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■ カーネルサンダースによろしく【その1】
イサカに戻ってきてすぐにケンタッキー州はルイヴィルに行くことに。アメリカを離れるに当たって、仲良くしてくれた友達に挨拶と観光をかねて。 朝6時の飛行機に乗って何度降り立ったことか分からないアメリカ中西部のハブ空港デトロイトを経由して、ルイヴィル行きの飛行機にのる。今回イサカまで帰ってくる道のりがアクシデントが重なって実に30時間もかかってしまい、そのうえ、着いた途端に8時間もかけて部屋の明け渡し作業をしていたので、その疲れが残っているからか、飛行機の間中ずっと寝てしまう。 ルイヴィルについてみると熱気が。軽く南部がはいった土地柄なのか空港も陽気な感じがするし、そもそも飛行機に乗るからと羽織ったフリースが途端に邪魔になる。
空港で、レンタカーの手続きをしてとりあえずダウンタウンにあるホテルに向かう。なんと、車がナビ付のスバルはアウトバックの08年モデルじゃないですか。10年落ちのカムリとの差が嬉しい。なんか街を走って最初に気付いたのがクラシックカーが多いこと、多いこと。なにかイベントがあるからなんでしょうか?異様に多い。それともまさに「ケンタッキー」だからなのか?
友人はまだオフィスにいるとのことなので一人でホテルのレストランで遅めの昼食を採る。普通にチキンサンドウィッチで。家族連れで旅行中の人たちばかり。みな白人なのがアメリカの深部にやってきたことを思い起こさせる。大きなオハイオ川のほとりを眺めながらの昼食をとっていると、蒸気船が通り過ぎている。今は観光目的だろうけど、きっと100年前もほとんど同じ景色だったんだろう。
彼は5時過ぎにホテルに来るそうなのでまだ時間がある。というわけで、ケンタッキーダービー博物館に一人で行ってみることにする。アウトバック最新型のドライブを楽しもうじゃないかとおもったらすぐに着く。結構小さい街なのね。
ここがかの有名なケンタッキーダービーが開催されるところか。(あとでその友達から聞いたのだが、先月開催されていて、「マイケル=ジョーダンが来てたんだよ」と聞かされる)
併設された博物館を見て回ることにする。7ドルほど払って中を見てみる。ま、競馬の博物館だから「本物」を展示するにも限界があるんでしょう。(っていうか本物ってなんだ?)結構、説明系の展示が多かったがそれでもゲートとか、実物大がどんとあると面白いね。こうなっているのね・・・、と感心する。360度パドックの形をしたシアターで競馬が行われる一日のムービーを子供達と一緒に見る。多くのプロフェッショナルが支えるダービーといったテーマだろうか。なかなか迫力があった。
そのあと競馬場内の見学に参加。サングラス越しにもまぶしいほどの日差しの中をぞろぞろと歩く。高校の頃遠足の帰りにみんなで府中競馬場にいったことがあったけど、全然ちがう。もっと古い、木造の感じ。それでいて巨大だ。コースの直前までつれてきてもらえて色々お姉さんに話を聞く。
日焼けしたほっぺたの熱が落ちないなーと思いながらホテルに帰ってシャワーを浴び友達と合流する。「ひさしぶりー。元気だった?抱きしめさせてくれ!」と歓待受け、そのあとどこに行くか相談する。
kiyo「あのさ、さっき川散歩してたら船があったんだけどさ、あれに乗らない?ディナークルーズよ。おごるよ?」 ジョナサン「なにそれ?もう半年もこの街にいるけどそんなことしたことないぞ」 kiyo「きまりだ」
と船着き場をネットで探すとなんとホテルの前。びっくりした。チケットオフィスに行くと売り切れたが、外にいる男性が乗船できなくなったのでチケットを売りたがっているんだ、買ってやってくれ、と。ナイスプレイスな上に、ナイスタイミングじゃないですか。
乗船して、レモネードやら紅茶やらをのみつつ、どうだったよ?と仕事ぶりや生活状況に花が咲く。そうこうしているうちに食事が始まる。ビュッフェスタイルで典型的なアメリカ料理だが、フライドチキンがあるのはケンタッキーだからだろうか?と思った。っていうか、そこで食べたビーフストロガノフが、思いの外おいしかった。
