無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年08月25日(土) 夢は宇宙/『なつのロケット』(あさりよしとお)ほか

 久しぶりに夜更かししたので、起きたのは朝9時。
 朝はたいてい食欲がなく、入院前は朝食を取らないことも多かったのだが、「ぜひ取ってください」とお達しを受けているので、オニギリと牛乳だけの軽めの食事。
 薬も飲まねばならんのでしゃあないか。
 しげはまだ寝ている。昨夜は私より早寝をして、10時には寝たはずなのに、まだ寝るか。……というか、夕方までずっと寝てたぞ。
 入院中も相当自堕落な生活送ってやがったな、こいつ。

 テレビを点けた途端、ニュースがいきなり「逮捕された稲垣吾郎は……」と来たもんで、思わず目が点に。
 いしだ壱成のアレがあったもんだから、てっきり連座でもしたのかと思ったら、「駐車違反を女性警察官に咎められ逃げ出そうとして逮捕」だと。
 本人は「ファンに気づかれ、慌てた」と言い訳してるそうだけど、アイドルともなると、キップ切られるのも経歴に傷がつくなんて考えちゃうのかねえ。
 この程度のことで慌てるってことは、こりゃウラでもっと派手なことやってるな(^▽^笑)。
 当面、仕事は自粛するんだろうけれど、まあ数ヶ月のもんだろう。
 でも稲垣がとっ捕まったってことは、土曜ワイドの明智小五郎シリーズ、しばらく制作は無理だよなあ。せっかく、最近の明智モノの中じゃ、アホの長坂秀佳のシナリオであるにもかかわらず(笑)、意外にもハイレベルのものになってたっていうのに(ただし、原作を相当改変してあるので、純粋な乱歩ファンには顰蹙買ってるだろう。なんたって明智が探偵じゃなくて「作家」ってことになってるし)。
 これまでの制作ペースでいくなら、来年の三月くらいに第3弾が放映される予定だったはずなのだ。果たして撮影には入っていたのかいなかったのか。これまで乱歩の「本格もの」だけに拘って映像化してきているので、次は『何者』あたりやってくれないかなあ、と期待してたんだがなあ。
 ……しかし稲垣逮捕で土曜ワイドの心配してるやつなんてあまりいないだろうなあ(^.^;)。


 ニッセイのお姉さんが来るはずなので、待機しながらネットを覗く。
 あちこちの日記、フォーラムなど、ざっと見るが、とても書き込みをするほどの余裕はない。それより早いとこ日記書かねばなあ。
 この日記もしばらく間が空いているので、読者も減っただろうなあと思っていたら、お気に入りに入れてくださった方がちょっとだけ増えている。
 まことに嬉しいやら有り難いやらではあるが、いつもいつも首を捻るのは、いったいどういう興味を持って読んで頂いているのだろうかってことなんだよねえ。
 エロの冒険者さんがやはり日記で「どうか足跡を残してください」とか、「同人誌の感想をぜひ書いて下さい」と仰っているお気持ち、痛いほどわかるのだが、さて、逆の立場になって見るってえと、やはり面識のない人のところにいきなり書き込みをしたりメールを送ったりってのはちょいと憚れちゃうものなのである。
 だいたい、私のようにホンの些細なコトでも針小棒大に膨らませてなんのかんのと書き連ねるような「書きこみマニア」(んな言葉あるんかい)ならともかく、ふつ〜、人は本を読んだってテレビ見たって、「おもしろーい」「つまんなーい」以外のことはあまり考えないものだろう。
 それをアナタ、いきなり「書きこみしてね♪」ってお願いしたって、すんなりじゃあ「こんにちは」って、かけるものでもないよねえ。2ちゃんねるのような完全匿名掲示板ならともかく、例えハンドルネームを使っていても、記名での書き込みにはやはり「文責」というものが生まれると我々は考えてしまうのである(これが『陰陽師』で言うところの「呪」であるね)。たいしたことが書けるわけでもないし、なんて考えてると、どうしたって気後れしちゃうんだよなあ。

