1月も半ばを過ぎると、寒さも本番を迎える。 俺様の家には小さな庭がある。 …それこそ猫の額ほどの広さの…だが。 そこに、毎日丸まると肥え太った雀どもが エサを漁りにやってくる。 だが、MILETはけちな性分だから、当然雀のためにエサなど 用意していない。 隣の家が、餌付け台をしつらえているのだが、 そちらからやってくるようだ。 雀どもはやはり少々、おつむが足りないのか。 隣家と陋屋の区別がつかないと見える。 たまには雀を捕らえてみるのも楽しいかもしれないが、 俺様は寒いのがからきしだ。 この寒空の中、雀を追いかける気にはとうていなれない。 暖房の効いた屋内にいて、気まぐれに窓外の雀を眺める。 この方が、今の俺様には合っているようだ。
日溜まりにたむろっている雀を見るのは、 気晴らしにはもってこいである。 だが、それを捕らえようとする場合の代償は、 思っている以上に大きそうだ。
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