恋のさじかげん
れのん



 不倫と分別

別れることは、私の気持ちのなかでは決まっているのに、
彼は、「頑張る」つもりらしい。
「いっしょに頑張ろう、」と言われたけれど、
苦さがこみ上げてきて、ただ、笑うことしかできなかった。
遠距離になることがわかってからの彼は、会いたがり、そして、抱きたがる。
いっしょにいたいと言ってくれるのは嬉しいけれど、
地元を離れるとなると、いろいろな人にも連絡して、
別れを惜しむ時間も、儀礼的であっても、感傷的であっても、
こなすための時間が必要で、私は彼との時間があまり取れそうになく、
それを彼は不満に思っている様子は伝わってくる。
3年間近で、3年間、なんのアクションも無ければ、
不倫は一生不倫のままだと、自分で暗示のように思い続けているから、
その期日が来るのと、私が関東に越す日が来るのが
ほぼ同時期になりそうなことに救いすら感じる。
それは有る意味、仕事のため、という大義名分にもなり、
好きでも、傍にいてくれない人を思い続けることの困難さ、
そして、家族のある人との恋愛の危うさ、もろさをますます感じさせるけれど。
本当は、はっきりと別れを切り出すべきだろうし、
けれど、こういったことでもない限り、私は別れを決心できそうにないのも事実。
ああ、どうしてこんなにはまっているんだろう。。。。
3年からは、愛着が湧くって本当ね。
他人のものでも、3年付き合ったら、やっぱり、自分のもののように、
匂いだとか、居心地が良くなってしまうものなのかしら。
それが、例え歪曲した何かを含んでいたとしても。。。
不倫は、純粋に好きかもしれないけれど、やっぱり純愛とは言えない。
不倫は、単純に好きになってしまった結果だけど、やっぱりやましい。
そして、とても、浅はか。
始まった時点で、気づかなければいけないこと、
肝に銘じておくべき事、、、、たくさんの制限と諦観があってしかるべき。
なのに、始まってしまったら、どんどん自分勝手に振る舞って、
好きを持てあましてしまう。
不倫をするのなら、大人の分別を持たなければいけないのね。
結果的に、彼を家庭から奪い、結婚することになっても。



2001年11月15日(木)
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