無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年02月28日(木) つっよいっぞガ〜メ〜ラ〜/『モーツァルトは子守唄を歌わない』2巻(森雅裕・有栖川るい)ほか

 今朝の新聞記事より。
 『ジュラシック・パーク』と安達祐実で有名な(^o^)暴君竜(昔ながらの恐竜ファンにはこの通称じゃなくちゃねえ)ティラノサウルスが、実は走ることができなかった、とする分析結果が『ネイチャー』に発表されたとか。
 要するに6トンと試算される全体重を支えて走るだけの脚の筋肉がなかったということなんだな。
 『ネイチャー』に載る論文は必ずしもマトモなものばかりでなく、トンデモ系のやつも多いって話を聞いたことあるけど、記事を見る限り、これはまあ信頼できる研究結果じゃないのかな。
 少なくとも、その「証明方法」が、科学にゃドシロウトの我々にもわかりやすい、ごく簡単なリクツで説明されてるからだ。

 今回の研究の中心になったのは、カリフォルニア大学バークリー校の大学院生、ジョン・ハッチンソンという人だそうだ。
 骨格や筋肉と動きの研究をもとに、動物が走るために必要な脚の伸縮筋の量を計算するモデルを作ったところ、ワニは片脚につき体重の7.7%以上の筋肉が必要だが、実際にはその筋肉が3.6%しかなく、結果として走ることができない。それに比べて、ニワトリは4.7%の筋肉が必要であるのに対して実際には8.8%あり、走ることができる、というように実際の事例とよく適合したんだと。
 ところが、これをティラノサウルスに当てはめると、片脚につき体重の43%、両脚では86%の筋肉が必要になってしまう。全身の86%を脚の筋肉が占めるなんてことはまずありえないわな。筋肉大移動でもせんかぎり(c.『3年奇面組』)。走れて時速40キロが限度なんだと。
 んじゃ、走れなかったら草食恐竜捕まえて食えないじゃん、ということになりそうだが、他の恐竜たちはもっと遅いので大丈夫なんだそうな(^o^)。

 しかし、そうなるとだよ、これまで「Tレックスは時速70キロで走れた」って言ってた科学者たちは、何を根拠にンなこと言ってたんだろうね?
 いや、昔から「恐竜は自重を支えきれなかったから滅んだ」って説は結構耳にしてたぞ。あえてそういう説も無視して恐竜を「走らせた」のは誰のどういう思惑があってのことなんだろうか。
 昔は直立型が多かった恐竜の骨格標本、あれがいつの間にやら、例の尻尾でバランスを取るような前傾姿勢に変えられて行ったのも、その方が「走るのに適している」と判断されたからだろう。更に言えば「恐竜恒温動物説」だってそうだ。
 まあ、恐竜の姿勢は他の動物との骨格の比較から考えても、まだ前傾姿勢のほうが自然かもしれないが、「恐竜が走れなかった」とすれば少なくとも「恒温動物説」は揺らいじゃうんじゃないか。ましてや「羽毛があった」とする説に至っては。

 私ゃ文系ど真ん中の人間だから、理系の人たちに対して多少失礼な憶測をしているのかもしれないけどね、科学者が本当に「論理的な思考の持ち主」かっていうと、違うんじゃないかなあって思うこと多いんだよね。大槻教授見ててもそう思うし。タトエが悪いか。
 けれど実感として思うのだ、私は高校時代、体重は58キロだったが今は8×キロだ。……マジで、体動かくなってるんだよ〜(T∇T)。
 ましてや恐竜だ。
 私のイメージの中には、もともと素早く走る恐竜ってのが全然イメージに無かった。『ジュラシック・パーク』を最初に見たときも、あのティラノの「素早さ」が、まったく「重量感」を感じさせてくれなかったから、幻滅してたのだ。どこがリアルなんだよ、この非現実的な特撮がって思ってて。
 思うに、科学者たちはある意味、文系の人間よりもよっぽどロマンチストなところがあるのじゃなかろうか。やっぱり、ティラノには猛スピードで疾駆してほしい、そういう「願望」が、現実を見ることから目を背けさせてる面がなかったかどうか。例のピルトダウン原人騒動だって、その「願望」で目が曇ってさえいなけりゃ、ドーソンの死亡以前にあの頭蓋骨がニセモノだって気付かれてたんじゃないかな。近くはわが国での旧石器捏造事件だってそうだ。
 「騙されやすい人」って、結局は自分自身に「騙されたがってる」ところがあるから騙されちゃうんだよね。我々は夢を見たがる。だからその夢をちょっとでも叶えてくれそうな言説には簡単に飛びつきやすい。けれど、すぐ覚める夢に取りついてもしょうがない、と考えるのが本当の理性なんじゃないかなって思うんである。


