無責任賛歌
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2001年11月28日(水) |
ひと月早いぞ誕生日/DVD『キカイダー01』第1巻/『マジンカイザー』2巻ほか |
体調は(っつーか、主に腹具合なんだけどさ)今んとこ小康状態。 日記の更新がずいぶん遅れているので、なんとか片付けたいのだが、オタアミ前後のことはあまりにネタが多すぎて、何を書いて置くべきか、結構迷ってしまうのだ。 何度かこの日記にも書いていることだが、私は「面白いことを書こう」とは思っていない。それどころか、「いかにつまらないことを書こうか」と迷いながら書いてるんである。 朝起きて歯を磨いた、実はこれだけ書いても「日記」は成立しちゃうんである。ただし、「歯を磨いた」という行為だけを書いても実は意味がない。 その人が使ってる歯磨き粉はなにか。どんな味がするか。ハブラシは何か。ハブラシはタテに使うかヨコに使うか。一回のハミガキにかける時間はどれくらいか。 そんなできるだけ瑣末な、どーでもいいように思えることを書き残しておくことこそが大切なのだ。百年後の人間、千年後、一万年後の人間にも「歯を磨く」という習慣は残っているかもしれない。しかし、21世紀人と比較すれば、それはトンデモナイ変貌を遂げているんなじゃなかろうか。 だって、今から百年前には、私たちが使ってるような「練りハミガキ」なんてものだってなかったんだもの。たいていの人は歯を磨くのに「塩」を使っていた。それで充分だったのだ。 だから、今、我々が使っているものや習慣、当たり前だと思って見逃していること、これを書いておくことの方が実は後世の人たちにとってはとても大切なことだったりするのだ。 AIQのエロの冒険者さんの日記を私は毎回楽しみにして読んでいるのだが、一番スバラシイと本気で思ってるのは、あの一連の「ウ○コ」の描写なのだ。……下らないと言うことなかれ。継続は力なり。あれを書けるのは(書こうなんてことを思いつくのは)日本広しといえどもエロさん一人であろう。 広瀬正の『もの』を思い出していただきたい。「こんなありふれたもの」と記録することを怠っていると、我々は、日本は「フジヤマゲイシャの国」、アメリカは「ヤンキーの国」、中国は……おっとっと(^_^;)。……てな、ステロタイプな姿でしかその時代が見えなくなってしまいかねないのである。
高橋葉介のマンガに『たった一人の日本人』ってのがある。 なぜか地球上から、たった一人を残して日本人が絶滅してしまう。日本人は最後の一人ということで希少動物扱い。憤懣やる方ない日本人は悲鳴を上げるが、ほかの地球人たちは、そんな彼の叫び声に耳を傾けようとさえしない。 最後に、地球上からそのたった一人の日本人を残して、地球人全員が滅亡してしまい、その一人残った「地球人」は宇宙人に命を助けられる。その瞬間、その「地球人」は気付くのだ。地球の歴史は全てその「日本人」の手で「創作する」ことができるのだ、ということに。
何が言いたいか、賢明なる読者諸兄にはもう、おわかりであろう。 もし、私が「ハブラシは横に引いて使うのが正しい」と書き、「そんなつまんないことなんか誰が書くか」とみんなが「ハブラシの使い方」について誰一人書き残さなかったとしたら、私が書き残した文章が、ハブラシについての唯一の文献、つまりスタンダードになっちゃうのである。 いや、別に唯一でなくとも構わない。 この時代、一番美味いラーメンは何か。 それについては、いろんな人がいろんな意見を書き残しているだろう。その意味では一人一人の情報としての重要性は低いように思える。しかし、そのデータを分析しようと本気で考える人間が後世現われたとしたら、ちょっとした意見でも、「傾向」を調べるための貴重なデータの一つとなるのである。
情報に優劣を付けてはならない。 しかし一回に書くことの出来る文章の量と時間は限られている。 私が苦労しているのは、どんな基準をもってしても、「どちらの情報の方を選択すべきか」の決定的な根拠にはなりえないというじじつがあるからなのだ。 ……オタアミのネタ、まだまだカットしたもの多いんだよなあ。もったいないよなあ。
