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■ 台風で〜す。
台風くるじゃん。やってきますじゃん。私の郷里の陸奥くんだりではね。台風がくることなんて、ほとんどなかったの。関東付近で熱帯低気圧になっちゃうからね、たいてい。でも、私はね。台風に来て欲しかったの。あの雨風、日常がぶっとぶくらいの珍事。それもいい。不謹慎だけれど、自分が死なない自信があったからね、そうも考える。でもね、それよりもね。私がみたいのは、昔、理科の地図帳で見た台風の目です。本当にぽっかり青空が空いててね。お弁当のご飯のところに梅干が鎮座するかのように、ちょんと青空が浮かんでてね。雲は、ショートケーキの断面のようにきれいで、固めては塗ったクリームが何層にも積もっているかのような。雲の断層でした。だから、はじめての台風の日は、楽しみにしていましたよ。授業なんて、まったく聞いちゃなかった。窓側の私は、雲を見てた。雨を見てた。風の音を聞いてましたよ。すると、先生が言うんです。「お、台風の目に入ったか」。風も雨もやんで、ただ校庭の水溜りだけが大きくて、ぐちゃぐちゃしてたんだけどね、その水にはね、強風に煽られた雲と青空は映ることはなかったんですよ。私、まいっちゃったね。本当にまいっちゃった。ガッカリしちゃって。初めての台風だったのに、裏切られたような気がしてね。明日は、どうかな?それこそ、午前9時に直撃だなんて言ってるけど、朝起きた頃には、通りすぎてそれはそれは暑くなってるんじゃないかな。台風一過でさ。
2002年07月15日(月)
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