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魔法少女レイチェルのシリーズ第一巻。 (魔法少女、っていうのは私が勝手につけたのだが)
ハリー・ポッターの後で出版された魔法系冒険ファンタジー群の なかにあって、いつも書店で見かけながら、 なんとなく引いていたのだが、読み始めると速かった。
個人的には、魔女に変身する少女(とかわいい弟)という設定から、 ハリーよりもむしろ、M・マーヒーの『めざめれば魔女』を連想する。 そして魔女の気味ワルさ加減は、『グリーン・ノウの魔女』(L・M・ボストン) の流れを汲むのでは、と推測する。 健康的なファンタジーではなく、ダーク。 そうと知っていたら、もっと早く読んだのに(笑) ただし、一巻には翻訳と校正が少し粗い箇所もあって、 いずれ修正されることを願う。
平和な生活を送っていた少女レイチェルは、ある日、 突然に、魔女によって暗黒の惑星イスレアにさらわれてしまう。 弟のエリックと一緒に。 そこは黒い雪に閉ざされ、太陽のない世界だった。 レイチェルは地球(宇宙)を守る魔導師によって魔力を与えられた 子どもたちの一人、モルペスに出会い、助けられる。 彼は、レイチェルこそ、イスレアにつれて来られた子どもたちの間で 「希望の子」として待望された救世主だというのだ。
どんどん魔法を自分のものにしてゆくレイチェルと イスレアを支配する冷酷な魔女ドラグウェナとの戦いが、 ビジュアルイメージ豊かに展開されてゆく。 雪のなかでの追撃や逃走、魔女と善なる存在、 人間のなかの善と悪の戦いといった構図は、 指輪物語風でもあるが、本質的にはナルニアを思わせる。
ダークなファンタジーと書いたけれど、エンディングの 大団円は、まさにナルニア的な神話世界である。 しかしそこに、続編へと続く種が仕込まれ、次の舞台は 地球となる。魔法をわがものとしたレイチェルの活躍に期待。 (マーズ)
『レイチェルと滅びの呪文』 著者:クリフ・マクニッシュ / 絵:堀内亜紀 / 訳:金原瑞人 / 出版社:理論社2001
2002年07月10日(水) 『シャングリラ動物園』
2001年07月10日(火) 『紫苑物語』
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管理者:お天気猫や
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