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ヴィクトリア女王の時代に生きた架空の王女、 マリゴールドと、王女に瓜二つの少女アヴィラ。
王女は女王の反対する恋人と過ごすため、 一計を案じる。 しかし、ギリシャへの身代わり訪問という前代未聞の くわだてによって、ギリシャ人の母を持つアヴィラは、 生涯の伴侶となる男性と出会うのだった。
原題は、『アポロの愛の光』で、 まさに内容は純粋な愛そのものである。 決して日本語のタイトルから憶測するような、 18禁的なものではないので、念のため。
カートランドの作品のほとんどは、英国やスコットランドを 舞台としているので、今回のようにギリシャが主人公たちの 心の故郷として描かれるのは異例だろう。
パルテノン神殿やアテネ、アポロ神、カニドス島。 そして主人公たちの語る、ギリシャ語のひびき。 ギリシャ語はイメージがほとんどないので想像だけれど。
カートランドがすごいなと思わされるのは、 毎回、舞台となった文明や地域の歴史的意味を、 読むうちに観念として私たちに植えつける構成力だ。
時も折、今年のオリンピックはギリシャである。 ギリシャの光にふれずにいられるだろうか?という気にさせる。 この本は、田舎の市場の片隅で、良心市にて100円で 売られていたのだけれど。 (マーズ)
『オリンポスの饗宴』 著者:バーバラ・カートランド / 訳:荻原明美 / 出版社:サンリオ1997
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管理者:お天気猫や
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