なんだか世間ではウィルスが大流行らしい。 「エンピツ」の日記を覗いても、知り合いや有名人のサイトを覗いてみても、「ウイルスメールが来たよー」という話題がしきり。 以前私のサイトを襲ったウイルスメールはどうも私個人を狙った可能性が高かった(一日の間に何10通も連続して来たのである)。しかし今度はどうやら不特定多数。 話によると、クリスマスが近くなったり、お正月が近くなったりするとウイルスメールが流行るんだそうだが、これってまんま「他人の幸せがニクイ」パターンのような気がするがどうだろうか。
私「謎の添付ファイルが送られて来たけど、どうすりゃいいの?」 しげ「削除しなよ」 私「どうやって削除すんだよ」 しげ、ムッとした顔で添付ファイルをゴミ箱に入れ、削除する。こんなん自分でやれよって顔だ。 今のところ実害はなくてすんでるし、私自身はそれほど痛痒も感じちゃいないんだが、しげをイライラさせただけでも、犯人の意図(まあ愉快犯だってことは間違いないことだろう)は果たせたことであろう。
職場近くの「ボナペティ」という総菜屋でおかずを買う。ヤキソバ・かつとじ・肉じゃがコロッケなどなど。 ウチに持って帰って食べる時間はないので、車の中で二人で食べる。何となくピクニック気分になるのか、しげは結構喜んでいる。 いや、なぜそんなに慌てているかというと、今週末から始まる映画のチケットを博多駅のチケツトぴあまで買いに行くつもりだからだ。仕事が長引いたりしたらあっという間に店が閉まっちゃうので慌てているのである。 慌てすぎたんだろうか、しげ、おかずの入った袋の底を押さえながら、 「汁がこぼれた汁がこぼれた」 と、オロオロしている。 かつとじみたいな、つゆだくなものを買うからだ。ピクニックなら、つゆものは避けるのが常識じゃんか。
博多駅のデイトスで買ったチケットは、『おいしい生活』『ピストルオペラ』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の三本。 『ハリー・ポッター』もホントは買いたかったのだが、キャナルシティの分は売りきれ。直接キャナルまで行かないと売ってないらしい。しかも、まだここで扱っているトリアスなどのチケットは既に写真印刷のものが売りきれていて、コンピュータの券売機のもの。こりゃ相当ヒットしそうな気配だ。 帰りにメトロ書店にちょっと寄る。 本を物色していて、ふと気がつくとしげの姿が見えない。 どこへ行ったか、あのフーテン女が、と慌てて本屋から外に出たところに、しげが向こうから、ニヤニヤしながら歩いてくるのに出くわした。 「どこうろついてんだよ。また迷子になってたのかよ」 しげ、「プレゼント」と言って、いきなり紙袋を渡す。 「……なんだよこれ」 「開けてみて」 「開けてみないよ」 「……つまんないよう。開けてみてよう」 開けないとそこで泣くか踊りだすかしそうだったので、仕方なく中身を見る。 「……あ、サイフか」 そう言えば、今、私が使っているサイフ、チャックが緩んでバカになっていたのだ。 「うれしくない?」 「いや、うれしいけど」 「うれしそうな顔してない」 「もとからこんな顔だ。悪いか。それよりなんでいきなりこんなものを?」 「……誕生日のプレゼント」 「オイ、オレの誕生日、今月末だぞ。早過ぎるじゃん」 「いいんだよ、当日は忘れてるから」 「……」 「それと結婚記念日のプレゼントも兼ねてるから」 「……ただの手抜きじゃんかよ!」 喜んでいいのか悪いのか(+_+)。
しげが、「オレの日記なんか誰が読んでんだ」とかブツブツ文句を言っている。 相変わらず暗号で書いてるんで、解読するのに骨が折れるが、意外とこういうの、面白がってるヒトも多いんじゃないか。 今日の日記も読み解くのにちょっと時間がかかる。だんだん、主語も目的語も省略されて、俳句よりも短くなってきているのだ。
で。(「出」らしい。「出かけた」と言うことか) ね。(「寝」かな。昼はずっと寝ていたってことだろう) 雪、バカ。(「雪」は私のことだろう。なぜ私に悪態をついているのか、理由は謎だ) む化。(「ムカツク」か? だからなんで怒ってるんだよう) 置かず。(「おかず」を買った、と言うことだろう) 駅再府県。(「博多駅で、サイフと、映画の券を買った」ということらしい。いくらなんでも省略し過ぎじゃ) 痴愚と。(「仕事」らしい) 巨いく。(「新人教育をする」ことらしい)
