツリしている。 「お前、オレが具合悪いって言っても信用しないけど、仮病じゃないってわかったろ?」 そう声をかけた途端、しげ、「アンタが正しいよ」とふてくされる。 「なん? 私が悪いってこと知らせるためにワザとカラダ悪くしたの?」 ……自分のミスをつつかれたくないという心理はわかるが、このセリフが私との距離をどれだけ広げるかわかって言ってるのかなあ。 わかっててもやっちゃうんだよな、こいつ。 ストレスの原因の一つはやっぱりしげにあるのか、と、今更ながら淋しくなる。
半年来なかっただけで西新もあちこち様子が変わっている。 一番の変化はドンキホーテが出来たことか。 帰りに覗くと実に脈絡がなくモノが並んでいる。 「よく、こんなに雑然としててモノが売れるなあ」 「深夜5時までやってるからだよ」 ああ、それで以前チャットで「夜よく妻と買い物に行く」と言ったら「ドンキホーテ?」と聞かれたのか。 なるほどなるほど。 せっかく寄ったので、ゴツイ目覚まし時計を一つ買う。 いつも用心のために二つかけて寝るのだが、それでも体調が悪い日など、二つ鳴ってても起きられないことがあるからだ。 「ハイパーベル」とか書いてあるがどのへんが「ハイパー」なんだか。カタチを見るとなんだがビーム光線でも出そうな気配なんだけど(出たら死ぬって)。
博多駅でしげ、バッグを買う。 東京行きのため、ということだが購入したのを見てみると意外と小さい。持ち歩き用に買ったのかな? でも「ハンドバッグ」の類ではなく、ホントにショルダーバッグって感じなのが、色気のないこと(^_^;)。 考えて見れば私も予定を立てねばならんのだが、どうもまだなかなか具体的なビジョンが見えて来ない。 それより東京で過ごす体力を整えないとな。
本屋を回って、久しぶりに姉の店(床屋)に寄る。 マジで4ヶ月散髪してないので髪はぼうぼう。 姉「ようそこまで伸ばしたね」 私「大学のころ伸ばしたことはあったけどね」 父「お母さんがお前と気がつかんで通り過ぎたこともあったな」 私「ヒゲまで伸ばしてたし」 ともかくいい加減バッサリと切りたかったのでいつもより短く切ってもらうよう頼む。 父「お前の頭は難しいっちゃんね〜」 「頭は難しい」って言い方もなんだかなあ。
帰宅は5時。 夜のチャットに備えて熟睡することにする。 できれば12時まで寝ていたかったが、9時に目覚める。 以前に見たDVD『京極夏彦・怪 隠神だぬき』など見返す。 これも映画単体だとそう悪くないんだけど、原作読んだあとだと作りがザツに見えてくるな。谷啓の事触れの治平は適役なんだけど。
BSマンガ夜話・手塚治虫スペシャル、今夜は『W3』。 今日の内容は手塚治虫の線の変遷など、以前聞いたことのあるものばかりで新味に欠ける。 夏目さんたちの世代が「『W3』のころの線のザツさ」を指摘する理屈はわかるんだけど、ザツでもなんでも『メトロポリス』のころより『W3』の線の方が「動いて」いることは事実だからなあ。 『メトロポリス』のころは「マンガ」と言っても『絵本』の流れなんだよね。『アトム』の後半から、手塚マンガは「紙の上のアニメ」になった。そっちのほうが馴染み深く感じるのは、やっぱり私は「アニメ世代」だからだろう。
1時くらいから某チャットに参加。 この日記を全部読んで頂いている女性がいらっしゃって、嬉しいやら恥ずかしいやら(* ̄∇ ̄*)。 ……早く更新しよっと。/
2001年04月02日(月) 桜の森の満開の下/『イギリス人はおかしい』(高尾慶子)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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