無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年02月24日(日) ベスト・オブ・ザ・魔女っ子/DVD『コメットさん☆』BOX SIDE A/『ワンピース RED』(尾田栄一郎)ほか

 今日は寝過ごさず……っつーか、チャットであんまり寝てないんだが。
 で、やっと見られた『忍風戦隊ハリケンジャー』第2話「巨人とカラクリ」。
 このサブタイトルが『巨人と玩具』のパロだなってこたあすぐにわかるんだけど、もちろん話の中味とはなんの関係もない。
 なんのためのパロか。意味なくていいなあ。
 このへん、なんとなく吾妻ひでお的。
 えーっと、で、お話の方だけど、よくわからんが、今度のヒロインのねーちゃんは演歌歌手になったらしい。まあ吹替えじゃなきゃとりあえず音程は外してないか。
 敵のねーちゃん二人は片方が色っぽ系で片方が天然系らしい。
 私は天然系の子がかわいいと思った。
 まる。

 ……なに? ほかに感想書いたほうがいいかい?
 
 
 『仮面ライダー龍騎』第04話「学校の怪談2」。
 本編にはサブタイトルが出てないけど、オフィシャルサイトには紹介されている。
  ……やっぱり昔みたいに「怪奇!くも男」とはいかないなあ。
 アレもシリーズを重ねるにつれてやたら長ったらしくて、バカバカしいものに変わっていったけど、一応今回は反省してるのか、長ったらしいだけで覚えられないようなのは今んとこはない。
 この「カッコイイサブタイトルを」ってことに関しちゃ、『エヴァンゲリオン』はすっごく貢献してるね。
 「学校の怪談」ってのは……ちょっと、ギリギリの線かなあ。
 特に怪談があるわけじゃないからねえ。

 蓮にかかった幼児虐待の容疑が晴れる(^o^)。
 ライダーがいったんは疑われるってのが定番になってきてるけど、ライダーがライダーに疑われるってのはちょっと外してないか。
 本郷猛が緑川ルリ子に父殺しを疑われて感じた悲しみは、本郷が既に改造人間にされてて、人間であるルリ子との間に埋めることのできない亀裂を感じたったって設定があったからこそ、視聴者の胸にもズンと響いたんだけどな。
 なんだか今回、主役がライダーになってしとまう悲しみがないなあ。


 DVD土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズ『湖底の美女/天使と悪魔の美女/白い素肌の美女』、立て続けに見る。
 自分のホームベージに明智小五郎のコーナーを作ろうと思って、ずっと買い続けてるんだけれど、このブックレットが解説者の私的な感想ばかりで、資料として心許ないのが歯がゆい。
 ともかくキャスティングすらきちんと書かれてないってのはどういうわけなんだろうね。もっともだからこそ、「明智のページを作る余地はあるな」と判断したんだけども。いろんな人が明智のページ立ち上げてるけど、年譜にしろ研究にしろ、未だし未だしのものが多いのだ。
 でもこっちも相当調べないと対抗できないし、おかげで時間かかっちゃってるんである。
 19作を数えてマンネリ化して来たこのシリーズ、ついに脚本の宮川一郎、監督の井上梅次が降板、脚本は篠崎好、監督は村川透、長谷和夫に変わる。
 途端に美保純は脱ぐわ高田美和は脱ぐわ鰐淵晴子はボンデージるわ、エロ度一気に倍増。こんな露骨なテコ入れもないな(^o^)。
 ともかく何度か見返して、なんとかデータを取らねば。


 DVD『コメットさん☆』第1話〜4話。
 うっひゃあ、何これ、この完成度!
 本放送の時、第1話は見損ねてたんだけど、『サリー』も『アッコ』も『マコ』も『チャッピー』も『リミット』も『チックル』も『モモ』も『マミ』も『ペルシャ』も『エミ』も『ファンシーララ』も束になってもかなわない、魔女っ子アニメ史上最高の第1話だよ、これ!
 脚本、作画、演出、全てここまでのレベルのものを作ってたとは、驚天動地、返す返すもなぜ本放送のとき見損ねてたか……。
 あ〜、今まで結構『コメットさん☆』をプッシュして参りましたが、ちょっと訂正します。
 今までの私の感想、全てにおいて愛が足りませんでした。
 この第1話の設定を見ずして、『コメットさん☆』は語れません。
 改めてここに宣言します。
 『コメットさん☆』はイイ!
 2話以降の九重佑三子のナレーションはまだない。