 それでも何か書いてもらおうと思ったら、ともかく読む人に対して、「これは私も意見を述べねば!」と強く思わせるようなことを書くしかないのだな。それこそ石原里紗のように、反発、誹謗中傷覚悟の上で「専業主婦は社会のゴミ、夫の家畜」と“本気で”言いきるだけの度胸がなきゃムズカシイのである。当たり障りのないことや、ごくマットウな意見に対して、人はいちいち反応を返して来たりはしない。
 ……でもなあ、だからってあまり奇を衒ったようなことだって書きたくはないのだよなあ。例えば石原里紗より更にカゲキに「何言ってんの、女は専業主婦も働く主婦も所詮、未来永劫、男の家畜よ。Ψ(`∀´)Ψ ケッケッケッ」とか言ったっていいのだが、そんなコト言ったらねえ、ご意見どころか、実生活で周囲のご婦人方に総スカン食らっちゃいますがな。
 いや、その程度じゃすまないな、多分(^_^;)。

 あ、今のはあくまで「たとえ」ですからね。私ゃ、女性のことを「家畜」だなんて決して思っちゃいませんからね。ましてや「社会のダニ」だの「男に食らいつくパラサイト」だの「万年ヒステリーの更年期障害」だの「顔がブ○なら性格はもっとド○ス」だなんて、カケラだって思っちゃいませんからね。

 全ての女性は男の天使でマドンナです。
 そうですとも。


 ニッセイのお姉さん、昼前に来られて、申請書にハンコ押して帰る。
 5分で用件は終了、ご足労をおかけして申し訳ないことであった。
 入金は来週になるとか。
 「でももしかしたら2週間か3週間かかるかも」
 いや、そこまでかかっちゃうと、生活がちょっとキビシクなっちゃうんですけど。

 せっかくの休みでもあるし、AMCキャナルシティの映画タダ券もあるので、しげを誘うが、またいつもの「眠い、きつい、動きたくない」病(だから毎日10時間以上寝てるんじゃないよ)が起こり、映画は断念。
 けれど、予約しておいたDVDなども出ているはずだし、つい予約し忘れていたDVDもあり、今日あたり買っておかないと売り切れていそうなのである。
 で、一人で天神・博多駅を回ることにする。
 ……なんだか最近一人で行動することが増えたなあ。しげと生活時間帯が完全にズレちゃってるから仕方ないんだけど。
 実は結構寂しい気分も味わっているのだが、しげから「私と一緒じゃなくて寂しい?」と聞かれると、つい、「別に」と答えてしまうのだ。
 しかも無表情で。ヤなやつだよな、私。
 しげは不満だろうが、だからって私が「ううーん、しげっちが側にいてくれなきゃイヤーンイヤーン(T.T )( T.T)」(c.ルーキー新一)みたいな反応したらそっちのほうがずっと困らんか。


 天神コアの福家書店と紀伊國屋書店で、マンガ、文庫本をどっと買い込み。
 アクロス福岡の「MK」で、780円のしゃぶしゃぶランチを注文し、早速ようやく買えたマンガ、あさりよしとおの『なつのロケット』を読む。

 最近、涙腺も弱くなってるか?

 子供のころ、誰でも一度は宇宙ロケットに乗って宇宙を駆け巡る夢を見たことはあるだろう。
 1969年、月にアポロ11号が到着した。
 人類初の月着陸。
 我々の世代の人間なら、誰もが諳んじているだろう。あの「これは小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」という言葉を。
 その偉大なる一歩を月面に残したニール・アームストロングとバズ・オルドリンの二人、彼らはあの時、単にアメリカの英雄であるだけでなく、人類の英雄だった。
 宇宙旅行は夢ではないのだと、あの当時の子供たちはみな本気で信じたはずだ。

 でも今の子供たちにとって、宇宙は多分、夢だ。
 人類がかつて月に行ったのだと言っても、信じない子供もいるかもしれない。
 毛利さん、向井さんが宇宙へ行っても、それは自分とは関係ないこと。カネを何億って積まない限りは、一般人が宇宙旅行するなんて、孫子の代になったって無理だろう、そう思ってるんじゃないだろうか。
 いや、宇宙に思いを馳せることすら、今の子供たちはしなくなっているんじゃないだろうか。

