世界征服日記…TITAN2


世界征服日記
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2007年03月31日(土):完治は
俺様の目の縁に出来た「腫れ物」を
MILETが子細に検分した。
どうやら破れたらしく、膿のようなものが
出てきているらしい。
「陛下、痛い?」
と言いながら、ティッシュで拭き取る。
痛くはなかったが
ちょっとだけ鬱陶しかったぞ。
「治るかなぁ…悪いものじゃないよねぇ」
MILET。俺様に聞いても分からないぞ。
俺様は医学に関しては素人だからな。
しかし、一つ言える。
悪いものじゃない「腫れ物」が存在するか?
命に関わるものだけが悪いものではないぞ。
俺様のカンが正しければ
この「腫れ物」はいずれ放っておいても治る。
だから、病院には行きたくないのだが。



2007年03月30日(金):許せん
イギリスからやってきた若い女性が
無惨に殺されたというニュースが
毎日新聞やテレビで報道されている。
どうやら犯人は若い男らしい。
被害者となった女性は
男にしつこく「英語を教えてくれ」と言われて
承知した。
まったくの善意で男の元を訪れた彼女を
その変態ヤローが襲ったのだというのなら
俺様はそのヤローを断じて許さない。
彼女は変態ヤローの犠牲になる為に
わざわざ日本までやってきたわけではない。



2007年03月29日(木):目の縁
目の縁に何か吹き出物が出来ているらしい。
MILETが盛んに俺様の目を確認しては
ため息をついていた。
「やっぱり病院で診て貰わなくちゃね」
俺様は何ともないことをアピールしたが
MILETには通じなかった。
何度も言うが、
別に怖いから病院に行きたくない訳ではないぞ。



2007年03月28日(水):恐怖の
「予防接種行かないとね」
満面の笑みを浮かべながら
MILETがそう言うのを、最近よく耳にする。
俺様ははっきり言って病院が嫌いだ。
あまり好きだという意見を聞いたことがないが
とにかく病院はイヤな思い出しかない。
注射が痛いとか、医者の使う器具が怖いとか
そう言う問題ではない。
あの場所には他の動物たちの臭いが充満すると共に
その恐怖の感情が染みついているのである。
そういったマイナスの気配に
俺様は敏感なのだ。
別に俺様は怖いわけではない。
その辺りは誤解しないで頂こう。



2007年03月27日(火):流行の
はっきり言ってむき出しにするのは勘弁願いたい
MILETの大根足。しかも、三浦大根どころか
桜島大根ほどの太さの大根足だ。
いや、桜島大根の方がスリムかもしれない。
そんな太すぎる足を
今日のMILETはむき出しにしていた。
今年の春から若い女性に流行るであろう
ホットパンツとやらをはいていたのである。
そんな格好をしてもちっともセクシーではなく
ひたすらみっともないので止めて貰いたかった。



2007年03月26日(月):桜の花
MILETの両親が花見に出かけたらしい。
本を読みながらまったりと過ごしていたMILETに
メールと写真が届いたので分かった。
「へぇ。珍しい」
MILETがそういいながら、写真を眺めた。
携帯の写真なのでよく見えなかったが
桜の花の下にMILETの母親が立っている写真だった。
「いつも花が咲いていないか、終わってから行くのにねぇ」
というMILET。
どうやらMILETの両親はちゃんとした花見を
したことがないらしい。
夜、そんな両親に電話をしていたMILET。
聞き耳を立てていると、
今年も花は咲ききっていなかったらしい。
写真に収めた桜の木は
たまたま花を咲かせていたというのである。
「今年は一緒にお花見に行こうね」
電話の後、MILETが俺様にそういった。



2007年03月25日(日):春の服
寒さもすっかり和らいで
日中ベッドの中に潜っていると
暑いほどとなった。
世の中の女性たちは
春物の服や鞄、靴や化粧品を
買いそろえているだろうか。
MILETは去年までに買った春夏の服を
冬服とその場所を入れ替えたようである。
「でもさー。こうすると寒くなるんだよねぇ」
ぶつぶついいながら衣替えを済ませていた。
俺様は一年中毛皮を着ているが
人間は毎日服を何度も変えたり
外出する時には靴を履いたりと
面倒臭そうだ。



