無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年10月01日(月) 貴公子の死/ドラマ『仮面ライダーアギトスペシャル』/『終着駅殺人事件』ほか

 オタアミ当日まであと54日!

 また朝っぱらからエロゲーをしているしげ。
 何でも某穂稀嬢から借りてきたらしい。
 しかし、ウチの劇団、どうしてこうエロゲーマー率が高いのか。しかもやってるの、ほとんどが女ばかりだ。
 「エヘへ、ねえちゃん、そこで四つんばいになって、おばさんに○○○見せてみい」って、そんな気分でゲームしてるのか。


 練習場に行ってないので、アミーゴスのチラシがどのくらいハケているか、しげに聞く。
 少し減ってるよ、ということなので、また来週あたり追加で置いておこうかと考えているが、だいたいあの練習場を使っている人々は演劇関係、音楽関係がほとんどなのである。
 さて、どのくらい興味を持つ人間が現われることか。


 今日は仕事を少し早引けして、医者に薬をもらいに行く。
 ついカレーなんか作っちゃったものだから、どうにも腹が重い。また体重が戻りかけてるのかなあ。でも怖くて体重計に乗れない。もともと舞台に立つ気でいたからカロリーコントロールもせねばと思っていたので、今となっては以前ほどの意欲は湧かないのだ。
 でもせっかく落ちた体重をどうしたら維持できるのか。
 しげに合わせて食事作ってたら、どうにもならないのである。
 と言い訳してるが、結局は私の意志が弱いのに違いはない。今日も、医者の帰りに腹が減っちまって、ついラーメンを食う。
 いやね、一応ね、大盛りとかチャーシュー入りとかもあったけど、それは控えたんですよ。ラーメン一杯だけ。それだけです。
 でも、それでもカロリーがバカ高なのは知ってんだよ。
 ……こりゃ痩せんのも当然か(-_-;)。


 古今亭志ん朝師匠、肝臓ガンのために死去。享年63歳。
 63歳という歳は常識的には若死になんだろうが、あの志ん朝師匠が還暦越えてたってのが、なんだかピンと来ない。
 新聞には「落語界のプリンス」って見出しで紹介されてるが、実際そのキャッチフレーズが相応しくて、若々しいイメージしか私にはなかった。
 もう若い人は『平成狸合戦ぽんぽこ』のナレーションくらいでしか志ん朝師匠を知らない人も多いのだろう。
 あれも若い頃の師匠の口跡を知ってるものとしては、なんだか気の抜けた、張りのないシロモノだったのだが。
 志ん朝師匠に説教臭いナレーションは似合わない。
 「これぞ法月弦之丞!」……NHK金曜時代劇、吉川英治原作の伝奇ものの代表作(『バガボンド』より十倍は面白いぞ)『鳴門秘帖』のナレーションを担当していたのが志ん朝師匠。このキメのセリフと若き日の田村正和のニヒルな演技が相俟って、あのシリーズは稀代の名編となったのであった。
 『新八犬伝』の坂本九と並んで、時代もののナレーションの白眉だと思ってるんだが、どうせNHKのアホウはこのビデオも消し腐ってやがるんだろうな。

 「この人はうまい」。
 誰もがそう評価する落語家はそう多くない。
 昭和40年代、志ん朝師匠は明らかに天下を取っていた。
 こう言うと多分、「談志はどうなんだ」と仰る方がいるだろうが、もちろん談志師匠のうまさに異論を唱えるつもりはない。
 ただ、あのアクの強さにはどうしても客によっては好き嫌いが生じる。
 たとえば、ウチの父も母も、根っからの落語好きでありながら、談志は一切認めようとしなかった。私が「談志ってうまいね」と言ったら、母なんか「あんなもの」と吐き捨てるように言ってたし。
 母が認めてた落語家は二人しかいない。
 志ん朝と小朝だ。
 おばさんキラーだったしねえ、二人とも。


 昨日の作り置きのカレー、具がなくなってるよう、追加して作ってとうるさいしげ。
 具がなくなったのは当然しげが食いまくったせいなのであるが、その自覚はないようである。
 「明日は作ってね」って、どうして自分で作ろうって気になれないかな。
 「だってアンタが作ったほうがうまいんだもん」などと言うが、それは自分の腕を上達させることを放棄してるからなんだよなあ。