一緒に暮らしてる私にまで分らないことも増えてきたなあ。
DVD『マジンカイザー』2巻。 第1巻でたいがいの有名機械獣はつかっちゃったと思ってたけど、まだキングダンX10やアブドラU3とかが残ってたか。でもホントに見せ場もなくどんどんコワしていくなあ。たとえヤラレメカでも大事に使わないと、ドラマ自体が死ぬぞ。 Zを失った甲児が新たにカイザーに乗り込むって展開になるのはわかる。けれど前巻のラストで、カイザーのあまりのエネルギーに堪えきれず、甲児は気絶してしまい、カイザーは暴走したはずだ。 なのに、今回は特に特訓してカラダを鍛えたわけでもないのに、甲児は「効きやがるぜ!」とヒトコトで済ましてカイザーを乗りこなしてしまうのだ。いくらなんでもこりゃ簡単過ぎるんじゃないか。 でも、Zもグレートも、原作同様、手をもがれ、カラダを貫かれて、まるで血しぶきのように油を飛ばす、その描写は今見ても充分ショッキングだ。 特に、今回四肢を裂かれるのはアフロダイA。メカなのにメカなのにメカなのにセクシーだよぉぉぉうぉぉぉう。 設定は変われど、基本的なストーリーラインや部分部分での描写は原作に忠実。これはやはり『マジンカイザー』という新たなブランドを作る必要があったとしても、最も永井豪マインド、マジンガースピリッツを反映した映像化ではないか。 ラストで、傷ついた剣鉄也と炎ジュンはシリーズからリタイア。 ということは、今後はZもグレートも出てこない、カイザーだけが機械獣軍団と戦い続けるってことなんだな。 そして次巻はついにアレが出る。原作ファンよ狂喜せよ、初めて映像化されるぞ、ガミア三姉妹が! あらゆるものを切り裂く金髪を持つ、美しき殺人アンドロイド、ガミアQ1・Q2・Q3。兜甲児の命をギリギリまで追いつめたあしゅら男爵の娘たち。旧テレビシリーズじゃ、ただの機械獣にされてたけれど、原作の『マジンガーZ』中、最も人気の高かった名キャラクターだ。 まさか生きてるうちにあの艶やかな姿を見られることになろうとはなあ。まさに感涙。 今回、「片目のつぶれた」兜十造(声・納谷悟朗!)もちゃんと映像化したのだ。多分、シリーズが進むにつれて、ブロッケン伯爵もピグマン子爵も登場してくる可能性が高い。 いや、今まで一度も映像化されなかった機械獣ドグラマグラや、マジンガー軍団、そして原作通りのドナウα1や美しきローレライ、フォン・シュトロハイム博士も登場するかもしれないのだ。 多少、シナリオがいい加減でも、こりゃもう期待しちゃうからな、オレは!
DVD『キカイダー01』第1巻。 わっ、たった25分間しかないぞ。 前の『キカイダー』が全12話、6巻だったから、てっきり全4巻なら8話だと思うじゃないの。 それが25分って……わあ、のっけからアーマゲドン・ゴッドの発動だ。もうビジンダーが出てきた。シャドウナイト、たった1巻で退場かよ。するってえと何か、たった100分の中に、あと、OOもザダムもワルダーもガッタイガーも出してくのかよ。普通の感覚じゃ出来るこっちゃないぞ。 ……よっぽど前のキカイダー、売れなかったんだろうなあ。シリーズが中断する危険もあったのを、監督を変え、巻数を少なくすることでやっとGOサインが出たんじゃないかなあ。 まあ前作は地味っちゃ地味だったし、テコ入れも仕方ないことなのかもしれないけど、私は好きだったぞ。 特に母親を出したとこなんか(原作には回想シーンにチラッとしか出て来ない)。 どちらかと言えばゆったりしたイメージのあった前作に比べて、ハイスピードな印象のある今シリーズ(おかげで作画もザツだ)、その路線変更があまり吉とは出ない気もするけど、ファンは見守っていくしかないのがもどかしいなあ。 ……オイ、予告編もついてないよ! ホントに大丈夫なのか?!
2000年11月28日(火) 〆切はゴムのように延びる(^o^)/『蟲師』1巻(漆原友紀)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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