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モノクロの画面からこちらを見ている、 多くは野良らしき猫たち。
京都の街をうろうろしていた学生の頃は、 この写真集のように猫がたくさんいる街という 印象はもっていなかった。
著者が開いた有名な喫茶「ほんやら洞」のことすらも、 近辺をうろついていながら、知らなかったのだが。
街のいたるところに猫のすがたをとらえた この写真集をながめながめしていると、 京都の街の数十年の記憶が 見る者を猫の手で手招きしているようだ。
まだあれからそんなに時間はたっていないような 気がしていながら、その実は。 いったい何世代の猫たちが街にあらわれ、 消えていったのだろう。
哲学の道に、たむろする猫たち。 あのころ、何度か歩いた道。 京都は猫町だったのか、 といまさらながらに京都のことにうとい 自分を発見させられる。
猫の写真集を見ながら、年をとったなぁ、と 明るい日向でつぶやく早春の午後。 (マーズ)
『京都猫町さがし』 著者:甲斐扶佐義 / 出版社:中公文庫
2002年02月26日(火) 『幽霊たち』
2001年02月26日(月) 『地球の長い午後』
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管理者:お天気猫や
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