2007年03月24日(土):ねだる
MILETが好きなゴディバのチョコレートが
残りわずかとなった。
毎日二粒ずつ食べていたらしいが
食べ続けていれば当然なくなるのが
食べ物である。
MILETは残り少なくなったチョコレートの箱を
薔薇職人に見せると
「あと、これしかないの」
と言った。
「もう、こんなに食べたのか」
と薔薇職人があきれて言うと
「毎日二つずつしか食べてないもん」
と答える。
つまり、もっと沢山買ってこい、あるいは
なくなりそうだから買ってこいと
言いたいのだ。
薔薇職人もそれが分かっているから、
今度の休みに買いに行こうと言っていた。
しかし、今度の休みがいつになることやら分からない。
MILETは渋々承知していたが
ねだるのであればもっとちゃんとねだるべきだ。
俺様はいつでもそうしているぞ。



2007年03月23日(金):外伝2
ーーーこれからかかれる内容は全てフィクションである。
登場する人物、団体等は実在するものをモデルにしているが
あくまでも「参考程度」であるーーーー
「天猫八部(てんびょうはちぶ):
第二集 天山童猫(てんざんどうびょう)」
TITAN2が天下一の武芸者になるべく修練を積んでいた同じ
頃、北宋の西の果て猫猫峰(びょうびょうほう)霊猫宮(りょうびょうきゅう)で
珍事が持ち上がっていた。
霊猫宮の主は俗に天山童猫といわれている女怪で、彼女は常に敵を一手でしとめる
と言われていた。その性格は酷薄、非情、冷徹にして我が儘というもっぱらの噂で
ある。そんな童猫の配下に三十六島二十六洞の豪傑たちが集っていた。
「やれやれ。童猫に今度はどんな無理難題を押し付けられることか」
「俺なんか、この前は突然「ドリアンが食べたい」って言われたから、インドネシ
アまで行って買ってきたのに「私が食べたかったのはタイのドリアン。インドネシ
ア産じゃない」って言われて、突然ドリアンを投げつけられたよ」
「それぐらいならいいじゃないか。俺は「ハム丼が食べたい」っていうから、高級
な金華ハムで特級厨士に作らせたら「山中湖の古志路のハムじゃない」って、訳の
分からないことを言われた挙げ句に、俺の太ももをハムにするって刀で斬りつけら
れたぜ」
男たちは一斉にため息をついた。
「あの童猫にどんなに腹を立てても、俺たちは決して逆らえない。猫好きの俺たち
にとって、童猫の生死符は絶対に必要なんだ」
「ああ。生死符がなければ、決して猫に触ることが出来ないからな」
「ここに来るのは忌まわしいことだが、ここに来れば…こ、子猫たちに触ることが
出来るからな」
男たちは無類の猫好きである。だが、猫好きに共通している「猫を見ると無性に触
りたくなる」という病が高じて、猫に嫌われ続けていた。愛する猫を触れないむな
しさは耐え難く、天山童猫が渡す生死符でどうにか耐えているのである。
生死符とは猫好きが猫に触れるようになるものだが、その生死符を受けると三日三
晩は猫を触り続けなければ生きるに生きられず、死ぬに死ねない苦しみを味わうこ
とになるのだ。また、一度生死符を受けた体は、生死符の中毒となり、生死符の効
力が切れると途端に苦しい禁断症状に襲われるのである。
男たちがしきりに我が身を嘆いていた時である。不意に霊猫宮の入り口が開き、一
人の男がよろめき入ってきた。
男はみすぼらしい灰色の僧服をまとっている。みたところ、少林寺の僧侶のよう
だった。
「坊主、ここがどこだか知って入ってきたのか」
恫喝されて、僧侶は慌てて合掌をする。
「ここに来るように、あるご老人に言われたのです。私の名前はボブ。天山童猫様
にお目通りしたいのですが」
男たちはボブと名乗った僧侶の指に、宝石のはまった指輪を認めて色めきだった。
「その指輪、いったいどうしたのだ」
「これはご老人に頂きまして…あの、それも童猫様にお話ししなければ」
その時、銅鑼の音が響き渡り、済んだ女の声が呼ばわった。
「童猫様のおなりじゃ。皆のもの、控えるがよい」
男たちは一斉にひざまずく。ボブはどうしたものかと逡巡していた。正面を見る
と、巨大な石舞台のようなものがあり、その中央に皇帝が座るような立派な椅子が
据えられているのが見えた。やがて猫の声が辺り一面にこだまし、小さいのやら大
きいのやら、縞やら斑やらの沢山の猫たちが舞台に現れた。猫たちがそれぞれの序
列に従って座ると、小柄な女が猫たちに続いて現れる。男たちは女が出てきた途端
に、更に深々と平伏した。
「童猫様、生死符を賜りたく参上つかまつりました」
男たちの声が、唱和する。ボブはあっけにとられて、女を見た。女は猫たちに目を
細めていたが、ふと部屋を見回すとボブと目があった。
「お前。見慣れぬ顔じゃな。どこの誰じゃ?」
さほど大声とは思えないが、内力のこもった声には逆らえない響きがあった。ボブ
は合掌すると、鄭重に頭を下げる。
「私はボブ。少林寺の僧侶でございます。故あって、童猫様にお目通りしたく参り
ました」
「少林寺?少林寺の坊主めが、何しに参った」
童猫は膝に乗ってきた一匹の猫を撫でながら問うた。
「はい。実は梢揺派のご先輩に、この指輪を授かりまして…」
そこまで言いかけた時、突然風が巻き起こった。思わず目を閉じたボブの手を、誰
かが握っている。驚き目を開けると、いつの間にか童猫がボブの手を握っていた。
赤子の時に少林寺に拾われて以来、一度も女性に触ったことのなかったボブは驚き
慌てて手を引っ込めようとする。しかし、童猫は小さな体に似合わない強力でボブ
の手をしかと放さなかった。その目は大きく見開かれ、指輪に吸い付けられてい
る。
「坊主、こ、これを、無崖子(むがいし)を殺して奪ったのか?」
そういうと、火を吹かんばかりの強烈な目をボブに向けた。ボブは慌てて首を振
る。
「と、とんでもございません。私は仏門の弟子。人を殺すなど…。これはご先輩が
私に下さったのです。私に梢揺派の掌門になれ、とおっしゃって…それで…武功を
授けて下さいました」
ボブはそこまで言うと、喉をつまらせた。
「わが派では他人に武功を授けると、命がつきてしまう。お前、無崖子のデシに
なったのじゃな。ならば何故、無崖子を師匠と呼ばぬのじゃ。命がけで武功を授け
た恩人に、その言いぐさはあるまい」
童猫は骨も折れよとばかりに、ボブの腕をきつく握りしめた。小さな体に、どうし
てこれほどの力があるのか分からず、ボブは恐ろしさに汗が出る思いだった。


