恋のさじかげん
れのん



 3人の男との現状

「貴女を愛している。」
そう何度も呟くように、誓うように、「未来」は言った。
私は、「現在」からの着信を、そっと切った。
着信履歴から、「過去」が消えて久しい。
もう二度と見ることの無い「過去」の名前。
ややこしい事態はとうに越した。
ただ、私は「未来」を愛せない。
「未来」は私にほんの少しの夢を見せてくれる。
「未来」は私が失ってしまった純粋さを持っている。
「未来」には、未来がある・・・・。
私には未来が無かった。純粋さも無かった。夢も無かった。
だから、「未来」を見ていると眩しいとさえ、思えた。
「未来」は何度も私を掻き抱いて、
存在を確かめるようにして、
髪の中に、頭の中に、言葉を落としていく。
私は、それを受け入れることが、まだ、、出来ない。
穢れてしまった私は、少しも人を愛せない。
愛してしまってから、愛されないことを恐れるあまり、
私は誰も、好きになれそうに無い。
恐い、怖い、こわい。
人に好かれるのが恐い。
人に愛されるのが怖い。
誰かに本気になる自分がこわい。
自分に、自信が、持てない。



2002年09月19日(木)
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