彼は口を無くしてしまって 大口を叩くことが出来なくなりました。
あの子は糸を無くしてしまって 紡ぐことを止めました。
彼女は耳を失くしてしまって 生きていく意味を失いました。
あそこで泣いているのは眼です。
だれかに、あげようと思いました。
あそこで横たわっているのは耳です。
だれの、かわりにもなれないと知っていました。
サンディはプレゼントを無くしてしまって クリスマスを焼きました。
あそこに、血だらけのヒルが居ます。
喉をやるから声をあげてみろと言いました。
「普遍的」というなまえの、声を もらいました。
わたしはことばを失くしてしまって
それでも生きました。
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