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夏休みになって、小学生の姪たちがちょくちょく泊まりに来ている。 夏の夜のお楽しみは、もちろん、怪談話。 とはいっても、私自身がとても恐がりで、 おまけに、怪談話の語りに重要な「間」が下手なので、 かわりに、本を読み聞かせている。
どうせ、読み聞かせをするのなら、 本当のところは、是非、姪たちに聞かせたい! と、思う名作がいっぱいあるのだけれど、 小学校低学年の姪たちの興味が、 なかなか、名作に向いてくれないのは、少し残念である。
さて、話を戻すと、 最初に買ったのは、『魔女のレストラン』だ。 どこかで聞いたことのある昔話が、 小さな子どもたちにもわかりやすいように、 身近な話として、アレンジされている。 ヨーロッパの魔女から、日本の天狗やのっぺらぼうまで、 メインのお話は、10話あるけれど、 幸か不幸か、怪談話といっても、 それほど怖いお話ではなかった。
私と同じように、恐がりの姪たちも、 やがて、物足りなさを覚えてか、 さらなる怖い話を求めるようになって、 次に買ったのが『妖怪レストラン』である。 この本は、妖怪がテーマだけれど、 天狗やカッパだけでなく、 おなじみの、口裂け女や人面犬、人面瘡まで、 バラエティに富んでいる。
小さな姪たちにとって、もっとも恐ろしかったお話は、 意外なことに、見た目の恐ろしさや、 うらみつらみの呪いなどではなく、 『わたしをかえして!』という「人面瘡」の話であった。 確かに、身体に人間の顔をした痣ができるというのは、 それだけでも、ぞっとすることだろうけれど、 やがて、痣の方がどんどんと大きくなり、 主人公の女の子を乗っ取ってしまうというシチュエーションには、 リアルな恐怖があり、強烈に恐ろしかったようだ。 他者に支配され、自分が消えてしまうという、 精神的な恐怖を初めて味わい、 泣きながら震え上がってしまった。
しかし。 子どもというのは、懲りないというか。 常にチャレンジャーであるというか。 今は、三冊目の『墓場レストラン』である。 「墓場」、である。 怖くないはずはない。 しかも、今までの怖さと違って、 かなり、ウエットな恐怖である。
ランダムに物語を読み進めているが、 最初に読んだ『見たな』が、 これまた、子どもにとっては、 理解を超える、反則のような怖さで、 しかもそれを寝しなに読んだものだから、 姪たちはすっかり悪夢にうなされてしまった。 この後しばらく、『墓場レストラン』はずっと敬遠されていたのだったが。
今日、どういう風の吹き回しか、 久々に続きを読もうということになった。 想像を裏切らない、恐ろしさだったが、 幸いなことに、『おまえにひとつ、おれにひとつ』という お話がいたく気に入ったようであった。 この本を買ったことを後悔しなくてすんだようである。 この物語が、最終話というのは、なかなか、心憎い。
このシリーズは、現在25巻あり、 さらに増殖中のようである。 この分でいくと、私の書棚にも、まだまだ増え続けそうである。
(シィアル)→ 2002年05月28日(火) 『怪談レストラン』(by マーズ)
→ 『ようこそ、怪談レストランへ』(全25巻のリスト / 童心社)
『怪談レストラン』シリーズ 編集:怪談レストラン編集委員会 / 責任編集:松谷みよ子 / 絵:たかいよしかず・かとうくみこ / 出版社:童心社
・『妖怪レストラン』第5巻
・『魔女のレストラン』第7巻
・『墓場レストラン』第9巻
2002年08月13日(火) 『熱い闇』
2001年08月13日(月) 『妖女サイベルの呼び声』
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管理者:お天気猫や
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