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■ 電話
出ないつもりだった。 ビデオを見ていたし、両親も一緒だったし。 だけど、着信音が彼であることを知らせているのを耳にしたら、 昼間、あたしが悩んでいたことも、思い切ろうとしたことも、、、全部、 どうでも良くなってしまっていた。 というか、電話を取ることが当たり前の選択で、 それ以外の行動なんて無いぐらいの自然さだった。 「年始、どうしてる?」 いきなりの言葉。「メリークリスマス」ではなく、「年始の予定伺い」。 「年始は、、、特に予定はないよ。(クリスマスだって空けていたのに)」 声には、不満がいっぱいたまっていたと思う。 それを出さないように、声が聞けたうれしさを隠すように、言葉を綴った。 「どっか、行こうか。久々だし。」 その言葉が、あたしを救ったのか、単にその場だけの幸せになったのか、 ともかく、あたしの頭をもたげていた暗雲は晴れたと言うこと。。。 一緒に出かけられる。一日だけでも、独占できる。 そういう思いよりも、とっさによぎった感情は、 「忘れられていなかった」という安堵感だった。 愛されている実感がない時、自分に自信がないとき、 人は誰かにその存在を忘れずに認めていて欲しいと思うのだろう。 ほんの一瞬思いだしてもらえるだけでも、幸せだって思えるぐらいに。。。。 おわらせなきゃいけない。おしまいの音は、もう、聞こえているはずなのに。。。
2000年12月26日(火)
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