無責任賛歌
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2001年11月27日(火) |
癒されたいの?(-_-;)/DVD『ウルトラQ』6・7巻/『ギャラクシー・クエスト』 |
体調は昨日からぐずつき気味。 外は小雨で鬱陶しい。 溜まっている仕事をチビチビと片付けながら、自分でもココロが病んで来ているなあ、と自覚する。 自分で言いたいことではないが、私の仕事ぶりは決して有能だとは言えない。かと言って、自ら無能だと言いたくないのは、私の基準値から言えば明らかに「無能」と言いたくなる同僚が、自分はいかにも有能という顔をしてふんぞり返っていたりしてるからだ。 あ、これ、別に「私の方が有能なのにキィ、悔しい」とか、自分にプライドがあってそう言ってるわけじゃなくて、ウチの職場、たとえ謙遜ででも冷静な判断であっても「オレって無能だなあ」なんてことを口にしようものなら、確実に引きずり降ろされかねないところだからなんですね。いやあ、砂漠のような人間関係(^^)。 だからみんな有能なフリをする。 マジメにマジメに仕事をして、キレイごとだけ言っていて、仕事にアソビ心を持ちこもうなんてもってのほか。そのくせ、一朝コトあらば責任を取らないように取らないようにと立ちまわる。 なんだかなあ、ホントにドクター・スミスかネズミ男ばかりが跳梁跋扈してるとこなのな。 でも、そんな余裕のない環境じゃ、当然のように職場になんとなーくギスギスした感じが漂ってくる。 いつもだったらねえ、私も「まあなんとかならあ」みたいな感じで悠長に構えてるんだけどさあ、体調が悪いときだと、とてもそのムードに抗しきれなくってねえ。つい巻きこまれちゃって、どんどん気分がずーんと落ちこんでくるのよ。 ぼ〜っとして仕事が進まない、トイレに篭るとどうもウ○コのキレが悪くていつまでも出てこられなくなる、まあ、壁に白い虫が這ってるのが見えたりこそしないものの、これはちょっとなにか気分転換をしないとマズいなあ、という感じになってきているのだ。
で、なにげなしに、こないだ見返してたLD『火宅』のパンフレットを職場に持ってきていてね(なぜ持って来ていたかはヒミツだ)、それを同僚の女性に見られたのよ。 「あ、……これ……」 その人はウチの職場では珍しく、キレイ事をあまり言わないほうなんで、まあ、会話をするのはつらくはないんだけれども、こういう気分が落ちついてないときは、「これ、なーに?」程度の質問でも返事するのが億劫になっちゃってるんだよね。 正直言って、なに聞かれても返事したくないなあ、てな気分だったんだけれども。 「有久さん、川本喜八郎が好きなんですか?」 一瞬、アタマん中に風が吹きぬけたのを感じたね。 ちょっと間が開いて、思わず上ずった声をあげちゃった。 「は、はい、大好きです!」 「私も、『火宅』、好きなんですよ。上映会があった時にわざわざ見に行って……」 やっぱり、ココロが病んでいるなあ、と感じたのは、その瞬間、ちょっと泣きたくなってしまったからだ。 あのさあ、“川本喜八郎”って名前が、職場の同僚との会話ん中で交わされることがあるなんてこれっぽっちも期待してなかったからねえ。そりゃ、アニメ関係で「名前知らない」なんて言ってたら、「お前はそれでもアニメファンか」って言われるくらいメジャーな名前だけどさ、世間一般の人で、たとえ『三国志』や『平家物語』見てた人だって、スッと川本さんの名前なんて出て来ないんだよ。 アンタ、私が15歳若くて独身で、向こうも独身だったら、絶対デートに誘ってるよ。オタクはちょっとでもオタク的知識を共有する人間に出会っちゃうとすぐ、舞い上がってしまうのだ。……私以外にも身近に実例をいくらでも挙げられる気がするがあえて言うまい(^^)。 残念ながら相手も既婚であった。ちっ。 仕事中だし、その程度の会話しかしなかったが、それだけで気分が高揚してしまうのだから、私のメンタリティーはやはり相当単純にできあがっているようなのである。
