unsteady diary
riko



 世界フィギュア観戦記

東京での開催ということで、数ヶ月前から拝み倒して休暇をもぎ取って、千駄ヶ谷の東京体育館に3日間通いつめました。
チケット争奪戦には敗れて、相当に良くない席だったけれど観に行って本当に良かった!!

まずは大ちゃん、銀メダルおめでとう。
「オペラ座の怪人」は忘れられないプログラムになりました。
自分の弱さに負けなくなった、それだけでもう充分。
結果が出る前に、涙ぐんでしまいました。

優勝はフランスのジュベール。
今期無敗とはいえ、トリノで無念の6位に終わったのを見て好きになった選手なので、よくもまあ這い上がってきたなあ、という想いが強くて。
正直フリーの守りに入った演技には満足していませんが、大切な場面での勝負強さは、悔しい思いをたくさんしてきたからこそ得られたもの。
こちらも、とにかくおめでとう。

銅メダルはスイスのランビエール。
昨年の覇者である彼は、世間的には負けたと思われているかもしれないけれど、私にとっては、昨年の金メダルよりも、ひょっとしたらトリノの銀メダルよりも、今回の銅メダルの方が価値があるように思います。
というのも、彼はトリノの銀メダリスト、二度の世界フィギュアチャンピオンとしての重圧に、競技を続けるモチベーションを喪いかけていて、昨年のグランプリシリーズを途中欠場し、ヨーロッパ選手権も欠場、そのまま引退するかもしれない、と思われていたのでした。
先のことはわからないけれども今は精神的な休息が必要だと、そして、心の火が消えてしまったら競技を続けることはできないと、彼は語っていて。
その彼が、情熱のこもった素晴らしい新プログラムを引っさげてもう一度競技の場に戻ってきてくれたことが、何より嬉しかった。
確かにミスはたくさんあった。ショートの出来は最悪だった。
それでも彼は、誰にも真似できないプログラムを演じて、スケートの可能性は無限なんだということを、教えてくれた。
どこまでも進化する彼を、来期も氷上で見られることを願っています。


とまあ、ここまではメダリスト達、とりあえずはハッピーエンドの話。
正直言って、大ちゃんの銀メダルの嬉しさやランビエールの復活とは裏腹に、一人の選手の演技を見て、切なさに思わず泣いてしまいました。

今回6位に終わったカナダのジェフリー・バトル。
トリノオリンピックの銅メダリストですが、今期は怪我のため長く練習が出来ず、ようやくリンクに戻れても、トリプルジャンプを飛べるまでに相当苦労したいう。
そんな彼が仕上げてきた新プログラムは、本当に素晴らしくて、ランビエールのフラメンコとともに私にスケートの魅力を再認識させてくれた。
それでも、結果は結果として受け止めなければならない。

大ちゃんの素晴らしい演技のあと、会場は異様なまでの興奮に包まれていて、その中でリンクに登場したジェフは、黙々と準備をしていたけれども。
その姿はやけに小さく見えた。バーケルコーチも不安そうに身を乗り出して見つめていた。
最終滑走、ホームでの声援に後押しされた大ちゃんの素晴らしい演技のあとに滑るプレッシャー。
運が悪いとか、それでも平常心で滑らなければ本当に強さではないとか、どうとでも言えるけれども。
それでも私は、ジェフの心中を思うと胸がつまった。
長いこと満足に滑ることすらできず、平常の練習がこなせるようになったのは12月のこと。ライバル達は試合経験も積んで、とっくにプログラムを完成している。そんな中で公式試合を2回しか経験しないまま、世界フィギュアの舞台に立った彼。
さまざまな不安を抱えながらも、それでも果敢に四回転にチャレンジして見事に転んだ彼の勇気を、私はひっそりと讃えたい。
よく言われる言葉だけれども、「また来年やればいい」「次に生かせばよい」という言葉を、私は安易に使いたくはない。一生続けられる競技生活ではないからこそ、今の演技そのものへの感動を、勇気を、私は讃えたいのです。


長くなってしまった。

とにかく、それぞれの選手への暑苦しいまでの想いを確認する3日間でした。

さあ、残すところエキシビションのみ。
ジェフもジョニーもいないエキシビションですが、アイスダンスはご贔屓さんが1位・2位とバッチリ決めてくれたので、かぶりつきで観てきたいと思います。

2007年03月23日(金)



 「サボテンの花」

観劇記録として。

キャラメルボックスでは初めて観る“音楽劇”という括りに、想像もつかなかったのだけれども、キャラメルらしい爽やかさと少しほろ苦い後味が素敵な舞台でした。

高校の文化祭でキャラメルボックスの芝居をするクラスが多いのだけれど、このお芝居は特に向いていそうです。

でも個人的には、もう少し濃い味付けのモノが好き…かな。

2007年03月17日(土)
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