 日本のH2ロケットは、3年連続で打ち上げに失敗している。
 一度の打ち上げて、1200億の税金をチリにした宇宙開発事業団への風当たりは強い。
 あさりさんは何度もこのH2ロケットを取材し、失敗するたびに懸命の弁護をしてきた。それはあさりさんが我々と同じく、宇宙に憧れを抱いていた「ロケット少年」に他ならないからだ。
 日頃、シニカルな言動ばかりしてはいるが、だからこそ逆に、あさりさんは、世間ズレしきれない「コドモ」であるのだとも言える。
 「夢」はカネでは買えない。H2ロケットを打ち上げているのはカネではなく我々の「夢」なのだ。あさりさんはそう信じているに違いない。

 だからこのマンガを描いたのだ。

 大好きな先生が学校を辞めてしまう。
 受験勉強なんて本当の勉強じゃない。もっと楽しいこと、机の上ではできないこと、みんなが夢を持てること、そんな本当の勉強を教えてくれた先生だった。
 でも、そんな先生だから辞めさせられた。
 爆発実験なんてことを教室でやっちゃったからだ。

 大好きな先生が学校を辞める。
 その前に、先生から教えてもらった知識で、ロケットを飛ばそう。
 先生がいなくなる、この夏の間に、きっと。
 子供たちはそう考え、実行する。
 それも、ただのロケットじゃない。
 空気圧で飛ぶようなオモチャなんかじゃない。
 ぼくたちが作るのは、ホンモノのロケットだ。
 そう、ぼくたちが目指すのは……。

 宇宙。

 僕らはみんな泣くだろう。子供たちの勇気と知恵に。
 彼らは、かつての僕らだからだ。
 でも、1970年以降に生まれた人にも泣いてほしいのだ。
 この本は、僕らの世代の子供たちが、今の、そして未来の子供たちに永遠に送り続けるタイムカプセルの中の手紙なのだから。

 あさりさんは、今年のSF大会で、酔っ払って暴れたという。
 私生活で苦しいことがあったと、いろいろな人が書いている。
 けれどオタクが酔うほどにツライことといったら、それは一つしかないはずだ。
 オタクとしての「夢」を傷つけられたこと、壊されたこと。
 「動機はともかく罪は罪」なんて道学者みたいなことは言いたくない。あさりさんは我々と同じオタクなのだ。
 あさりさんが夢を取り戻すことを願う。心から。

 なんだかねえ、しゃぶしゃぶ食いながら泣いてちゃどうにもみっともないんで、グッと涙をこらえたら、気分がだんだん悪くなってきてさ、いや、ホント、吐き気がしてきちゃったのよ。
 単にしゃぶしゃぶの肉が充分煮えてなかっただけかもしれないけれど(^_^;)。


 ベスト電器、LIMBでDVD『ウルトラQ』vol.4ほかを購入。
 『ジャングルはいつもハレのちグゥ』の第1巻も出てるはずだったが、店員さんに聞いてみたら売り切れ。『エンジェリックレイヤー』とか『アルジュナ』はまだ売れ残ってるってのに、さすが福岡のオタクどもは見る目が違うか。まあ、生産の絶対数が少なかっただけかもしれないけどね。
 多分、再入荷があるだろうから、それを待とうかね。
 『OH! スーパーミルクちゃん』の4巻以降も探してみたがない。こちらのほうは発売後かなり時間が経っているので、入荷をただ待つってわけにもいくまい。こうなると注文するしかないが、来月以降も買いたいDVDは目白押しなので、ちょっと待つことに。

 帰宅して、しげに唐揚げを作ってやる。
 昨日、料理店で食べたものより美味いと言ってくれるが、お世辞でなくホントの話。自分で食べてもちゃんと美味しかったのだ。
 唐揚げ粉を水でなく、牛乳で溶くのがコツ。もともと唐揚げ粉には胡椒が混じっているのだが、こうすると粉っぽさが無くなって、味がまろやかになる。卵を混ぜるという手もあるが、生憎しげが卵を買い置きしてなかったので牛乳のみ。
 私は2、3個つまんだだけでやめたが、しげは仕事から帰っても食べる、と言って、半分以上残して冷蔵庫に片付ける。
 ああ、でもしげがマトモに仕事ができるんだったら、私、仕事辞めて専業主夫になって毎日料理作ってても構わないんだがなあ。ヒモって呼ばれる偏見なんか、私ゃ全然平気だし。

