無責任賛歌
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2002年04月01日(月) |
心機一転?/映画『ビューティフル・マインド』ほか |
4月1日である。 連休の間に更新ちゃっちゃか進めたろ〜、と思っていたのに、風邪引いてダウン、気がついたらもう溜まってるの20日分だよ、20日。 こりゃ、私がいかに精力絶……もとい、気力充実していようと、一日二日で追いつくものではない。 しかも、年度始めっつーことで、これからどんどこ仕事は忙しくなるのだ(前よりは閑職に回されたからって、仕事がなくなったわけじゃないから)。 ということで、いったん日記をワープさせて、ちゃんと今日の日記をこれから書く。 飛んだ分のは追々埋めていくつもりなので、最近ちょっとだけ増えた読者のみなさん、気長に待っててちょ。
で、この日記も更新遅れたりしてな(^o^)。 ……シャレにならんか。
年度始めで会議も目白押し。二つも三つも会議が続けば、クスリの副作用とも相俟って、いとも簡単に落ちる。 自分じゃ気づかないけどイビキかいてるらしいんだよなあ、そのたびに同僚に起こされるんで、初手から立場のないことったらない。 こりゃ、聞き手に回ってるから眠っちゃうんだよなあ、と思い、今度はやたら質問や提案をする。 私は、こんなちゃらんぽらんな日記を書いてはいても、実はキレモノなので、資料のミスなどを見つけるのは抜群にウマイのである。 ……けど、端から見れば、こういうやつってイヤだよなあ。 「有久さん! 有久さん!」 「……あ……、はい」 「ちゃんと聞いてますか? 大事な会議ですよ!?(`´)」 「あ、……大丈夫です。起きてます……○Oo。(´_`)」 「……しっかりしてくださいね!」 「……で、すみません……」 「なんですかっ!」 「ここんとことここんとこの資料にミスがあると思うんですが、こうしたらいいんじゃないスか?」 「……う(・・;)」 ああ、ホントにヤなヤツ。 でもこれくらいヤなヤツにならないと、ゆっくり居眠りさせてももらえないのである。……違うだろ、目的が。
1日は毎月映画の日で、入場料金は千円均一。 仕事帰りにしげを誘って、キャナルシティに向かう。 せっかくのお出かけだというのに、車を運転しているしげ、なにか不満げな顔である。 「どうしたんだよ、顔が変だよ」 「……だって、映画に行くなんて聞いてなかったし」 「行きたくないなら、ムリに行かなくてもいいけど?」 「そうじゅなくてぇ、予定立ててなかったから、スリッパで来ちゃったんだよう」 「……べつにいいじゃん、スリッパでも」 「……ステキじゃないオレでもいい?」 「オマエはスリッパを靴に履き替えただけでステキになるんかぁ!?」
昨日読んだばかりの京極夏彦『姑獲鳥の夏』の話、しげとやりとり。 私が「関口ってオマエそっくりだよな、榎木津や京極堂の苦労がわかるよ」と言うと、しげは「オレ、関口嫌い」と言う。 「同族嫌悪だろ」と言い返す。 トリックに関わるので詳しくは言えないが、作中の関口のボケぶりは、まさしくしげと同レベルなのだ。 あのトリックについてアンフェアだと考える人もいるかもしれないが、私は現実にしげと付き合ってるので、あの話、ムチャクチャリアルだったんである。 「世の中に不思議なものは何もないが不思議ちゃんはいる」ってか(^_^;)。
マヌケしげとキャナルに着いたのが6時20分。 実はどの映画を見るか決めてなかったので、福家書店に置いてあるチラシで時間を確認。 「あ、『パルムの樹』、一週間で打ち切られてやんの」 すかさずしげのツッコミ。 「子供の見ないアニメ映画なんて、オタク以外に誰が見るんだよ」 ……そこまで言うか。 私の映画批評について、過激だという人がいるが、しげの「容赦のなさ」にはとてもかなわないのだ。