 アニメ『七人のナナ』第8話「英語で告白!家庭教師をやっつけろ?」。
 まあ、なんつーかねー、「日本語のヘンな外人の女の子」ですかあ。
 今川監督〜、今更こんなべったべたな定番やっちゃうんですかあ〜。
 で、カウボーイスタイルだし。
 なつかしのスパゲッティ・ジェーン(『ハレンチ学園』)を思い出しちゃいましたね。脱いでないけど。
 ヘンな大阪弁喋ってるし。
 レギュラーになるんじゃなくて一回きりのゲストだったからまだよかったけど、これ、ずっと出てくるんだったら見るの辛かったろうなあ。

 母から届いたエアメール。
 その手紙には、母が、知り合いの女性にナナの英語の家庭教師を頼んだという衝撃の事実が! そのヘンな関西弁を喋る家庭教師・メロディーの滞在期間は一週間。果たしてその間、ナナたちは分裂してしまったことをメロディーに隠しとおせるのか……。

 いや、できないんですけどね(^^)。
 でも、今回の話でようやくシリーズの流れが見えてきたなあ。
 つまりこれ、かわいい女の子キャラを使って、『セロ弾きのゴーシュ』をやりたいんだね。七人のナナが経験したことが、今はそうと気づかないけど、結局、本人のためになるっていう教育的なお話。
 ……ちょっと興味が減退しちゃったな。ネタが割れちゃうと。
 まあ、でも一番好きなナナさま(メガネっ娘)のエピソードをまだ見てないし、もちっと続けて見てみよう。

 そういえば本編とは関係ないが、「ポトリス」のCM、「あなたのポトリスが目覚める」って言って、子供の半ズボンの股間をアップにするってトンデモナイやつだったんだが、以前はそのジッパーの間からポトリスがはみ出てるって絵だったのに、最近はそれがなくなっている。……何ぞクレームがついたんだったらやだなあ。これくらいのギャグ、笑って見過ごせってば。


 昨日あたりからまたしげが「スシ食いてぇ」とうるさかったので、近所のマリンポリスでたらふく食う。
 ここの店にはなぜか出入り口にアメのキャッチャーがあるんだが、焼肉ならともかく、どうしてスシに? やっぱり生臭いんだろうかとか考えながら、100円で10個ほど取る。
 しげに一つあげようとしたけど欲しがらない。
 こういうのも「ちょっとした愛情」ってやつなんだが、鈍感なしげは全然気がつかないのであった。
 

 しげが買ってきたプレステ2のゲーム、『いただきストリート3』を二人でやる。
 モノポリーと双六をコキ混ぜたようなものなんだけど、カジノのコマがあって、9枚のカードをめくると1から9までの点数が出てくる仕掛けになっている。といってもめくれるのは3枚だけ。
 で、私が3枚めくったら7、8、9だった。
 しげがいきなり怒って「あんたインチキしたね!」。
 いや、どうやって……(ーー;)。
 ゲームやってると必ずこういう難癖つけるのやめろよ、しげ。
 結局勝ったのはしげなのに、ふてくされて寝てしまったのであった。


