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■ 黒い染みのように
数年間、ほぼ毎日のように電話で声を聴いていた人。 お会いしたことは数回しかなかったけれど、今も耳にはっきりと蘇る声。 たった1ヶ月と少しでいなくなってしまった。
喪服を引っ張り出して、就活以来久しぶりに引っ張り出した黒のパンプスが少し痛くて、大人になって初めて参加するお葬式に慌てたりしながら、実際少しも涙は流れないのだけれども、漠然と喪失感みたいなものがある。
私より少し年上なだけ、いつも綺麗で輝いていた、そういう人が。 ある日、癌に倒れるということ。 千羽鶴を折るのさえ間に合わなかったほど、あっという間に逝ってしまったこと。 いつも強くて揺るがなくて、知る限り最強にプロ意識の強い人が、泣きはらした顔で娘の写真をずっと見上げていたこと。
葬儀に参加しながらもけろりとしている上司や同僚を見ていると。 何の関係もない自分が、その気持ちに引き摺られてしまうのは、おかしいのだろうと思うのだけれども。
歯を食いしばって我慢して、身体を痛めつけながら働いて、それでも死ぬときは死ぬ。 元気だった身体が、あっという間に動かなくなって、苦しんで、死んでしまう。 そんなことに今更気づいた。
明日、来週、来月、来年。 当たり前のようにやってくるわけではないんだってことに。
2007年04月21日(土)
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