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一度は見たや、海に浮かぶモン・サン・ミッシェルの城。 かの名高い湾で潮に襲われ溺死した当主、 ブルターニュの歴史ある領主館に各国から呼び集められた一族、 館の地下に埋められていた古い骨 ──その骨は大戦中レジスタンスに暗殺された SSの突撃大隊長のものなのか?
おどろおどろしいゴシック・ミステリの道具立ては揃っています。 そして古い白骨が語るその素性を暴くのは 我らが「スケルトン探偵」ギデオン・オリバー教授。 退屈な会合をサボる機会を狙っていた快活なアメリカンコンビ ギデオンとFBI捜査官ジョン・ロウは クロワッサンがクレープがチーズがおいしい、 景色がいいなあ、警部さん堅苦しいな、などと 思いっきり観光しながら骨と殺人事件の謎をおっかけて、 最後はお待ちかね豪奢な客間で 関係者全員の中で「君が殺しましたね」。 いいな先生楽しそう、私もそんな旅行がしたいですよ。 って、ギデオン命も狙われたんだったっけ。
謎解きそのものは割と簡単に分ってしまうし、 欧州的な重厚な雰囲気や苦いユーモアはありません。 でも軽快に読めて素直に笑えて、 ついでに骨に関しての法医科学的専門知識も身に付く (身に付けて実際何に使うんだ)という ちょっとお得なアメリカ・ミステリです。(ナルシア)
『古い骨』 著者:アーロン・エルキンズ / 出版社:ハヤカワ文庫
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管理者:お天気猫や
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