ーーーーー「梢揺派掌門」に続く



2007年03月22日(木):好敵手
今日はMILETと一緒に
フィギアスケートの男子シングルフリーと
世界水泳のシンクロナイズドスイミング
シングルフリーを見た。
フィギアもシンクロも
どちらも芸術性の高い競技である。
音楽との協調性や表情までもが
点数に響いてくるらしい。
フィギアは昔ほどそういうところがなくなったが。
シンクロではフランス人で「女神」と呼ばれている
デデュー選手が今大会に限っての復活。
その理由はロシア人選手イシェンコが
彼女に成り代わって「女王」と呼ばれることに
疑問を感じたかららしい。
「イシェンコのシンクロは私の求める
シンクロと大きくかけ離れている」
と思い、一度引退したものの復帰を果たした。
四ヶ月で体を元に戻し
更に新しい技を開発して演技に盛り込んできた。
凄まじいファイトだと思う。
そんなデデューに触発されたイシェンコも
苦手としていた表現力に磨きをかけた。
デデューは技術のイシェンコに対抗するため
今まで以上に技術力を磨いたらしい。
こうして切磋琢磨した二人の女性が
それぞれ素晴らしい演技を見せてくれた。
そしてデデューは前人未踏の3大会連続金メダルを
獲得した。
「これ以上は出来ない」
と言って、金メダル確定後に引退を改めて宣言。
実に素晴らしい引き際ではないだろうか。



