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ツミグワシ
こはしいづみ
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2004年12月13日(月)
「これはとても悲しいおはなし」


彼は口を無くしてしまって 大口を叩くことが出来なくなりました。

あの子は糸を無くしてしまって 紡ぐことを止めました。

彼女は耳を失くしてしまって 生きていく意味を失いました。


 あそこで泣いているのは眼です。

  だれかに、あげようと思いました。

 あそこで横たわっているのは耳です。

  だれの、かわりにもなれないと知っていました。




サンディはプレゼントを無くしてしまって クリスマスを焼きました。




 あそこに、血だらけのヒルが居ます。

 喉をやるから声をあげてみろと言いました。

 「普遍的」というなまえの、声を もらいました。



わたしはことばを失くしてしまって




それでも生きました。