ジョナサン「どうよ?うまくね?」 kiyo「思ったより旨い」 ジョナサン「だね。ま、すごいおいしい訳じゃないけど・・・」 kiyo「うん、まぁまぁだ」 ジョナサン「そう!そのとおり。まぁまぁだ!このまぁまぁがケンタッキーなんだよ」
なんて話をしながらむしゃむしゃチキンやらビーフやらコールスローサラダをつつく。となりの老夫婦がはなしかけてくる。
「どこからきたの?」 「ボクはニューヨーク州の上の方(「アップステートニューヨーク」という)で、彼は日本から」 「ほう?アップステートニューヨーク?私たちはシラキュースに住んでいたのよ」 「そうですか。私はアルバニーで生まれ育ちました」
と軽く会話を聞いている。私は英語を話したくないので、聞いてにこにこしているだけだ。(いや、その友達はアメリカ人なので英語しか話さないんですがね)
夕食後、デッキのベンチで夕涼みをしながら kiyo「あのさ、あの質問いつもこまるんだよね。どこからきたの?って。私もう三年くらいNY州に住んでるわけよ。ま、元々日本から来たことも間違いない。かといっていちいち説明するのもアレだろ・・・」 ジョナサン「いいんだよ。日本からで。一般のアメリカ人なんて単純なことしか理解できないんだから。俺だって説明するの大変なんだ。両親が移民で、アルバニーでそだって、今は実家がシカゴで、ってそんなことあのアホどもに理解できないんだ」 kiyo「なるほどね」
船から眺める景色は格別だった。広い空の下、もうはてしなくのんびりした空間が広がっている。人に会わずともわかる。この景色の中ですごして、素直でのんびりした人間いがいできっこないんだろうな、とそんなことを思わせてくれる。都合3時間くらいのクルーズだったがディナーも付いて35ドルはやっぱりまぁまぁだと思いますよ。
このあとさ、友達と夜を楽しもうよ、と言われる。ま、こういうときは疲れをおして付き合わないといけない。そして、ぜったいこんなときにでてくる「友達」っていうのは「彼女寸前の友達」を意味している。例外ない。よくよく聞いてみると彼の上司の娘(!)だそうです。あんたもこの街に友達がいないからってなにもそんなところから始めなくても良いんじゃないか・・・。
ホテルのロビーで待ち合わせをして、彼の「友達」とルームメイトと合流し、さらに目的地で彼の同僚と合流する。目的地ってどこだろう、とおもって車の後部座席でやっぱり閑散として、だけれどもとても清潔な街並みをながめるとさっきの川をわたってしまった。対岸はケンタッキー州ではなく、インディアナ州なんだとか。ま、違いはないけどね。ついた先はなんとサルサバー。
その「お友達」は20歳なのでバーには入れないので、それでいてみんなで盛り上がれる場所はここしかないんだそうです。とても健全ですな・・・。というわけで健全にレッドブルをのんでサルサをみていると「ヘイkiyo!覚えてるぞ。ナリ(共通の友達の女の子)とダンスのクラス採っていたよな?」なんて余計なことを言い出す。んで、私の隣にいた薬剤師のバイトをしている娘が是非是非踊ってみよう。といいだすではないですか。「覚えてない。無理!」といっても聞く耳を持ってもらえない。さっきまで一生懸命私のつたない英語を聞こうとしていたのに、もう聞かないので、仕方なくちょこっとだけ・・・。
「あの・・・。kiyo?あなたのステップ。それはチャチャじゃないかしら?」
だからダンスは嫌いなんだ。 午前2時を回ったあたりで帰ることに。もうくたくただ。なのに彼は酒が入っているのに私が運転を。ホテルの駐車場で解散。今夜は久しぶりによく眠れるんだろうな、とおもって部屋で片づけをしているとノックが。
「泊めてくれ」は?車はどうしたんだよ? 「しってるだろ?さっき俺のルームメイトが乗っていた」あ、そうだったね。っていうか私はてっきり彼女を送っていったり、あの子の部屋にでも行くんだと思ったよ。 「お前馬鹿か?あの子の部屋は俺のボスの家だ。いけるわけねーだろうが」んで、私の部屋で寝ると? 「そう。よろしく」
ま、ベッドは意味不明にでかいから構わないけど・・・。 こうしてルイヴィルでの一日目は終わった。
2008年08月05日(火)
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