無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年09月18日(火) 声だけ美少女/『スタジアム 虹の事件簿』(青井夏海)ほか

 しげと電話で会話したことがおありの方はどれだけいらっしゃるだろうか。
 いや、殆どいないってことは知ってるんだけどね。
 実は、職場関係者で、初めてウチに電話をかけた人などは、たいてい次の日に、「有久さんの奥さん、いったいおいくつなんですか?」なんて聞いてくるのである。
 私はそうは感じないのだが、メチャ若いらしいのだ、しげの声って。
 ……冗談ではなく、人によっては、しげが10代なのではないか、と、ムチャクチャ誤解してたりもするのである。
 いや、あのね、いくら私がロリ……ああ、いやいや、一般の人々よりは多少、うら若き乙女に対して微笑ましい眼差しをおくることがないわけではないと言っても、さすがに親子ほどもトシの離れた相手を妻にするほどの体力はないってば。
 第一、今年で結婚して丸10年になろうってのに、未だ10代だったら、結婚した時、しげはいったい何歳なんだよ。それこそ私が変態みたいじゃないか。
 ……でもまだ20代なんだよなあ(-_-;)。
 同年輩の連中に「くぬやろ、くぬやろ」と言われてしまうのも仕方がないと言えば仕方がない。立場が逆なら私もマジでそいつに蹴り入れてるだろうし。
 しかし、しげ本人も自分の声について、「ちょっと舌足らずかな」とか言ってるが、電話口では更に作り声でブッて、「あ、どうも初めまして♪」なんて喋るものだから、ますます誤解が増大していくのである。
 声だけでなく、「有久さんの奥さん、超美人説」が何度流布されたことか。
 ……実物を一目見れば、穴の空いた風船が、しゅしゅしゅしゅしゅ、と萎むようにそんな幻想は消えていくんだけどね。
 この天然ブリッコのしげが、知り合い相手になるってえとガラリと豹変してしまうのである。
 横柄、なんてもんじゃない、ナマイキ、エラソウ、アザワライ、電話の向こうの相手をせせら笑うかのように鼻で「フフン」と息をして、森羅万象を睥睨し「自分以外は全部ゴミ」的な態度を取るのである。

 今朝も私は、そのしげの「フフン」という鼻息で起こされてしまった。
 どうやら電話口の相手は鴉丸嬢らしい。
 内容は解らぬが、時折聞こえる来宮良子のプロメシュームが野沢雅子の星野鉄郎を嘲笑するような笑い声に、えらくムカついて目を覚まし、ふと枕もとの時計を見ると、午前3時。
 ……お前ら、いったいいつから話をしてるんだ。何の用事だか知らんが、しげの「悪代官笑い」から判断して、そうたいして深刻な話題ではあるまい。こっちは睡眠時間が限られてるんだよ、ちったあ、自分には家族がいるんだってことくらい、思いやる気持ちを持ってくれよう。o(ToT)o


 テロ事件以来ずっと閉鎖されていたニューヨーク株式市場が一週間ぶりに再開、予想通り売り注文が殺到して全面安の展開、下手すりゃ世界恐慌にもなりかねないとか。
 実はワタクシ、経済のことはチンプンカンプン、株なんてどんな仕組みになってるか皆目見当もつかない。
 ……死んだお袋は天性の山師で、あらゆる賭け事に通じ、本業の不振も株でカバーするくらいの才能があったんだがなあ。どうやらそっちのほうの血は、全く継いでないらしい。
 親父は株でン百万くらいスッてるらしいから、そっちの方の血だろうな。
 どっちにしろ株に手を出したことは生まれてこのかた、一回もないし、この先手を出す可能性も多分ない。私の心の中では、株だろうがなんだろうが、「経済に関わる=賭け事」という図式が出来あがっちゃってるのだ。
 宝くじ買ったことすらないってのは自分でも面白味のない人生送ってるなあ、とは思うが、そういうヤツなんで、訪問販売、宗教の勧誘の類は、一切受け付けないと思います。そのへん、悪しからず。
 日本での一万円割れがどーのってのも、自分の生活にどう関わっていくか解らないでいるってのに、今度の件がどう世界経済に影響していくのかなんてハラホロヒレハレである。
 あの、間違ってたらごめん、要するに、業績不振を見越して手持ちの株価が下がる前に売っちまおうって連中が大挙したってことなんだよね? ……解釈、それで合ってる?
 でもその「株売り」自体が経済破綻を起こすってんでしょ? それ、「自業自得」ってんじゃないの? と言うか、世界の企業って、もともと自分だけ助かりたいって船から逃げ出すネズミみたいな連中が支えてたってことなの?
 それじゃ、「経済機構」そのものが豆腐の上に立ててるビルみたいなもんじゃないの。
 なんつーかねー、WTCビルがもろくも崩れ去っちゃったってのがいかにも世界経済の正体を露呈しちゃったみたいで、こんな象徴的過ぎるのって、あまりにも出来の悪いコメディーみたいでアホラシイんだけど。