その同僚の女性、そのあと、別件でなにか気に入らないことでもあったのか、いきなり、「ぶりぶりざえもん」と呟いた。 私が思わず「ぶりぶりざえもんがどうかしましたか」と聞いたら、「……そういうのは聞き流してください」と照れられる。 「いや、私も好きですよ、『ぶりぶりざえもん』」 「私は強いものの味方だ」×2 ……ここでハモるか(^o^)。 この程度で、気分がスッと晴れちゃうのだから、アニメの力は偉大だ。 いや、相変わらず、咳は頻繁に出てるんだけども。
ウチの近所に相次いでできている焼肉屋、先日からしげに行きたい行きたいとねだられていたのだが、仕事帰りの迎えの車の中で、しげが「腹減った腹減った肉食いたい肉食いたい」といつものピーチクを始めたので、そのうちの一軒を覗いてみることにする。 本屋に寄ったあと、目的の「一番カルビ」到着。 ……なんだありゃ。 小雨が降ってるってのに、店の前に4、5人の店員がノボリを持ってチャンピオンフラッグのようにぶん回している。 「えらっさいまっせー! えらっさいまっせー!」 ……呼びこみかい! しかし、いくらなんでも気が入りすぎてないか。 細い補導を占拠してるものだから、よけて通ろうと思ったら、車道に思いっきりはみ出すか、そのまま店に入るしかないぞ。 「ここね、開店後一週間くらいはすごかったらしいってよ」 「スゴイ感じはするけど……どうすごかったの」 「半額セールやってたんで、満席状態がずっと続いたって」 そりゃ、店がすごいんじゃなくて、客がすごいんじゃないか。狂牛病騒ぎのせいか、安い輸入肉に、今まで飢えてたチマタの人間が群がってったらしいな。 しげは肉は好きだが混雑は大嫌いなので(だから私が誘っても居酒屋のたぐいには絶対に入らない。劇団やAIQや職場の宴会のときだけが例外)、開店当初は来たがらなかったのだ。
店内は全て座敷席だが、テーブルの下がホリになっていて、足が投げ出せる。コレだけでもしげのポイントは高い。 正直言って、食欲はあまりなかったのだが、しげの「肉肉肉肉肉肉肉ぅぅぅぅぅぅ!」という言葉を毎日聞くのも面倒クサイので、食う覚悟を決めて、ロースにカルビにハラミにホルモンと頼みまくる。 と言っても、赤身は殆どしげの腹の中に収まる仕組みになっているのだ。私はおもにホルモン専門。脂身が多いとハラに持たれるので徹底的に焼く。脂が落ちてぼうっと燃えるところにサッと野菜を乗せてこれもキャベツがシナシナになるまで焼く。しげは焼き野菜を一切食べないので、野菜だけは食い放題だ。 赤身の肉も一つ二つは味見程度につまむ。ハラミが特にソフトで、多少焼きすぎていても、柔らかさを失っておらずウマイ。どうやらコレがこの店の目玉のようだ。 しげ、デザートにアイスクリームみたいなのを頼むが、焼肉と一緒にそんなの食べたら、覿面に腹を壊しちゃうんだよなあ。 腹コワしてでも好きなものを食いたいという、本能に対する忠実さは、ある意味感心するんだけどよう。 たらふく食って、二人で三千円程度。まあまあ良心的な店と言えようか。
もちろん、風邪引いててこんな暴食をしていたら(っつーほどでもないが)、胃に来るのは確実で、帰るなりトイレでげろげろ今食ったばかりのホルモンを戻す。 ……よし、ダイエット完了。 って、こんな生活繰り返してたら、確実に命縮むな(^_^;)。
DVD『ウルトラQ』6・7巻(完結)。 仕事の関係で、『あけてくれ!』に登場した天本英世さんにお会いした時、「『ウルトラQ』の思い出は?」とお聞きしたことがあるが、「もう覚えてないよ。一杯そんなのに出てたんだから」と言うことだった。 『デビルマン』の『妖獣ゴッド』と並んで、この「再放送の時だけ流れた」エピソードについては、実際に見た人間が少なく、当時の子供たちの間でも、「そんな話はない」いや「あった」、とケンカになったものだったが、もちろん私は見ていて、頑固に「ある」を唱えて、「ない」派のガキ大将に殴られていた。 今思い返すと、そこでオタクとオタクでない人間が区分けされていたような気がする(ホントかよ)。 なんにせよ、『あけてくれ!』は、そういった経過もあって、子供のころは全話中、最も好きなエピソードだった。