 『仮面ライダーアギトスペシャル』。
 こういうスペシャルものにはやはり再生怪人軍団を出してほしいものだがそうはいかないらしい。
 ゲストは京本政樹、息子がアギトになり、そのことに堪えきれず自殺してしまったのを止められなかったことを今でも悔いている。
 だから翔一の力になりたいと思う展開なのだが、結局は本編に絡んでこないから、あってもなくてもいいキャラなんだよな。
 最近、本編のほうではすっかり人間が丸くなったカ感のある北条さん、今回は「オレはエリート」全開で楽しいこと楽しいこと。
 「あなたたちはいずれ私の前でひざまずくことになるのですよ、はっはっはっ」って、よくこんなセリフ今時書けたな、井上敏樹。
 ストーリーはこのスペシャルから映画版に続き、そして本編に戻るような流れらしいが、さて、新規の客もその流れでアギトにハマるようになっちゃうんだろうか。
 でも何となく「アギト」って新人類みたいで、「これ、ライダーじゃなくて『イナズマン』になってるじゃん」って言いたくなるんだけど。


 月曜ミステリー劇場・西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ23 第34回日本推理作家協会賞受賞作品『終着駅(ターミナル)殺人事件』。
 ……なげーよ、タイトルが(-_-;)。

 上野駅のトイレで発見された刺殺死体。
 彼は、青森の高校の同窓生たちと、七年ぶりに会い、列車旅行に参加する予定だった。
 警察は夜行列車に乗りこんだ同窓生6人を追うが、一人、また一人と彼らは列車内からその姿を消していく……。

 佐野洋が「オレの目の黒いうちは西村に協会賞はとらせん」と言ったとか言わなかったとか、確かにあれだけ乱作してたら、そう言われても仕方ないかなあ、とは思う。で、佐野洋が会長辞めた途端に協会賞を取っちゃったのがこの原作。
 ……功労賞とかよく待ったで賞って言ったほうがよくはないか。
 と言いつつ、実は原作まだ読んだことがない。
 これだけ作品自体が有名なら、それほどヘンな改変はしてないんじゃないかと思いはするが、さてどうだろうか。
 もし、このドラマが「原作通り」なら、ちょっと出来過ぎの偶然が多過ぎるよ、やっぱり。
 全く無関係に見えた者どうしが偶然出会い、事件に関係してくるっての、作者のほうは書きたがるんだろうけど、読者は別にそんなの喜んでないって。列車トリックもトリックといえるほどじゃないし。
 唯一誉めていいのは、動機が最後の最後で判明するあたりかな。……インチキギリギリの手だけど。
 でも役者はいい演技してます。
 土ワイの三橋達也・愛川欽也コンビの方はちょっと二人とも元気がなくなってきてる感があるので(とゆーか、もう作られてないのではないか)、渡瀬恒彦・伊東四朗のお二人にはもうちょっとがんばってほしいもんである。
 しかし、小田茜、凄みのある美人になったなあ。まさかあのエラ張ってるだけのほわほわした女の子がサスペンスもののヒロインになる日が来ようとはねえ。


 マンガ、高橋葉介『KUROKO 黒衣 ―くろこ―』4巻(完結/秋田書店・390円)。
 なんだなんだ、前作の『学校怪談』、もう単行本リストの中から消えてるぞ。絶版になっちゃったのか? まだ1年たってないってのに、見切りが早すぎらあ。昔は秋田書店は単行本をなかなか絶版にしないことで有名だったのに。
 4年以上続いたヒット作『学校怪談』ですらその始末なんだから、5巻行かずに終わっちゃった『黒衣』なんか、半年経たずして品切れになっちゃうんじゃないか。ヨースケファンは今のうちに買っておこう。
 一応最後のネタはどんでん返しのつもりなんだろうから隠しておくけど、『無限紳士冒険編』みたいなギャグで最後まで突っ走るかと思ったら、結構シリアスにうまくまとめた印象。
 今回の設定で一番立っていたキャラは、やはり囚われの姫、黄華(きっか)だろう。高橋さん自身は「クトゥルー神話をもとにした」と後書きで語っているが、実は設定は巷説の「件」、あるいは小松左京の『くだんのはは』の影響が濃い。何となくエヴァって感じもあるな。
 しかし、これで高橋さんが『チャンピオン』から撤退するようになったらイヤだなあ。一応どの週刊誌も一通り読むことにしてるんだが、これからは『ななか』しか読むものがなくなっちゃうし。

2000年10月01日(日) スランプと○○○の穴と香取慎吾と/映画『マルコヴィッチの穴』



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