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■ 内定
来年度からの仕事の内定をもらった。 私は、関東へ就職する。移り住む。 何となく、分かっていたことであり、 何となく、覚悟をしなければならなかったこと。 私はようやく、彼と別れる絶好の機会と、理由を得たことになる。 これで、私は会えない日曜のこと、日常に潜む家族の匂いに おびえることが無くなる。 罪の意識から、逃れられる。 けど、彼が前に言った、「ついていく」と言った一言を、 真に受けてしまっていた自分を、情けなく思ったり、 ついてきてなんて欲しくないって、思ってみたり。 この内定が、二人の人生を分かつことになる。 そして、それは確実。 仕事をしたいと望んだのは私。 誰の代わりでもない、たったひとりの「私」になりたいっておもった。 彼の妻になりたいとは望まなかった私。 それは、略奪であり、彼の家庭の崩壊を意味するから。 誰かに恨まれたり、後ろ指刺されるような生き方はしたくない。 それは、きれい事ではなく、本当にそう思っていること。 だから、今回の内定は神様がくださった、最良のプレゼントなのだ。 唯一無二の自分を手に入れ、後ろめたさからも解放される、 彼との別れも、距離と忙しさのせいにしてしまえる。 これほどのよい条件なんて無い。 なのに、少しだけ胸が空虚で、風がわたっていくのを感じる。 大丈夫、私は強いから。 大丈夫、一人きりの日曜日は、きっと すてきな時間になるから。 すてきな一人きりになるから。
2001年11月06日(火)
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