とても嫌な夢を見ました。 これほど寒々しく、卑屈で、憎悪に満ち、さもしい夢はありません。
ところで わたしにはおとうとと呼ばれていた者がおりましたが もう何年も前にその線は切れ わたしはたいそう楽になったものです。
殺されると思ったことや 殺したいと思ったことがある方にはおわかりでしょうが それはやはり嫌な夢に他なりません。
風の噂で 〇〇組に入ったとか 刑務所に居るとか そういうことを聞いた覚えがあります そして父親の住まいを未だに子供の家だと思って 馬鹿みたいに人間になれる日をだらだら垂れ流し続けているのです
わたしは
猫のように 家につく子供ほどしあわせなものは無いと信じていました いいえ、いまでもきっと信じているのです
しあわせな家は坂の上にあり 父親と母親とこどもたちが 週末にはどこかへ出掛けたくさんの体験をする 釣りに、ボートに、川遊びに、遊園地に、ハイキングに 虫捕りに、ときにはターメリック色の田舎に、動物に、ゴルフに、海に
わたしは
グスターフはいい父親だと思いました。 しかしとても冷たく、憎んでもいました。
かみさまの足跡を それはなんて 家とは程遠いものか オスカーは かれもまた、こわい夢を見たでしょう。
二度と かつておとうとと呼ばれた者の 夢を見るなんて そういう骨の軋むような音を 味わうことがありませんように
どうか
ありませんように
|