 星国の舞踏会、華やかに踊る人々の輪から離れて、暗い廊下を走り去る少女のシルエット。
 「姫様!」
 という呼び声だけが虚しく谺している。
 突然、向こうからも走ってくる少年の影。
 すれ違いざま、暗闇の中、輝く何かが宙を舞い、廊下に落ちる。
 少女に目もくれず走り去る影。
 落ちた「輝き」に白く細い指が伸びる。
 振り返る少女に初めて光が当たって……。
 そして、オープニングソングのタイトル。
 「輝き」が宙に浮かぶ。
 「コメットさーん!」
 「はーい!」

 静謐の中の緊張、光と影のコントラスト、まさしくこれは一編の詩、いっぺんの映画!
 なによりヒロインの少女をここまで美しく登場させた例がこれまでにあったろうか! 演出によっぽど自信がないと、ヒロインを真正面から捉えずに、「見返り」で初登場させる(しかもやや俯瞰のアングルで!)なんてとんでもないこと、やれるもんじゃないぞ!

 ああ、もう、ディテールの一つ一つまで全部解説したくなるくらい「演出」っつーのはこうやるんだ! と誉めそやしたくなるんだが、そうもいかない。
 ともかくキモだきゃ書くぞ!

 『コメットさん☆』のあらすじはもう、たいていの人がご存知だろう。
 地球に逃げて行ったタンバリン星国の王子を追って、やってきたコメット、けれど実は王子様なんてどうでもいい、お母さんがかつて素敵な思い出を作ったという地球への憧れ……。
 ただそれだけのためにコメットは鎌倉の街に降り立つ。
 けれど、コメットは地球で散々な目に逢う。
 食べ物もない、住むところもない。
 雨に降られて公演のベンチで泣き濡れる。
 脚本と演出の凄さは、ここでも最大限に発揮される。
 おカネがなくて食べ物も買えないコメット。
 昔のアニメだったら、「カネもないやつにものは売れねえな!」と怒鳴らせるところだ。ちょっとした行為でも「善悪」をハッキリさせたいつもりかもしれないが、考えてみたらこんな不自然な、芝居がかったセリフはない。
 ところが、コメットにおカネがないと知った街の人たちは、ただ「困る」だけなのだ!
 街の人たちは、ごく普通の人たちだ。
 悪人であるわけもない。
 目の前に11、2歳の女の子がいて、おなかをすかしているようなら、かわいそうだと自然に思う。
 かと言って、5、6歳の子供ならともかく、ある程度大きくなってる少女に、食べ物をおごってやるほどの親切は普通、しない。
 ただ、「困る」だけで。
 うわあ、すごいよすごい、この人間洞察力! 
 紋切り型でない、こんなリアルな描写をやっていたとは!
 あのねアンタ、こんなん、『どれみ』が100話束になったってかなわん描写ですがな。
 この「リアルさ」、最終的にコメットを救うことになる藤吉家のママにも共通している。彼女がコメットさんを救ったのは、半ば子供たち、ツヨシくんとネネちゃんの懇願によるところが大きい。
 慈愛に満ちた人柄が設定されていながら、それでも初め沙也加ママはコメットさんを警戒し、いかにも家出少女っぽいこの子をどうしたらいいか、迷うのである。
 コメットさんが外人であること。
 ホームステイ先が見つからずに困っていること。
 「困ったさんは助けましょう」と日頃子供たちに教育していること。
 コメットさんのママと連絡がついて、ようやく責任の所在がはっきりしたこと。
 あくまで「お手伝いさん」として働いてもらうこと。
 これだけの事実を確認し、条件が整ってやっと、藤吉家はコメットさんを受け入れるのだ。
 ただのキレイゴトの愛情だけで行ってることではない。
 
 これだけリアルな設定でドラマを作るとは、いったい何者だと思ったら、脚本、元シンエイ動画で数々の藤子アニメを作ってきた、おけやあきらさんだったのだ。日常の中からファンタジックな非日常を描き出すことにかけちゃ、もうベテラン中のベテランではないの。
 つまりこれって、おけや版『チンプイ』だったんだね!
 ……オレ、ホントに今まで『コメットさん☆』の何を見てきたんだろう。

 特典映像で三代に渡る各コメットさんのインタビューを収録しているのだが、これがもう、普段の喋りが舌足らずで聞き取りにくいこと。
 大場久美子は「あのー」を「あにょー」と発音するし、前田亜季は「〜じゃないですかァ」と普段の喋りはホントにただのコギャルだ。
 それが本編となるとどうしたことか、二人とも声がはっきりと涼やかに聞こえるのだから、あれはやはり演技力なのだ。
 うう、やはりDVDで見返すといろいろ発見があるよう。高かったけど買った甲斐があったよう。オタクにはブックレットのあさりよしとおの解説および脚本家インタビューが読めていいぞ。皮肉を込めないあさりさんの文章が読めるって、『コメットさん☆』に関してだけではなかろうか。