2007年03月21日(水):昼と夜
春分の日である。
昼と夜が丁度二分される日だ。
この日を境に、毎日昼の方が長くなっていく。
一年で一番日が長い夏至まで
三ヶ月ほどとなった。
季節の移り変わりを
暢気に観察していられることに
幸せを感じられる季節である。



2007年03月20日(火):やっと
一週間ほど日記をさぼってしまった。
今日、まとめて書いたが
とても時間がかかってしまった。
やはり日記は毎日書かねばならない。
さて。
今日は地下鉄サリン事件から丁度12年。
俺様が生まれる前の事件だが
MILETに言わせると未曾有の混乱を
引き起こした事件だったらしい。
日本の安全神話が崩れた日とされている。
外国ではよく聞くテロが
日本でも行われたことに
人々は騒然としたそうだ。
二度と起こってはならない事件だ。
犠牲になった方々のご冥福を
心よりお祈り申し上げる。



2007年03月19日(月):さてと
毎日寒い日が続いている。
この寒さも、あっと3日、4日だそうだ。
そうなれば、桜も咲き出して
まさに世は春爛漫だ。
近所の沈丁花や梅の花が香ってくる。
我が家の小さな薔薇園の薔薇も
シュートを伸ばして
開花に備えている。
気の早い苗には、もう蕾が付いていた。
今年の冬は暖かだったので
冬中薔薇の花が咲いていたのだが
ちゃんと春にも咲いてくれそうである。



2007年03月18日(日):鬱々と
薔薇職人が寒いというのに
元気にツーリングへ出かけていった。
MILETと俺様はベッドに潜り込んで
MILETに言わせると「いちゃいちゃ」していた。
突然、MILETががばっと上体を起こした。
何ごとかと思えば、夢を見たらしい。
「夢で良かったよぉ」
と呟いて、また寝てしまった。
いったい、どんな夢を見たのだろうか。
俺様は気になって眠るどころではなくなった。



2007年03月17日(土):早起き
今日は土曜日である。
普段ならゆっくり寝ているMILETだが
何を思ったのか
5時頃から起き出していた。
どうやら寝苦しかったらしく
殆ど眠れなかったと見える。
青い顔をしているのにもかかわらず、
ネットで何かを調べていた。
それから「ヘンゼルとグレーテル」の楽譜を広げ
ドイツ語をぶつぶつ呟いている。
相変わらず、声は満足に出ていないが。



2007年03月16日(金):今度は
またまたMILETが我が儘を言い出した。
なんでも
「可愛いパジャマが欲しい!」
んだそうである。
薔薇職人は
「来月になったら買いに行こうね」
と言っていたのだが
MILETときたら
「それじゃ、遅いもん」
と口をとがらせていた。
いくつだ、お前は。
他にも布団カバーが欲しいだの
シーツが欲しいだの
ヴィヴィアン・ウエストウッドの鞄が欲しいだの
言いたい放題だったのだが
今度はパジャマか。
いいかげんにしろ、と突っぱねてはどうだ?
薔薇職人。
どうでもいいが、そんなドスのきいた声で
拗ねられてもちっとも可愛くなんかないぞ、MILET。



2007年03月15日(木):優しさ
最近MILETの声が出ない。
おかげで静かだ。
俺様に甘ったるい声で話しかけることもない。
だが、ここまで静かだと
帰って落ち着かない気分になる。
おかしなものである。
少しぐらいお喋りでも
だんまりよりは良いと言うことだろうか。
MILETが病気で寝たきり状態だった時も
一日中気分が塞いだものだ。
俺様はこうみえて、優しいのだ。



