あふりかくじらノート
あふりかくじら



 追憶の夕暮れ。

哀しみのなかに生きているひとが
ほんとうにたくさんいるのだと知りました。

いえ、知っていたのだけれど
眼を閉じていました。

わたしは、いまこの地球の上にいて
この街がこんなに好きです。
故郷とかそういうものよりも、
安らぎと愛着と帰属を求められたら。

わたしは、こうして生きていきます。
誰かの哀しみのことを考えながら、
どちらかというと
わたしのなかのきれいな想い出のために
何より、生きている人間のために
わたしはその行為をします。

天気のいい日に、海と街がきれいに見渡せる
あの山に登ろうと思う。

もう、一年経ったから。


2001年04月11日(水)
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