HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館
春は、別れと出会いの季節。
別れの切なさと同時に、新しいことが始まる、新鮮な緊張感。
でも、わくわくする間もなく、新しい仕事に追われています。
せめて、小説の中だけでも、新しい出会いにドキドキしてみたくて、
ロマンス小説を開いています。
◎ 上質のロマンス小説といえば…
ロザムンド・ピルチャーについて、あれこれ調べていて、ピルチャ
ーがかつて、JANE FRASER名義でロマンス小説を書いていること、ハー
レイクイン・ロマンスにも何冊か作品を残していることを知りました。
[ Harlequin Romances ]
A Long Way From Home
The Keeper's House
Young Bar
A Day Like Spring
ピルチャーの本には、20歳前後の若い女性を主人公にした、ほほえ
ましい物語がいくつかあります。どれも最後は容姿や社会的地位では
なく、心が惹かれあう、内面の豊かな青年と結ばれる、気持ちの良い
上質のロマンス小説となっています。
『メリーゴーラウンド』(東京創元社)
『もうひとつの景色』(青山出版社)
『夏の終わりに』(青山出版社)e.t.c.
また、最近のピルチャーの長編小説では、60〜70代の女性が主人公
で、年齢に関係なく、人を愛するということ、愛がもたらす人生の豊
かさがたっぷりと描かれています。「ロマンス」がテーマではないけ
れど、それでも、優れたロマンス小説の一面があると思います。
『シェルシーカーズ』(朔北社)
『九月に』(朔北社)
『冬至まで』(日向房)
◎ 時をも越える、ロマンス小説…
ロマンス小説というと、私は「タイムトリップ(スリップ)」物の ロマンス小説の大ファンです。「時」を越える愛というのは、究極の ラブロマンスでしょう?タイムトリップやタイムスリップで、過去か ら王子様がやってくるなんて、強烈にロマンティック。きっかけは 『時のかなたの恋人』(ジュード・デヴロー/新潮文庫)ですが、最 近は、ちょっと間口が広がってきて、「時を越える」ロマンス物であ れば、タイムトリップ物かどうかに関わらず、チェックするようにな りました。
ヘザー・グレアムの『四世紀の恋人』(MIRA文庫)は、タイトルに
ピピッと反応して、ネットで注文しました。実際は、「タイムトリッ
プ」ではなく、「生まれ変わり」系のロマンスでした。
※四世紀前のイギリスで、魔女に仕立てられ、火刑に処せられた女
性。現代のNYの宝石デザイナーのジリアン。17世紀の英国と現代
NY、過去と現在の愛が交錯する、時空を超えたロマンティックサ
スペンス。
ロマンス小説は、設定がお粗末だったり、訳がこなれてなくて、変
な日本語だったりと、当たりはずれの大きいジャンルだと思います。
でも、この『四世紀の恋人』は、意外と物語やミステリの要素もちゃ
んとしていて、面白く、さには良心的な本とまで、思ったほどでし
た。
今読みかけのノーラ・ロバーツの『愛は時をこえて』(扶桑社ロマ ンス)も、タイムトリップ物ではないけれど、『百年の時を超えて交 錯する、ミステリアスな愛の物語』ということなので、期待して読ん でいます。
その他にも「時を越える」ロマンス小説を探してみると、テリー・ ヘリントンの『フラッシュバック』(MIRA文庫)はまさに、「タイム トリップ」物の王道と言えそうです。 ※ヒロインがタイムトラベルによって、「現在」の自分が知らなか った「過去」の恋人のもとへ。時空を越えたセアラのせつない恋 が始まる。
ピルチャーの小説世界のロマンスには、あたたかな気持ちになると 同時に、現実の人生についてじっくり考えさせられます。また反対に、 「時を越える」ロマンス小説は、非現実であるがゆえに、ロマンティ ックな気分にどっぷり浸り、しばしの現実逃避が楽しめます。
◎ その他のタイムトリップ(スリップ)ロマンス
2003年03月28日(金)『時の旅人クレア』(その3)
2003年03月27日(木)『時の旅人クレア』(その2)
2003年03月26日(水)『時の旅人クレア』(その1)
2001年02月14日(水)☆ 恋人は、「時」の彼方から
☆ タイムスリップ・ロマンス特集
(シィアル)
>> 前の本 | 蔵書一覧 (TOP Page) | 次の本 <<
管理者:お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]