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2年前に職場が変わり、生活が急変してしまった。最前線の職場で以前と比べて、土日返上、平日の勤務時間も2時間近く増えて、それでも家への持ち帰り仕事は毎日続く。今はこのリズムにも慣れ、家での仕事時間は随分減ったけれど、なかなか、もとの生活のリズムが戻らない。今まで出来ていたことが、圧倒的にできなくなってしまった。何にもしたくない時間も大切と、しばらくは思っていたが、ほんとに、何もする意欲が湧かなくなって、読書すら億劫になってしまった。さすがに、危機感。最近、物忘れもひどい。それに以前に、物事をきちんと覚えられない。作業能率が格段に落ちた。うまく言葉が出てこない。
そんな時にずっと気になっていた本が『フリーズする脳』(築山節著)。ずっと買おうか、買うまいか悩んだ末、結局、軽く立ち読みですましてしまった…。その時、一緒に手にして、「これだ!」と思ったのが、同じ著者の『脳と気持ちの整理術』と『脳が冴える15の習慣』。どちらもきちんと読んでいるわけではないけれど、ぱらぱらとめくりながら、気になる部分を反芻して、できるだけ、行動に移そうと努力している。
読んでいると、仕事が急に質的にも量的にも難しくなり、パニックに陥った2年前の自分がどうすべきだったのか、どうしてそんなことになったのか、嫌になるほど正確に分析されている。「ああ、この本が2年前にあれば…」と思わないわけではないが、あってもやはり、嵐のまっただ中にいた2年前の自分には理論的なアドバイスは通じまい。嵐が去ったからこそ、冷静に振り返ることができるのだから。
自己啓発本とかコーチングの本とか、あるいは時間管理や整理術の本とか、日々の苦しさを軽減したり、自分をコントロールするためのいろんな本があるけれど、私にとって『脳と気持ちの整理術』や『脳が冴える15の習慣』というのは、納得させてくれる本。特別なことを書いているわけでもないし、「脳」に着目した本であるが特に科学的というわけでもないが、今、自分が何で焦っているのか、何が欠けているのか、納得させてくれる。今の自分を大きく変えよう!というのではなく、このままでは今の自分はいつまでたってもこの停滞から抜け出せないという事実を納得させてくれた。
2冊の本を読んで、私自身は、不完全、不充分だと思っても動き続けていないといけないんだとつくづく思った。小さなことから生活リズムを取り戻す努力をしないければと。何かをはじめたら、どんなに不本意であっても、中途半端であってもとにかく最後まで行き着かないといけないんだと、そんなことを考えた。私にとっては、さまざまな「納得」を引き出してくれた本。
で、この本に何が書かれているかというと、どちらも目次が機能的に整理されているので、ここを見るだけでも十分かもしれない。ただ、「忙しい」ことを言い訳にしていると、当たり前のことを当たり前に日々こなしていくことが、一番難しいと、いつも思うことであるが。(シィアル)
『脳が冴える15の習慣』
習慣1 生活の原点をつくる / 習慣2 集中力を高める / 習慣3 睡眠の意義 / 習慣4 脳の持続力を高める / 習慣5 問題解決能力を高める / 習慣6 思考の整理 / 習慣7 注意力を高める / 習慣8 記憶力を高める / 習慣9 話す力を高める / 習慣10 表現を豊かにする / 習慣11 脳を健康に保つ食事 / 習慣12 脳の健康診断 / 習慣13 脳の自己管理 / 習慣14 創造力を高める / 習慣15 意欲を高める
『脳と気持ちの整理術』
第1章 前向きな自分をつくる / 第2章 思考の整理術―計画・実行力を高める / 第3章 記憶を強化する技術 / 第4章 アイデアを生み出す技術 / 第5章 気持ちの整理術
『脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める
』 著者:築山節 / 出版社:NHK出版2008
『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』 著者:築山節 / 出版社:NHK出版2006
2005年08月24日(水) 『王子とこじき』
2004年08月24日(火) 『銀のシギ』
2001年08月24日(金) 『古い骨』
45歳というのは、人生の中でどういう「時」を占めるのだろうか。内田咲世子は45歳の商業版画家。更年期障害があらわれ、生きているのが嫌になることもある。何かいいことがあるのだろうかと、だらだらと続く残りの人生を思う。そんな彼女の前に現れたのが、17歳年下の映像作家。映画制作をめぐるトラブルがあり、今はカフェでバーテンをしている。
とてもきれいなロマンス小説で、いかにも「男性」が書いたロマンス小説だなあと、ここ2〜3年、ブームのロマンス小説にどっぷりつかっている私は、生意気なことを思う。リアルなロマンスと陳腐なご都合主義の境界はどこだろうと。
ただ、ハーレクインとは違って、言葉がいい。歳月の重みを身をもって感じるようになってくると、何でもない言葉が、時によく響く。
わたしたちはなんとか生き残って、すこしずつでも前進している。たいしたものではないかもしれないけれど、なにかをつくりだしている。
死ぬ思いで仕事をして、なんとか甘い人間のまま生き延びる。それくらいがわたしたちにできるベストなのかもしれない。これからはすごい悪人にも善人にもなれそうもないからね。
年を取ると、この世にある仕事のほとんどで自分がまったく無力なのが、わかるようになる。それでいて、きちんと自分の仕事をしてきた人なら、自分だけにできることも身体でわかるようになってくる。
誰にとっても人生の後半を生きていくのは容易なことではない。
人の死にふれると、人間は一段深い心の顔を見せるものである。 (/ 以上、引用)
ほんとうは、それこそもっとロマンティックな甘い言葉も散りばめられているけれど、何でもない言葉の方が心にひっかかる。作者から言えば、えっ、そんなところ…って、恋愛小説のツボをはずしたところかもしれないけれど。
もちろん肝腎のロマンスも、ステキです。ロマンスそのものと関係のない言葉は、もっと素敵です。(シィアル)
『眠れぬ真珠』 著者:石田衣良 / 出版社:新潮社2006
※漫画化もされています。(吉田まゆみ / 出版社:小学館 )
2003年08月22日(金) ☆宮崎アニメの中のゴーメンガースト。
2002年08月22日(木) 『幻の女』
2001年08月22日(水) 『黒と茶の幻想』
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管理者:お天気猫や
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