 先日UFOキャッチャーで取ってきたソフビのガメラ、ようやく組み立ててどこに飾ろうかと思案してたんだけど、ちょっといい場所がなくて、枕元に置いておいた。
 そいでもって、日記でもつけようとパソコンに向かってパコパコやっていた。
 突然、寝室から異様な声が。
 「はなあああああああああ!」
 なんだと思って覗いてみたら、ガメラがひっくり返って倒れている。
 しげは布団を引っかぶってて下半身がまる見え。
 絵に描いたような「頭隠して」なんとやらだ。
 どうやらしげがふと目を覚まして、目の前にガメラがあったんでびっくりしたらしい。ガメラが倒れてるのは突き飛ばしたかどうかしたんだろう。
 「おい、どうした?」
 声をかけたけれど反応がない。
 てっきり飛び起きたのかと思ったのにどうしたんだろうと近寄ってみると。
 「……グー……」
 寝てるし(ーー;)。
 つーか、イビキまで掻いてるし。
 これじゃ、びっくりして気絶するマンガのキャラそのまんまや。
 ……驚いたんなら目ぇくらい覚ませや。 


 マンガ、青山剛昌『名探偵コナン』36巻(小学館・410円)。
 あ〜、いつもいつも穴だらけのミステリ、ありがとうございます。
 ……シナリオライターつけろよ、大概で。
 今でもある程度トリックのブレーンなんかはいるみたいだけど、トリックのためのトリックに堕してるぞ。いくら少年マンガだからって、人間描写ってのは必要だろう。
 いっぺん、『コナン』のどこがどうヒドイか、事細かに全部解説してやりたい気になるんだがなあ。ミステリのルール守ってたらそれもできないしなあ。
 渚のトリックは時間が経てばすぐにバレるものだし、犯人が途中で罪の意識に駆られながらなおかつ連続殺人を試みる心理も理解しがたい。
 物理的にも心理的にも成立しようがないのだ。こんなあんぽんたんなトリックをみんなホントにおもしろがって読んでるのか? ……やっぱ、ただのキャラ人気なんだろうなあ。
 青山さん、絵柄に個性はあるんだけどさあ、肝心のキュラクターの描写力がないんだよねえ。松田陣平? このいかにも松田優作と陣内孝典を足して2で割ったみたいなキャラ出して、恥ずかしくないか。今までにどれだけのマンガ家がそれやってきたと思う? マンガが安っぽくなるだけだよ。


 マンガ、森雅裕原作・有栖川るい作画『モーツァルトは子守唄を歌わない』2巻(エニックス・580円)。
 ああ、『コナン』のあとでこんな上質のミステリを読むと心が洗われるナァ。
 いや、マジでね。
 もっとも、作中の暗号は楽譜にアルファベットを組み合わせたものだったんで、どうやって解いたらいいか見当もつかなかったけど(ーー;)。日本人の読者相手にそりゃちょっとヒキョーってもんだろう。
 モーツァルトと来ればサリエリ、というのはピーター・シェイファーの『アマデウス』以来の定番になっちゃったけど、今巻でもサリエリ、モーツァルトの死の謎を探るベートーヴェンを裏から妨害する。
 黒幕と見せかけて実は、という展開なのかそれともストレートに怪しいのか。こういう時代ミステリは、有名人をキャラとして使える分、無理にキャラを作りこまなくても、「ああ、こいつは怪しいぞ」と勝手に読者が思いこんでくれる利点があるのだけれど、言い返れば、それをどうひっくり返して意表をつくかってのも作者の技量にまかされている。
 しかし、今んとこ、探偵ベートーヴェンに退行できるだけの際立ったキャラってのが登場してきてないんだよなあ。だからと言って、これで「モーツァルトは自殺だった」みたいなオチだったらつまらないんだけど。
 チェルニーもただベートーヴェンに突っ込むだけじゃなくてもう一つ二つは「企んで」ほしいもんである。

2001年02月28日(水) せんと・おぶ・うーまん/『妖怪馬鹿』(京極夏彦・多田克己ほか)



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