恋のさじかげん
れのん



 ほんとうのこと

「よくわかった、ありがと、、、こんな俺でよかったら付き合ってあげて、、、」
(、、、、、、、、、ふむ、人間ってわからんもんやな、、、、)
新しく始まったこの関係は、加速して行きたい。
あなたが、俺を助けてくれるのか、、、、

陽気に生きたい、、、、


彼はそういって、大学時代の同窓生と付き合うことにしたらしい。
ほんの数日で、彼の気持ちは変わる。
耐性の無い人、我慢の無い人、移り気な人。
その程度の男だと、割り切ることにした。
そして、そんな程度の私であったことに、
、、、、泣けた。
馬鹿な3年半を過ごしてきたものだ。
自分を哀れむことしか、出来なかった。
「貴女の幸せのため、身を引く」
彼はそういったけれど、結局は次の女が見つかっただけだった。
それも、また、ありなんだろう。
そして、それもまた、彼の生きかたなのだろう。
冷たい男は、自分勝手で、私を何度も翻弄した。
そして、私自身を愚弄したのだ。そう気づいた。
どんなに強がっても、どんなに嫌いになろうとしても、
私の気持ちは何度でも連れ戻された。
そして、私は嘘をついた。
Tさんとも、Yさんとも、
私は寝ていない。
(もちろん、今後はどうなるのかわからないけれど。)
彼らは、私の心に触れたけれど、
体の関係は望まなかった。
だから、切り離すことが出来なかった。

おかしくなった私は、
もしかしたら、こうなることを臨んでいたのかもしれない。
淡い将来を夢見ることは、彼の子どもや、奥さんへの、
最大級の裏切りになる。
罪悪感にまみれた人生なんて、少しも幸せじゃない。
そして、家族を切り捨ててしまえる彼は、きっと、
私をいつか切り捨てる、
その確信にも似た、恐怖から、私は逃れられる。
これで私は、ひとりの女として生きていける。
とらわれの身ではなく、本当に、
彼から解放されるのだと思った。

私の秘密はまだ続く。
自分の墓場にまで持っていく、そんな秘密が、
実はまだある。

2002年09月04日(水)
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