今ベスト5を選ぶと、必ずしもこれをベスト1に持って来るのか迷うのだが、完結記念に現在の私のフェイバリット5を挙げておこう。 1、『バルンガ』青野平義の奈良丸博士の演技は120点! 2、『悪魔っ子』子供の目ってどうしてこんなに怖いんだろう。DVDの映像で見ると恐怖は倍増! 3、『あけてくれ!』実は、淳と由利子の恋が描かれる唯一と言っていいエピソード。多分、これが『エヴァ』の列車シーンのルーツ。 4、『カネゴンの繭』昔嫌いで、今、好きになったエピソードとしては最たるもの。テーマソング聞いただけで泣くし。中川晴之助監督の少年を見る目はどれも優しい。 5、『1/8計画』。最後の1本はどれを入れるか迷った。今でも通じるSFの代表作と言うことでチョイス。でも、どうして由利子はこんな妄想を見たんだろうか。そっちの方が謎だ。
映像特典の最新インタビュー、佐原健二・西條康彦・桜井浩子の三氏は、当然おトシを召しておられて、すっかり括舌も悪くなっているのだが、「『ウルトラQ』が今も生きている」と断言してくださっているのは嬉しい限りだ。
DVD『ギャラクシー・クエスト』。 おおお! 特典の未公開映像が一杯! 劇場で見た時、シガニー・ウィーバーの前チャックはいつから半開きになってたんだろうと思ってたんだが、こんな肝心なシーンをカットするとは! お子サマも見るかもとカットしたんじゃないかって穿った見方をするヒトがいるかもしれないけれど、他のカットシーンを見てもわかるが、これは単に上映時間の尺と、映画のリズムを考えたための措置であろう。 アタマの中で、未公開映像をもとのシーンにはめ込んで行けばわかるが、ギャグの質がかぶったり、間が空いたりして、そこで映画のリズムが途切れちゃうのである。 言い替えれば、映画として『ギャラクエ』が非常にスッキリとした出来になってるってことでもあるんだけれど、あまり「破」がないと、その映画はカルトにはなりえなかったりする。 見返して思ったのは、一同中のおミソの「ガイ」の出番を、もちっと増やしてうまく使えてたらよかったのにな、ということである。だってあいつだけキャラが立ってないんだから、艦長たちのように「役を演じなければならない」必然性ないんだもの。もっと自由に、ヤケな行動とらして、『宇宙家族ロビンソン』のドクター・スミスみたいな、半裏切り者的キャラにしたりしてたら面白かったのになあ、と思うんである。 日本語版の吹替えはまあ、悪くはないかな。 サーミアンの口調を声優さんたちも原音と似せて、「か゜ぁ〜んちょだけが、た゜ぁ〜よりです」なんて喋ってるのはなかなかウマイ。 ああ、しかし、ティム・アレンに誰の声を持ってくるかと思ってたら、艦長は艦長でも、ブライト艦長だったとは(^o^)。いや、いい加減な感じが結構ハマってるんだけどね。ちょっと『パトレイバー』の時の内海さんみたいな雰囲気もあるし。 だったら、シガニー・ウィーバーには小山茉美じゃなくて、白石冬美を持ってきてほしかったな。……んじゃ、アラン・リックマンは玄田哲章か井上真紀夫かい。……もう、このネタのわかるヒトも少なくなってきたなあ。
2000年11月27日(月) 活字の本が読み進まない/『カスミ伝△(さんかく)』1巻(唐沢なをき)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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