2007年03月14日(水):お返し
ホワイトデー。
バレンタインデーに何か貰ったのなら
この日にプレゼントをお返ししないといけないらしい。
勿論、日本では、の話だ。
韓国ではホワイトデーの他にも
ブラックデーというものがあるらしい。
なんでも「フリー」の男女が集まって
ジャージャー麺を食べる風習があるそうだ。
…ジャージャー麺が黒いので、
「ブラックデー」というわけか。



2007年03月13日(火):おやつ
世の中にはさまざまな通販がある。
MILETが利用しているのは「千趣会」で
独身時代から使っているらしい。
今現在、通販を利用していない日本人は
あまりいないのではないだろうか。
俺様の毎日の食事もネットで購入している。
最近MILETが購入したのは
オペラの楽譜だった。出版社から直に購入したのだ。
さて。そんなMILET。
今もっとも注目しているのは
北海道の洋菓子メーカーの「今月のおやつ」。
毎月箱に詰められた様々な種類の菓子が
手元に届くというものである。
先月も薔薇職人が
「15日過ぎたら注文して」
と言っていたのだが、二人ともすっかり忘れたらしい。
今月は注文するのだろうか。
ちなみにその菓子メーカーは「六花亭」だ。



2007年03月12日(月):発掘中
MILETが和室の押し入れを発掘している。
俺様も手伝ってやると申し出たのだが
「陛下は邪魔しないでよ」
と心外なことを言われた。
腹が立ったので、本当に邪魔してやったが。
何を探しているかと思えば
漫画本だった。
膨大な蔵書を誇っているのを何度も聞いたことがあるが
こんな所にまであったとは思わなかった。
同じ押し入れの天袋には
良く潜り込んでいて
そこに手塚治虫氏の漫画本が多数収容されているのは
知っていたのであるが。
ちなみにMILETの自慢は
「手塚作品だったら鉄腕アトムの愛蔵版全巻、
七色インコ全巻、海のトリトン全巻、リボンの騎士が
少女クラブ版と愛蔵版とあるし。少女クラブの方は文庫だけど。
あと三つ目が通るも全巻あるぞ」
だ、そうだ。



2007年03月11日(日):寒さが
昨日付けの日記はMILETが戯れに書いたものだ。
俺様には一切関係ないことを明記しておこう。
そのうち、気が向いたら続きを書くらしい。
どうせなら他のところでやって貰いたいものだ。
「陛下のことを格好良く書いてあげるから」
とか何とか言っていたが、
またもや無断で水牛嬢の名前を持ちだしている。
この場を借りて、俺様から謝罪申し上げる。
本当に、申し訳ない。
さて。
急に寒くなった。
暖冬に慣れた体にこの寒さは
かなり厳しいぞ。
まぁ、一度も寒くならずに「春本番」になるよりは
良いかもしれないけれども。
閉鎖を決めたスキー場に遅まきながら雪が降ったり
雪がなかったところに突然大雪が降って
表層雪崩を起こしたりと
自然は思うようにならないものである。



