恋のさじかげん
れのん



 ひとりきりになる練習

メールを打った。
「よく考えてみたら、会える日って少ないよね。
 カレンダー見て、ちょっとびっくりした。」
今週末はひとりきりになる練習に充てている。
ただ、彼から「会いたい」の一声が無かっただけだけど。
あと4週もしたら、私は関東の人になる。仕事も住民票も。
転居が結婚によるものだったら、こんなに不安には成らないのだろう、と
一人きりの26女の侘びしさを噛みしめてる。
その前にけりがつけられるのだろうか。
こっちには友だちがいて、友だちと別れるための儀式だって必要で、
そうなってきたら、週末はどんどん埋まっていく。
週末のうちの何度かは、関東へ引っ越しの準備に行かなくてはいけない。
週末はどんどん減っていく。
彼は、そのことに気づいていないのだろうか。
無茶をすれば会えるかもしれない。
でも、無茶して会って、それで何を期待してるの?
彼は、よく言えば私の人生を応援してくれた。でも、
彼は、悪く言えば私の人生に何の決断もしてくれない。
止めることも、別れることも、離婚することも。
もちろん、責任もなし、残るものもなし。
ただ、3年間の彼との性生活は、それなりにこなしてきた。
子どもを作るためでも、愛の行為としての為でもないセックス。
昨日、ゴムの箱を処理した。
12個入りが3箱あって、残りはわずかに3つ。
それだけの回数、私たちは車で、旅先で、セックスしたことになる。
時々は生で、大部分はラブホ利用だったから、あんまり減ってない。
天気の分からない密室での逢瀬ばっかり。
生理の日には会ってない。
外の空気を吸いたかったし、関西でも行きたいところはいっぱいあったのに。
こっちですごした3年間、私はどこにも行けていない。
少し、残念だった。私はきっと、まだ、若かったのに。。。。
情けないことだけれど、私は自分の時間を悔やんでる。
彼と付き合うと決めたのも、関東行きを決めたのも自分なのに。
前をむこう。そして、一歩ずつ歩を進めよう。
もう、私には振り返ることも、待つことも無いのだ。
自分の選んだ道を、ただ、信じていくだけなのだから。


2002年02月24日(日)



 どうしようもない。

遠距離不倫なんて、無理なんだろうなと思った。
続けていけないって思った。それは今も変わらない。
6年は、確実に、私は関東にいる。
「6年、か。6年間もあったら、その中で何かはかわるんやろな。」
彼が独り言のようにつぶやく。
「何がどう変わるとは、わからんけど。」
6年もあったら、私は誰かと結婚するってこと?
6年のあいだには、貴方が離婚するってこと?
6年も離れたら、どうせ自然消滅してしまうってこと?
関東へ赴く前に、関係を終えようと思っているくせに、
そんな問が浮かんだ。
6年先の私たちなんて、存在しないのに。。。
そして、そのいずれの問いかけも、押しつぶした。
どうせ、はぐらかされるし。
私たちは、
凍えそうな現実から、身を寄せ合って、耐えることしかできない、
弱虫な双子のよう。
耐えるだけで、日々を終え、月日を重ね、
結局、何の答えも、何の打開策も見いだすことなく、
3年を終えようとしている。
石の上にも3年とはいうけれど、石の上に3年いただけでは、
世相の変化に助けられようと、他力本願になってしまっているのと、
大して変わらなかった。。。。
3年を後悔しないけれど、3年が大きかったのは確か。
あたしは今月の誕生日で、とうとう26になる。
不倫を始めたのが23になったばかりの頃だったのに。
あのころは若かったと、今でもそう思う。
好きだと思ったし、結婚なんて望むことなんて無かったし、
年齢に追い立てられるようなこともなかった。。。
彼との結婚を望んでいるわけではないけれど、
誰かにとって、一番大切な人になりたいっていう欲求は高まるばかり。
結婚したいなぁって思われるぐらい、愛されてみたいと、
自分の立場もわきまえずに、思ってしまったりして。。。

不倫が足かせになる?
未婚者の方だけが責められる?どうして?
若いだけでは乗り切れない現実もあるし、
二番目として生きていく不安定もある。
どんなに、「好き。」をくり返されても、
私の心は、繋ぎ止められない。
もう、それだけじゃ、どうしようもないんだよ。

2002年02月02日(土)
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