unsteady diary
riko



 カネとモノとココロ


夕方テレビをつけっぱなしにしていたら。
家出した有名私立女子校生が殺されたという事件が報道されていた。
16歳を19歳と偽って、風俗(タッチOKのところ?)で働いていたらしい。
お嬢様が一転して風俗で働いていたら、それだけで話題になるみたい。


中学生のころ、家出寸前の大喧嘩をしたことがあった。
親は、義務教育もすませてない未成年が外ではひとりで家も借りられない、働くこともできないと知っていて、それをたてにとる。
売り言葉に買い言葉で、今以上に世間知らずだったあたしは
「たとえ体を売ってでも食べていく」と口走った。
だが敵もさるもの。
「風俗だっておまえみたいのは雇わないし、客もつかないよ」と。
確かに、もしも私が男だったら、金をもらっても触りたくもない。
その言葉には不思議に納得したあたしは、
「じゃあ死体を洗うからいい」
(そんな頻繁に死体洗いのバイトがあるかいっ?!)
とかなんとか、答えたような気がする。
甘い夢をみていた、お年頃。


冒頭の16歳の少女は、月収30万から40万を稼いでいたらしい。
そのほとんどは、エルメスなどのブランドものへ当てられたという。
亡くなった人に対して、こういう場所であれこれいうのは醜いけれど。
彼女は、物質であったまることができたんだろうか。
正真正銘自分で稼いだお金で、ブランド品に囲まれて。


給与振込先の指定をしなくてはならなくて、新しく口座を開いた。
ついでに、手取りを計算してみた。
大学生が大学をサボってかなり働いてバイトして得る月収よりよほど少ない。
それもこれも、全部あたしが選んだこと。

一人暮らしする予定の知り合いは、当然のように親元から援助を受けると宣言していた。
確かに、もしも一人暮らしをしようものなら、家賃に大方消えて、食費が出るかどうか怪しいっていう額だけど。
それでも、きわめて質素に暮らしていれば無理ではないのだろうと思う。

問題は、自分自身にある。
好きな物でまわりをうずめても、
マッチの明かりのように、実際はちっともあたたまらないけど、
それでも、なくしたらきっとつらくなるから。


お金のためになんだってする人がいるとして。
それを責められるほど、私は強くない。

2001年11月05日(月)
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