2007年03月10日(土):外伝1
ーーーこれからかかれる内容は全てフィクションである。
登場する人物、団体等は実在するものをモデルにしているが
あくまでも「参考程度」であるーーーー
「天猫八部(てんびょうはちぶ):
第一集 秘技・降猫十八掌(ひぎ・こうびょうじゅうはっしょう)」
TITAN2世は丐幇(かいほう)の幇主として、江湖にその名を
馳せていた。彼の人柄は細心でありながら豪快で義に篤く、仁を重んじていると
もっぱらの噂だった。
「丐幇は中華一の幇会。一番というのは大所帯だからではなく、常に仁義を尊び、
規律を重んじるからです。勿論幇主はそのことをよくご存じですわね」
丐幇の長老の一人、水牛が嫣然と微笑んだ。
彼女は女性でありながら、その人柄と優れた武功において並ぶものなしと言われた
英雄である。丐幇といういわゆる乞食集団にありながらも、その「女王然」とした
たたずまいに、心酔するものも多かった。
「俺様が何故、丐幇の幇主となったかおわかりか」
TITAN2は酒をぐびり、とどんぶりでやりながら問うた。TITAN2の酒量はまさに天
下無双。一人で甕を二、三個毎日空けるほどである。
「それは先代の幇主が是非に、と仰ったからでしょう。我ら長老たちも、むろん、
異論はございませんでしたが」
「うむ。だが、俺様の気性で人に言われたからといって快諾すると、水牛の姉上は
まことにお考えか?」
「そうは思いませなんだが…義を見てせざるはなんとやら、と申しますし」
水牛はTITAN2のどんぶりに酒をなみなみと注いだ。TITAN2は酒に目を落とすと、嘆
息する。
「俺様は武芸で天下を取ろうと思っているのだよ。そのためには、どうしても丐幇
の秘技である降猫十八掌を習得したかった。丐幇の幇主にのみ伝えられる一家相伝
の技だから、幇主になるしかなかった」
「でも、人心を集めておいでなのは事実ですわ」
慌てて水牛がそういうと、TITAN2はにやりと笑った。
「勿論、幇主となったからには丐幇の兄弟たちを第一に考えている。心配無用で
す」
水牛はほっとすると、自分も杯から酒を飲んだ。
今、江湖では武林一を決めようとする動きが盛んにあった。武芸の大家と言われて
いる者たちは、いずれも天下一になろうと躍起になっている。少林寺や天竜寺のよ
うな仏門にいる者たちはそういうことに興味がないが、そうでない者たちは我こそ
が天下一と思っているがその証を立てる機会をうがっていたのである。
そこへ帝が武道大会を開くという知らせが、江湖を席巻した。
もし、御前試合で勝ち進めば、誰はばからず天下一の名を名乗ることが出来る。そ
こで、武芸をするものはその修練に明け暮れていた。
TITAN2もその一人。彼には武芸の才能があり、歴代の誰よりも若い歳で丐幇の幇主
となったのを好機として秘技である降猫十八掌を修め、天下にその名をとどろかせ
ていた。
「御前試合には江湖の英雄豪傑たちが沢山集まってくるだろうな」
「おそらく、天山童猫(てんざんどうびょう)と呼ばれている謎の武芸者もくるで
しょうね」
「天山童猫か。おもしろい」
TITAN2はどんぶりの酒を一気に喉に流し込んだ。

次回「天山童猫」に続く…



2007年03月09日(金):今春は
暑さ寒さも彼岸までと言うが、
今年の春は彼岸を迎えるまでもなく
暖かくなった。
啓蟄を過ぎたことであるし、
もう寒い日はないのではないだろうか。
新聞によると今季の冬物は売れなくて
真冬の時期から春物がよく売れていたらしい。
寒がりのMILETも
セーターを着る時のインナーは半袖や
キャミソールだと言っていたな。
まぁ、どんなにお洒落に興味を持とうとも
外に全く出ないMILETにはもったいないので
買ってやる気にもなれないが。



2007年03月08日(木):惜しい
薔薇職人は「天龍八部」のDVDを見たかったらしい。
いつもよりも多少早く帰ってこられたので
レンタル店へ赴き、借りようとしたらしい。
ところが世の中には気の合う輩というのがいる者で
「天龍八部」全巻が貸し出し中だったそうだ。
そんなに何度も見たいのならば
いっそ買ってしまえばよいのに。
俺様はそう思ったが
「天龍八部」のDVDはBOXしかなく
高価なのだそうだ。
俺様が買ってやっても良いのだが
DVDにばかり熱中されても腹立たしいので
その提案は引っ込めることにした。



2007年03月07日(水):寒いか
天気予報では今日から寒くなると言うことだった。
寒くはなかったぞ。
どちらかといえば、暖かい一日だった。
天気は上々で2階にいる限りは
ほかほかと過ごすことが出来た。
といっても、俺様はベッドから出なかったが。
この時期はベッドで過ごすと決めているのだ。
「陛下も頑固ねぇ」
とMILETはあきれ顔で言った。
しゃべるな、MILET。
その声だとニューハーフ嬢みたいだぞ。