 アニメ『サイボーグ009』第19話「悪の化石」。
 原作の「ディノニクス編」のほぼ忠実なアニメ化……のはずなんだけれど、こ、これは今までで最低、最悪の出来!
 いくらなんでも、全編外注とバンクだけで一本作るかあ!?
 どれだけヒドイって、007がヒマラヤの雪男に変身するシーン、SEが「ポン!」と音を立ててるのに、007の絵はバンクなので、変身してない。
 ……DVDのリテイクで、本編を作る余裕がなかったのかなあ。
 これはさすがに、発売する時はほぼ全編、作画しなおしだろう。
 このままで売ったりしたら、買い手が暴動起こしちゃうぞ。
 来週の「ああ、クビクロ編」は結構動いてるなあ。
 とりあえず来週一回はなんとか持つってところか。次でまた崩れるだろうけど。


 夜は「一番カルビ」で食事の予定だったが、予想外に混んでいて、しかも「30分待ちです」なんて軽く定員さんに言われちゃったもんだから、ちょっと腹を立てて、ちかくの「浜勝」で、食事。
 どっちにしろカロリー高いぞ、控えなくていいのか。
 でもここでも結局20分待たされた。
 麦飯にとろろで何杯でもご飯がイケる。


 しげ、腰が痛いとかで、本当は映画を見に行く予定だったが中止。
 おかげで最近は見たい映画も見られずに終わることが増えている。
 ああ、『ジェボーダンの獣』ももうすぐ終わっちゃうなあ、結局、見られずじまいか。
 実は私の体調の悪化より、しげのワガママのせいで映画見られないことの方が多い。
 そのくせあとで「あ〜あ、見られんかった」とかブチブチ文句言うのがしげに腹の立つところである。
 もう、いつかヒマ見てひとりで映画に行っちゃおっかなあ。


 夜、ちょっとだけチャット。
 某サイトにおいては、私はまあ何やら謎の文章を書いたりもしているのだが、意外なことに結構読者の方がいて、面白がってくれているようなのである。
 根が単純なので、誉められるとそのまんま素直に受け取って嬉しくなる。おかげで筆が進む。
 もし貶されてても、「なにクソ!」とまた筆が進む。
 結局、“書く”ことが好きなんだよなあ、私。
 楽しんでいただけてるようでありがたいこってす。
 私はある理由でとっても辛いんですが(^_^;)。

 
 マンガ、夏目義徳『トガリ』7巻(小学館・410円)。
 どうやらあと1巻で終わり……ってのは「打ちきり」と考えていいんだろうな。
 トウベエが、全部の「咎」を集めきれずに終わるのか、『どろろ』みたいに一気に現れるのか分らないけど、終わることはどうもこの7巻あたりから予告されてたんだろう。
 せっかく登場させたばかりの「EX」のメンバーをどんどん殺している。……連載が続くんだったら、生かしといて再登場させたところだろうけど。
 ああ、でも結構面白かったのにありきたりな結末に落ち付きそうな気配だなあ。心の中の「悪」も飲み込んで一つの統合された人格になる……ってビリー・ミリガンか。
 でも絵は、華がないわりにだいぶ安定してきていて、もう一息でバケてくれるかもなあ、程度にはうまくなってきている。とりあえず最終巻に期待。


 尾田栄一郎『ワンピース RED』(集英社・600円)。
 ……ああ、コミックスサイズだったから新刊と間違えて買っちまった。
 キャラクターブックだったか。
 あ、でも『ロマンスドーン』が読めたからいいか。
 『ワンピース』第1話の原型作品ってことだけど、マンガとしての演出技術は、その第1話のほうが格段に上達している。
 とゆーか、アレが尾田さんの頂点だってのが淋しいんだよな。
 『ダ・ヴィンチ』の読者評がちょうど『ワンピース』だったけど、やっぱり「最近のは面白くない」って意見が多いんである。完全に『ドラゴンボール』の悪いパターンにはまっちゃったな。尾田さん、今のうちにキチンと貯金しといて、連載終わったあとに備えといた方がよくないか。あるいはイラストレイターに転向するとか。
 マジで考えといた方がいいと思うがなあ。

2001年02月24日(土) それはせんせい/アニメDVD『エクセルサーガ』への13巻(完結)ほか



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