 テロの影響で、あちこちで「自粛」ムードが高まっちゃって、実際にアーノルド・シュワルツェネッガーの新作映画なんかが公開延期になっちゃったりしてるそうである。
 筋はテロリストに復讐する話らしいから、かえって公開した方が「戦意昂揚」になってよさそうなもんだが(^o^)。
 WOWOWを見ていると、番組変更のお知らせが連発していて、『乱気流 ファイナル・ミッション』『マーシャル・ロー』『バック・ドラフト』なんかが軒並み「都合により」放送中止だと。
 いや、放送中止するならするで、その「都合」ってのを説明しないのはなぜなの? 「米国のテロ事件の被害者のご心情を鑑み」とか堂々と言えばいいではないの。やましいことがあるわけじゃないんでしょ? それともあるの?
 まあ、説明できるわきゃないよね〜。本当はこんな自粛、なんの意味もないことを映画関係者もみんな知っているんだから。
 なのにどこからどう抗議が来るかわからんということで初めからビビって、「臭いモノにフタ」してるだけなのだよ。
 『バック・ドラフト』を放映中止するなら、新宿の火事が起きた時点でなぜやらなかったのよ。結局、アメリカに阿ってるだけじゃん。
 この事件が春に起こっていたら、『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』も公開中止になってたんだろうと思うと頭痛がしてくるよ。というか、ビデオの発売が相当遅れちゃうんだろうなあ。……はああ(´o`;)。
 そんなことしてテロが防げるわけでもないのに、どうして映画界にはこうバカが多いかね。


 仕事から帰ってみると、しげは留守。
 どうやら鴉丸嬢とどこかに遊びに出かけたらしいのだが、さて、汗を流そうかと風呂のフタを開けて湯船を覗いてみてギョギョギョッとした(楳図かずおかい)。中がとんでもなくヒドイことになっているのだ。
 お湯は白濁し、カエルの卵のような濁った水泡がブクブクと浮かんでおり、その泡に絡みつくように何十本もの髪の毛がザラリと広がっている。
 しげが湯船の中で髪を洗ったのだ。
 ……いや、いいよ、外は寒かったのかもしれないし、湯船の中で髪洗っても。
 だったら最後にお湯を流していかんかい(`m´#)!
 私は男が女よりも先に風呂に入るべきだなんてこれっぽっちも考えちゃいないが、「ホントにキタナイ」場合は別だぞ。
 しげはトイレや風呂の掃除なんて、この数年、全くやってないのだ。
 ……テメエの垢ぐらいテメエで落とせや。


 テレビ『ジャングルはいつもハレのちグゥ』第25話『恐怖! 人情鬼ごっこ』見る。
 もう、サブタイトルからしてふざけまくっとるなあ。何しろグゥが鬼ごっこしながら、ホントに人間を次々食ってくって話だし。どこに人情があるのだ(^_^;)。
 この『人情なんたら』ってタイトル、時代劇(特に市井物)のタイトルなんかによく使われてるんだけど(山中貞雄の映画『人情紙風船』とか、山本周五郎の小説『人情裏長屋』とかが有名)、そんなん子供にわかるパロディじゃないってば。で、あまつさえその上に「恐怖!」なんてつけるかよ。
 視聴者もこのアニメ見て笑ってるんだろうけど(あるいはポカンとしてるか)、それ以上にスタッフが視聴者を笑ってるよなあ。
 ……非道なアニメだ。ε=(^u^)プッ。
 で、今回ついにハレはウェダの母さん、つまりおばあちゃんに出会う。
 かつて家を出た娘になにもしてやれなかった自分を責めるおばあちゃん。自分が孫だってことを言い出せないハレ。なんとか母と娘の絆を取り戻せないかと思い……。
 来週が最終回なんで、「泣き」の芝居で落とすつもりなのかなあ、でもそれじゃあグゥの出番も少なくなるばかりで、どんどんつまんなくなっちゃうぞ、と心配してたんだが。
 予告編を見てぶっ飛んだ。
 『ニュータイプ』の予告じゃ、最終話のサブタイトル、『おかえり』になってるんだよね。なのに実際に出たタイトルは『おしまい・おしまい』。
 しかも都会からジャングルに帰る話じゃなくて、あの原作者のオタク度爆発の「巨大ロボット」もの(笑)。
 「いろいろあったよなあ、ハレが×××したり」
 「……大冒険!?」
 何のことか解らんだろうが、それは来週のお楽しみというヤツである。
 いや、これで落とすかよ横手美智子(笑)。根性あるぞ水島努。
 DVDを予約したのは間違いではなかった。さあ、来週の『ハレグゥ』は必見だぞ、全国のオタク諸君!


