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タイトルを見たとたん、「買うべし。」と 思う猫好きは多いだろう。
しかも、巻末に、本文で取り上げられている 『綿の国星』の漫画家、大島弓子の 書き下ろし感想漫画付き、とあっては。
このタイトル、「猫」と「たましい」と「だまし」を 掛けているのだそうだ。 「だまし」まで入っていたとは、さすが猫。
古今東西の猫が登場する名作を視点を変えて掘り下げ、
猫と人間とのシンボリックな関係をひらめかせる本。
世界の猫民話から、『長靴をはいた猫』や、『100万回生きたねこ』、
『空飛び猫』、『宮澤賢治の猫』など、
登場する猫の行動も意味合いも多彩。
たしかに、犬ではこうはいかない。 猫は、河合さんの、心理療法家という仕事においても、 患者によって象徴的に語られることが 最も多い動物なのだと知った。
お話のなかに登場する猫を論じる以上、 多少のあらすじ紹介は欠かせないわけで、 しかし、過ぎると、未読の方にはネタバレとなる。 読んで興ざめるのでは紹介する意味がない。 そのへんの河合さんの葛藤も共感した。
猫づくしの生活となってしまった今年、 部屋で飼っている二匹の猫たちとは、今までに 飼った外猫以上にコミュニケーションをすることになった。 つくづくと思ったことは、 猫にとって世話してくれる人間は、 すべて、「お母さん」なのだということだ。
犬の場合はボス(主人)だと思う。
でも、猫はほんとうに、こう言って鳴く。
「おかーさーん、おかーさんおなかすいた」
・・あんた、さっき食べたばっかり。
(マーズ)
『猫だましい』 著者:河合隼雄 / 出版社:新潮文庫
2001年12月12日(水) 『バースへの帰還』
2000年12月12日(火) 『茶の本』
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管理者:お天気猫や
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