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月光に照らされた雪の森、 あおくつめたい世界を、父さんと娘が歩いてゆきます。 森の奥に棲む、みみずくに出会うために。 人間も息をひそめて、そっと、そっと。
そしてこれは、その場の思いつきではなくて、 父さんと娘の、ずっと前からの約束なのです。 「いつかそのうちに、つれていってあげよう」 大人の約束が、こうして守られていることに、 絵本のはじまりから、ほっとします。 それが、今日、今夜なのです。
二人の「ちょっとそこまで」が、夜のとばりが降りた雪の森、 というのは、アメリカならではのスケール。 それに、普通だったら、父さんと一緒に行くのは、 息子であることが多いのに、そうじゃないところも なかなかに冒険心を満足させてくれました。 何があっても、父さんと一緒なら大丈夫、 そんな女の子の安心した表情も伝わってきます。
ジェイン・ヨーレンの文体に流れる美しいリズムが、 唄のような日本語になって、いきいきと語りかけます。
本をひらくと雪の照り返しがこちら側まで射してきそうな、 澄みわたった空気に、みみずく探しの緊張がつながって、
やがて、待ちに待った出会いが訪れます。
(1988年コールデコット賞受賞作品)
(マーズ)
「月夜のみみずく」著:ジェイン ヨーレン / 画:ジョン・ショーエンヘール / 訳:工藤直子 / 偕成社1989
2002年02月08日(金) 『白州正子"ほんもの"の生活』
2001年02月08日(木) ☆新美南吉(2)
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