 DVD『ウルトラQ』vol.4、今回収録の4話、『ガラダマ』『東京氷河期』『カネゴンの繭』『ガラモンの逆襲』。
 『ガラダマ』、唐沢なをきさんが以前、「隕石のことを『ガラダマ』って呼ぶ地域ってホントにあるのか」って書いてたことがあるけど、やっぱりこれ創作じゃないかなあ。隕石が落ちた「弓ヶ谷」、GOOGLEで検索してみたけど『ウルトラQ』関連でしかヒットしなかった。やっぱり「ガラガラ音を立てて落ちてくる玉」ってのがネーミングの由来だと思う。で、「ガラモン」は「ガラダマモンスター」の略なんだろう。これは大伴昌司編集の『ウルトラ怪獣図解入門』か何かに書いてあったと思う。制作ナンバーが27となっているが、実際に撮影されたのは17番目。多分、一の谷博士役の江川宇礼雄の最後の出演作だ。
 実際の放映は、制作された作品をバラバラにして順不同で流したために気づかれにくいが、2クール以降、一の谷博士はレギュラーから外れているのである。
 やっぱり博士としては「怪し過ぎる」からだろうな。
 で、『ガラモンの逆襲』の方では、代わりに平田昭彦が博士役にあたる花沢主任を演じることになったわけだ。平田ファンの私としては最初っからこのシリーズはずっと平田さんでいってほしかったなあなんて思ったりもするのである。
 『東京氷河期』、江戸川由利子が一番可愛い一編。『地底超特急西へ』もそうだけど、子供と絡むと桜井浩子はとっても可愛くなるのだ。って、どこを見てるんだ、ちゃんとペギラを見ろよって。
 『カネゴンの繭』、オタクアミーゴス会議室でもロトさんこと氷川竜介氏が「加根田金男の声をアテてるの誰だっけ?」と疑問を呈されていたが、子役の名が辻沢敏ってのは判るんだけど、声はどこかで聞いたことがあるようでいて、誰なのか思いつかない。ロトさん、松金よね子じゃないかと言われてるが、違うと思うなあ。
 最後のカネゴンの声をアテてるのは、やっぱり変身前の浜田寅彦と野村昭子なんだろうか。この辺もちょっとハッキリしない。
 しかし、子供のころは「巨大怪獣が出て来ない」ってことであまり好きじゃなかったこの作品、今見返すと全編ナンセンスギャグの塊で面白い。やっぱりオトナになると見方が変わるものなんだなあ。
 『ガラモンの逆襲』、今や「貞子」のじいちゃん、沼田曜一がゲスト。チンピラヤクザとかでよく出てたよなあ、この人。
 パンフに宇宙人の名前がちゃんと「セミ人間」って書かれてるのが嬉しい。最近の怪獣図鑑だと、カッコつけて「チルソニア遊星人」なんて書かれちゃったりしてるものもあるのだ。『ウルトラQ』、一編のホラーだってことも忘れちゃいけない。ここはやっぱり「セミ人間」じゃなくちゃね。


 日記を書きながら、CSファミリー劇場で、『タッチ 背番号のないエース』『劇場版 アキハバラ電脳組 2011年の夏休み』『劇場版 機動戦艦ナデシコ THE PRINCE OF DARKNESS』と立て続けに見る。
 どれも既に見ているものだが、二度三度と見返して退屈するかしないかで、自分自身の趣味の傾向が見えてくるのである。で、この中で一番ハマって見ちゃったのが『タッチ』。
 ……いや、原作ファンの批判は多かろうが、やっぱりあのラスト、死んだ克也の代わりに達也がマウンドに立つって改変、映画としての完成度は高まったと思うぞ。ラストのセリフなんて原田の「悲しいぜ」の一言だけだし、抑制が効いてるよ。
 ああ、やっぱり私ゃ青春野郎なのか?

2000年08月25日(金) 唐沢本の感想書けなかったけど面白いぞ/『垂里冴子のお見合いと推理』(山口雅也)ほか



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