 青井夏海『スタジアム 虹の事件簿』(創元推理文庫・650円)。
 これがデビュー作の青井夏海、どういう人だかよく解らない。別にどういう人でもないのかもしれないが、なんとこの作品、自費出版されたものの文庫化である。
 つまり、賞をとったとか、そういう肩書き付きでデビューしたわけではなく、「こんな面白いミステリがある」とネットなどを通じて口コミであちこちに伝わって、ついに創元の戸川安宣編集長の目に留まったというわけだ。
 帯には新保博久キョージュの推薦文でこう書いてある。
 「本書を次のような方にお薦めします。
 北村薫『空飛ぶ馬』
 天藤真『鈍い球音』
 都筑道夫『退職刑事』シリーズ
 泡坂妻夫『奇術探偵曾我佳城全集』
 が好きでたまらない人に。」
 こりゃ、随分ぶち上げたもんだなあ、と思って、ノボリを高く上げすぎるってのもかえって期待倒れに終わってマズイんじゃないかと思っていたのだが。
 いや、確かに、これは上質のミステリだ。一読して「女性版泡坂妻夫」の惹句が思い浮かんだくらいで、ミステリの仕掛けどころをよく知っている。
 探偵役は、パ・リーグ(パラダイス・リーグなんだって)の万年最下位チーム、東海レインボーズの新オーナーにおさまった、岡田斗司夫さん以上の野球オンチ(笑)虹森多佳子。
 「ストライクゾーン? それはどこに付いているのですか?」
 「べつに印は付いていません」
 「まあ、そうですの。わたくし、サッカーのゴールのように、何か目印が立ててあるのかと思いました」
 どこに立てるんだよ。ピッチャーとキャッチャーの間にワクでも立てとくんかい(^_^;)。
 ところが、この「野球オンチ」ゆえに、彼女はスタジアムで起こった事件を次々と解決していけるのだ。
 ミステリーでは、謎を解くきっかけが、その事件とは全く関係のないことからの連想によって与えられる、という描写がよくある。
 例えば、映画『犬神家の一族』で、石坂浩二の金田一耕助が、鏡の前に映ったミカンを見て、あのトリックに気がつくといったような例だ(実はそんな描写は原作にはない)。
 この方法、探偵が綿密なデータからではなく、ただの偶然に頼って謎を解くため、一般的には安易な解決法と取られがちなのだが、「読者に与えられるヒント」として機能している場合には全く問題がない。私たちがそのアナロジーに気づくかどうかが作者の仕掛けたトラップだからである。
 この手法を多用したのが泡坂妻夫だったわけだが、このタイミングの取り方が作者の青井さん、実にうまい。
 私も話テンポが小気味よく進んでいくので、この「ヒント」をつい見逃してしまうこともしばしばだった。
 なんたって、多佳子さんが「あのう……」といい出したときにはもう、「犯人、解っちゃて」いるんだからなあ。……『ケイゾク』かい(^^*) 。
 難を言えば、後半の話に行けば行くほど、多佳子さんの影が薄くなっていくことなのだが、作品と使用トリックの性格上、それはしかたがあるまい。
 どっちにしろ、これは久々のヒットだ。
 ……こうたろうくん、ようやく久しぶりに、お薦めできるミステリを見つけたよ。


 マンガ、青山剛昌『名探偵コナン』34巻(小学館・410円)。
 絵柄的に好きなほうなのになんでこんなに面白くないかなあ、『コナン』は。
 ……と思いながらもう34巻まで買ってるよ。
 面白くない原因の一つに最近やっと気づいたんだが、あれだけマンガチックな絵柄でありながら、主要キャラの表情が一様に乏しい、特に口のバリエーションが少なすぎるのである。
 極端な言い方をすれば、呟いてる口と笑ってる口の二つしかない。たまに怒ってる口を描くが、これが実にぎこちない。
 この作者、自分の作ったキャラの動かし方が解ってない……というか、顎を細くしたせいで、口の表情をつけにくくしてしまったのだ。それが証拠に、特に顎が小さく描かれているわけでもない脇キャラのほうが、よっぽど表情が豊かになっている。
 マンガよりアニメのほうがまだ見られるのは、アニメーターのほうが原作者よりもよっぽどあのキャラに表情をつけることがうまいおかげだろう。……蘭の表情、たまにゾクっとくるしな。特に毎回のエンディングとか。
 いつもトリックのアラばっかり見つけて文句をつけてるから、たまには絵柄のことでも注文をつけてみたが、だからって今回の収録事件にアラがないわけではない。
 まあねー、小学生向けのマンガだから仕方がないのかもしれないけどねー、犯人がなんでわざわざ足がつくと解ってるような珍しいナイフで人を殺すかねー。最近はもう、マトモに推理しようって感じで読まなくなってんだよ。データそのものがデタラメだから。
 『コナン』を名乗るんなら、「与えられたデータが間違っていれば、正しい答えは導き出せない」って「初歩の初歩」の論理くらいは守ってもらいたいもんだけどねー。

2000年09月18日(月) ゴキブリと音痴娘と構造記憶と/『僕らは虚空に夜を視る』(上遠野浩平)ほか



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