AMCのカード、ハンコがたまるごとにポップコーンやホットドッグと交換してくれるシステムになってたのだが、カードが新しくなってホットドッグがなくなっている。しげがそれをしきりに悔しがっている。 つまり、ポップコーンみたいな「腹に溜まらないもの」は、しげの心の中では「食いモノ」と認識されてないってことだな。 飢えたしげが暴れるといけないので、エサとしてケンタッキーフライドチキンを買って与える。
映画はこないだアカデミー賞取ったばかりの『ビューティフル・マインド』。 しかしヒデエよな、このタイトル。訳すと「美しき心」だもんね。英語で言ってるから一見カッコよさげだけどさ、感覚的にはこんなの松竹大船調だよ。 古いっつーか、既に映画自体のダメさ加減を表してるような気もするが、こういう予感はたいてい当たる。 「ゲーム理論」を確立した天才数学者、ジョン・ナッシュ。 自らの矜持ゆえに、幻覚に苛まれる彼と、彼を支える妻、アリシアとの愛。 ナッシュは実在の人物であるし、大筋において物語は確かに「実話」なのだろう。 けれど、こういう身障者を扱った作品の場合、主人公を傷つけるわけにはいかないから、往々にして「愛と感動を呼ぶ」結末に脚色・収束させちゃうんだよね。 最後まで幻覚が消えなかった、というのはいいんだけど、「妻の愛を語る」か達で結末をつけるってのは正直言って拍子抜け。……少し前の、幻覚に別れを告げるシーンの方がよっぽどクライマックスになってたりする。 まあ、ナッシュを演じたラッセル・クロウの熱演は評価していいけど、物語としての濃さを考えると、これが『ロード・オブ・ザ・リング』を上回るものというのはちょっとねえ。 ま、癒されたいんだね。アメリカ人も。
あ、でもジェニファー・コネリーは相変わらず美しいっつーか、『ラビリンス』のころから老けてねーみてーだ。あらびっくり。 「ジェニファー・コネリーって、ショーン……」 としげが言いかけたので、みなまで言わせず、「そのセリフ、俺がジェニファー・コネリーを話題にするたびに言ってるぞ、おまえ。二度と言うなって言ってんのに、なんでそこまで記憶力悪いんだよ」とダメ出し。 「だって、そう連想するように頭がなってるんだよう」としげは愚図るが、つまり自分が「アホ」だってことを告白してるようなもんだ。 ……アホだね〜、ホント。
コンビニで飲み物など、買い物をして帰る。 新しい冷蔵庫、以前のものより容量があるので、たくさん買っても余裕がある。 冷凍室は、水を注入口に注ぎ入れるだけで、氷がアイスボックスに自動的にカラカラと落ちて来て溜まる仕組み。 しげはこういうのが楽しくて仕方がないのだが、自分だけが楽しんでると思われるのがイヤらしく、私に「楽しい?」と聞いてくる。 自分の気持ちくらい自分ではっきり言えよ。
BSマンガ夜話、手塚治虫スペシャル、今日は『メトロポリス』。 ……と言いながら、話は殆ど「初期手塚治虫論」の様相を呈する。 大林宣彦と水野英子がゲストだけど、これにいしかわじゅんと夏目房之介が絡めば、もう、手塚治虫大礼賛大会になることは眼に見えてる。 実際、ここまで静かに進行するマンガ夜話を見たのは初めてだな(^o^)。 しかも岡田斗司夫さんが殆ど喋らなかった回というのも(^_^;)。 もっとも、シメは岡田さんが手塚治虫のSF性に触れて、ようやく中味のある話になったけど、考えてみれば『メトロポリス』題材にしてSF話にならないってのも偏ってるよな、このメンツ。 アニメ『メトロポリス』があんなヒデエ出来になっちゃったのも、りんたろうに大友克洋というSFオンチ二人にやらせちゃったせいだろうなあ。 SFはジャンルではなく「手法」だってこと、認識してないやつが多すぎるよ、困ったもんだ。
2001年04月01日(日) 四月バカ/『ブンカザツロン』(唐沢俊一・鶴岡法斎)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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