unsteady diary
riko



 

JAMES BLUNTの声が心地よい。
フィギュアスケートの男子シングル銀メダリストであるランビエール選手がエキシビションで滑ったプログラム“You Are Beautiful”。
彼の軽やかなバレエジャンプや超絶技巧スピンが、表彰台での涙と一緒に思い浮かぶ。
歌詞の重さも含めて、名曲だと思う。


それにしても、どこかで聴いた曲だなあと思っていたら、
トルコ旅行で、滞在先のホテルでプロモを見ていたのだった。
向こうは音楽系チャンネルが多くて、プロモも非常に凝っていたので、友人と適当な感想を言い合いながら見ていたのだけど。
雪の降る海辺で、一枚一枚服を脱ぎ捨て、靴まできれいに揃えて、
最後は冬の海へ飛び込んでゆく。
なんとも寒々しく、痛々しく、それでいて印象的な映像と歌声だったわけで。
なぜ気づかなかったのだろう。


トリノのフィギュアスケートエキシビションは、眠気も吹き飛ぶ内容だった。
今もビデオを繰り返し見ている。
ジョニー・ウィアー選手の「My Way」が美しすぎて、泣きそうになったり。
バトルも好きだけど、彼は「アヴェ・マリア」の方が個人的には好きだなあと思ったり。
ようやく4年間の苦しみから解放されたねプルシェンコ、と素直に感動してみたり。

トリノだけでは飽き足らず、ソルトレークの名演技や長野の思い出まで引っ張り出した。
過去の演技を今も見られるインターネットの威力をしみじみ実感。
長野でキャンデローロに狂喜し、ソルトレークでヤグディンに悶え、今はプルに平伏し、ウィアーとバトルにうっとりしまくり。

ああ、わかりやすいな、私って。


ただ、今回はスルツカヤ選手が…。
その為に、どうしても女子を見返す気になれない。
エキシビションの練習時間は、リンクに立たず、フェンスに腰掛けて泣いていたという彼女。
それだけにエキシビションの笑顔が胸に沁みた。
“So Many Things”という曲の意味。
それが人生というもの、だなんて。
解説の五十嵐さんのコメント「金メダルは本当に欲しかったと思いますけれど…長い間トップスケーターでいられた、メダルに手の届く位置にいた、その並々ならぬ努力に対して、心から尊敬します」というあたたかい言葉に、思わず涙が出た。
難病を患いながら、文字通り命を削って滑ってきた彼女。
どんな結果も受け止めて、微笑む彼女。
これほど凛として美しい生き方をするスケーターを、他に知らない。



そんなトリノの余韻を残しつつ。



とりあえず、春を迎える。
環境の変化が多少ある。
支社長がとうとう異動になるだとか、
仕事を人に押し付ける、要領ばかりがよかった営業の同期が異動だとか、
昨年4人目の派遣さんが、半年たってもどうにもならず、辞めてもらうだとか。
別れといっても、送り出すことに心は動かず。
四半期〆の忙しい時期に、多少の出費と「送別会」という名の時間の浪費。
そんなものだと、一人つぶやく。

そうだね、そんなもの。
支社長も、住まい探しに頭がいっぱい。
もともと仕事より家庭の人だけど、
もはやこっちの支社の仕事はどうでもいいみたい。
こういう時にこそ生きる姿勢が出るね、としみじみ学ばせてもらっている。


ようやく事務社員が採用される。
なんともお嬢さんっぽい、マイペースな性格と思われる人だった。
“お嬢さん”という表現を、自分がする側になるなんて。
そういう年になった、というより、そういう立場になったんだろう。
それでも私よりまたしても年上の人なんだけど。
ほわんとしているというか、あまり人と接触するような仕事をしたことがないそうなので、
どこまで忍耐力とコミュニケーション能力があるのか、非常に気になるところ。
それとも第一印象は裏切られるのかしらん。


2006年03月19日(日)
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