2007年03月06日(火):喉と胃
MILETが風邪をひいているらしい。
この時期は毎年花粉症の症状で苦しんでいるが
今年は風邪に倒れたまま
なかなか起きあがってこられないらしい。
喉が相当腫れ上がっているらしく
いつもは鼻にかかった甲高い声で話しかけるのに
ウーハーサラウンド並みの低音で
話しかけてくる。
気持ち悪いぞ、MILET。
それから胃が痛いと何度も訴えて
帰宅直後の薔薇職人を
薬屋まで走らせていた。
薔薇職人が貰ってきた風邪なので
おそらく超強力なのであろう。
俺様にはうつすなよ。



2007年03月05日(月):春の嵐
酷い天気になった。
気温は相変わらず高かったが、
風がすさまじく、また、雨の量も半端ではなかった。
台風並みに発達した低気圧が
日本列島を駆け抜けたらしい。
陋屋のある地域も「高波洪水警報」が出された。
この激しい天気はまさに嵐と言うにふさわしい。
春は荒れ狂う天気の季節でもあるのだろう。



2007年03月04日(日):20度
暑いではないか。
日中の気温は軽く20度を超えていたぞ。
部屋の中はおそらく25度を上待っていたはずだ。
そんな中、MILETと薔薇職人は
俺様を置いて山中湖へ出かけてしまった。
MILETは昨夜から酷い声になっていたのに。
俺様を暑い部屋に置いて出かけるとは。
なっとらん。
しかし、帰りに俺様の鰹節と
トイレの砂を買ってきたので
許してやろう。
それにしても、3月の初旬にこんな天気になるとは。
やはり地球がどうかしてしまっているのだろう。



2007年03月03日(土):祝い事
桃の節句である。
春の節句にふさわしく、
天候は晴れて非常に暖かな一日となった。
節句には必ずMILETの実家へ行くことになっている。
勿論、今年も出かけていった。
重陽の節句以外は、祝うのである。
今年、MILETの実家に集まったのは
俺様と薔薇職人とMILETだけだった。
いつもならMILETの兄やMILETの父親がいるのだが
両名ともいなかった。
俺様はちょっとばかり不満だったが
仕方あるまい。
MILETの母親が子供の頃の武勇伝を
聞かせてくれた。
俺様も負けないようにしなければなるまい。



2007年03月02日(金):暴れる
昨夜寝ていたら薔薇職人が激しい咳の発作を起こし
目が覚めた。
MILETも心配だったのだろう、起きて様子を伺っている。
俺様は目が覚めたら腹が減るたちで
MILETに早いが朝食を用意させようとした。
しかしMILETは頑として朝食を用意しようとしない。
「今食べたら太るでしょ。あと1時間待ちなさい」
と命令口調である。
MILETの心配は薔薇職人だけに向けられており
俺様は面白くなかった。
そこで憤懣をぶつけるべく
夜中であることを忘れて暴れてやった。
だが、薔薇職人の腹の上に飛び乗ったのは
やりすぎだったかも知れない。
MILETに捕まった俺様は
強烈なフェイスロックをかけられてしまった。
夜中に暴れたせいか、
朝はいつもよりも遅めに起きた。
MILETも眠れなかったらしく、
すっかり日が昇ってから起きていた。
ちょっとだけ、反省している。



2007年03月01日(木):通り魔
1999年に池袋で起こった通り魔殺人の
被告が心神喪失による無罪を主張している。
無差別に人を殺傷し
己の怒りのはけ口とした事件だったと
MILETが言っていた。
亡くなった被害者や体や心に怪我をした被害者は
この「心神喪失による無罪」という言葉を聞いて
どう感じたであろうか。
一、二審では死刑判決が出ている。
最高裁は上告棄却をするだろうか。
精神鑑定を要求している被告弁護側だが
精神鑑定は既に行われたはずだ。
その上で被告に死刑を言い渡したのだろう。
もし、死刑にならなかったとしても
こういう輩は一生を精神病院か刑務所の独房で
過ごして貰いたいものだ。
社会に対する害悪であるということは
心神喪失者であろうとそうでなかろうと
変わらないはずである。







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