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恋も、復讐も、殺人も、涙も、笑いも、 子どもたちには必要なのだ。 何よりも、子どもたちは毒のリアルな酔い心地が 好きなのかもしれない。
ここに収められた「小クラウスと大クラウス」のお話は、 昔話であれば安心して読めるかもしれないが、 創作である以上は、かなりの毒だ。 殺したり殺されたり、奪ったり奪われたり。 大クラウスは、ケチでイジワルだというだけで、 小クラウスにそそのかされて親を殺し、 自分も結局殺されてしまう。
「エンドウ豆の上のお姫さま」だって、 よく考えれば、かなりあやしい。 嵐の晩にたったひとりで城にきて、自分で 「私はほんとうのお姫さまです」と言うのだから。 けれど、ほんとうのお姫さまとしか結婚できないと 豪語していた王子さまのお相手には、 ぴったりだとは思うけれど。
アンデルセンは生涯独身で、 晩年は、毎日、親しい友人宅を訪ねて夕食を共に したそうだ。 アンデルセンのところに、ほんとうのお姫さまは 来なかったのだろうか、それとも。
前々から気になっていたルーマ・ゴッデンによる アンデルセンの伝記を、やはり読まねば終らない。 ゴッデンの人形譚が、アンデルセンの畑から芽生えた ような気がして、なおさらに。 (マーズ)
『アンデルセン童話集1』著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 訳:大畑末吉 / 出版社:岩波少年文庫2000新版
2003年03月02日(日) 第75回アカデミー賞 ノミネーション
2001年03月02日(金) 『カフェめし』
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管理者:お天気猫や
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